長谷川よしきのブログ

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丹波市: コミバスの視察

2010年10月07日 | ブログ

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 10月5日、私の所属する企画総務常任委員会の議員を中心として、丹波市の鴨庄コミュニティーセンターを訪問した。丹波市議会議長 田口勝彦様はじめ、丹波市職員、「鴨庄ふれあいバス」を運行されているNPOかもの事務局長 荻野様・副理事長 尾松様から「コミュニティーバス」の運行実態について説明を受けた。

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 かつて一部市民の要望と役員のアイデアにより企画され、アンケート調査などをもとに、「鴨庄ふれあいバス」が運行開始した。(2003年6月)

 当初は祝日を除く月曜~金曜日の午前中を「無料」で鴨庄地区内を走っていた。1日の平均乗車3.4人を乗せ、鴨庄の中心地にある診療所、郵便局、スーパー、農協へと8人乗り中古車を走らせた。途中でスーパーが閉店、JA支店も閉店となるなか、1日の平均乗車人数も3.4人から0.9人へと減少してしまった。しかしながら、利用されている市民から、「本当に助かる」と感謝の言葉に励まされ、運行日の変更(月・水・金の週3日へ)や県の助成制度を活用し、料金も無料から1回200円の有償運行へと改定しながら現在にいたっている。

 何より「事故」の場合の保障をどうするのかの課題を持ちながら、「保険で最高のものをする。それ以外はできない」と市民に理解を求め、これまで一度も事故を起こさず運行されている。その苦労と努力には感銘した。

 市内25校区中8校区は全く公共交通がなく、前述の「鴨庄ふれあいバス」、「前山ふれあいバス」、「かどのふれあいバス」として、NPOや自治振興会によって自主運行バスが走っている。

 丹波市は「生活に密着した交通は確保すべき」と位置づけし、毎年5000万円の経費を計上し、6つのタクシー業者と契約、商工会の協力を得、13台の車を市が貸与し9町エリア内で来年度から運行開始されることになった。

 利用開始30分以内までに電話予約し、乗合方式で1回の利用料金300円で午前と午後に運行されるディマンド型の「ディマンドタクシー」である。

 前回、岐阜県多治見市で運行されているディマンドバス(タクシーを利用する点では同じ)方式と違うところは、多治見市ではタクシーが利用されればされるほど、市の経費負担が増加する方式だが、丹波市の方式は、1時間当たりの経費として計算された年間固定費として支払われる方式のため、市の負担増となることはない。

 市の基本的な考え方がすばらしい!「経費がかかることはやめよう」ではなく、「発想の転換」を行い、「公共交通は社会基盤の重要な一つである」とのしっかりした認識にある。民間の交通事業でも黒字運営は中々困難であり、「公共交通は、黒字になることはないと考える。ただ、いかに赤字を減らすかの努力をしていく」として、「一定の税金投入は市民生活を守り維持するためにはやむを得ない」との基本的な考え方である。

 限られた税金をどのような基本姿勢、認識のもとに市民生活を守るために使っていくのか。市民・職員の理解が得られるよう、行政は説明責任を果たし、本当の意味で憲法と地方自治法を生かした市民の砦としての自治体行政の在り方を考えさせられた視察であった。