常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

大寒

2024年01月20日 | 日記
今日、24節季の大寒。暦の上では最も寒い季節だが、暖冬で先日降った雪も消え温かい日を迎えた。昼過ぎ、青空にポツンと上弦の月が見えた。あと10日ほどで節分、陽がさすとすでに春の気配が生まれている。室内では、クンシランが花を咲かせ、アマリリスの花芽が15㌢ほど伸びた。初侯に「鶏初めて乳す」とある。厳しい寒さのなか、春を感じた鶏が卵を産む季節である。年のはじめから、暗いニュースが続く。精神科医の樺沢先生は言う。「暗いニュースを見続けると、うつ状態になる」地震の被害の悲惨さを、長く見ているのは精神生活によろしくないらしい。流されるニュースを見続ける時間を制限し、状況を知るために、朝夕短時間のチェックにとどめることが推奨される。

チャットgtbに、高齢者が老後を楽しむ生活モデルを提案してもらった。本屋に行って、老後の生活に参考になりそうな本を選んで読むより、生成AIに聞いた方が早くて安価である。ほぼ一日のなすべきことが30分から1時間おきに書かれている。朝の散歩は、公園や自然豊かな場所とある。友人や知人と一緒に行って話をすことが大切。運動は朝の散歩だけではない。体力や筋肉の維持向上のためジムやプールの使用の提案もある。読書と趣味に2時間30分の時間が割かれている。脳の活性化や知識の増加、自己表現や創造性の発揮にも言及されている。新しいことを学ぶための勉強時間。語学やパソコンなどを勉強して脳を若返らせる。

テレビやラジオの視聴にも触れている。これに割かれる時間は夜の1時間、ニュースやドキュメンタリーが推奨されている。時事問題や社会情勢に関心を持つことも大切である。10時に就寝して7~8時間ほとる。入浴にはアロマの使用が推奨されている。この生活モデルを実施するとなるとなかなか難しいだろうが、提案にには取り入れるべきものがたくさんある。AIを老後の生活のうえに活用するのは大切だ。肉体や認知の衰えを、AIの活用で補う。技術革新の時代に生きている全ての人が享受できる恵みと言える。


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奇跡の雪景色

2024年01月18日 | 登山
雪の無い1月。15日になって15㌢の積雪になった。車の屋根に降る雪が、あっという間に、5㌢を越える。朝の道路は、この冬初めて圧雪になった。日陰の道は凍り、滑らないで歩くには注意が必要だ。翌日、雲ひとつない晴天。計画していた里山歩きに10名の山仲間が集った。坂道で踏み跡をあるくと、山靴でも滑る。頂上から見える山形の市街、その向うにある奥羽山脈の雪景色は奇跡というほかない。こんな絶景を見るには、いくつも偶然が重ならねばならない。前夜の雪、雲ひとつない晴天。風もなく、そこそこ上がる気温。もし、朝靄がなく透き通った空気であれば、山の雪景色はさらにくっきりときれいだったろう。偶然が積み重なって得る絶景。山を歩く人にのみ恵まれる幸運だ。

雪晴れて蒼天落つるしづくかな 前田普羅

富神山の麓には、この山頂の神社を守る集落がある。元日には、鍋と燃料を持参して、雑煮にをふるまってくれるのが恒例であった。一緒に登った恒例の老人にそのことを話したら、去年の暮、その行事に熱心だった人が亡くなったと知らされた。だが、その息子さんが後を継ぎ、ことしもこの行事は行われたという。その方は、90歳になってもこの山登りを続けているという。老人になっても、初対面の人と臆せず話す。これが、高齢の生き方の極意かも知れない。
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寒の内

2024年01月15日 | 詩吟
新年の気分はなかったが、月日は飛ぶように過ぎていく。それにしても、こんなに雪の少ない寒の内は記憶にない。来週は大寒だというのに、平地には雪が見えない。蔵王のスキー場も雪が少なく、恒例のジャンプ大会のためにシャンツェの雪が運ばれている。道路に雪がないだけ車の運転も楽だが、この季節に見る青空は異常気象のシンボルのように見える。太平洋岸では、この季節普通に見える青空だが、日本海側の小雪はコメの不作の予兆でもあるのだ。

昨日、詩吟の会の初吟会が開かれた。久しぶりに会う吟友の吟を小1時間聞いた。高齢化で会員たちの今年の抱負を聞いて回った。期せずして、「健康第一」という声が方々で聞こえた。そのなかで、「詩吟をもっと上達したい。」「美しい日本語を極めたい。」「仲間を増やしたい。」どのテーブルからの切実な声が聞えた。漢詩や和歌に親しむ時間は、歴史のなかに埋められようとしている。戦後の敗戦を経験した人々は、本当の言葉に飢えていたような気がする。漢詩の難しい表現への回帰は、一億総玉砕などの虚しい言葉への反発であった。紀貫之の春の歌が心に沁みた。

袖ひちてむすびし水の氷れるを
 春立つ今日の風や解くらむ
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年初の雪山

2024年01月12日 | 日記
今年は元日から大地震が起き、飛行機の火災など、正月気分もないまま10日以上が過ぎた。今年の山の初登りは、高齢の笹谷峠。雪の少なさに驚く。避難小屋でストーブを焚き、sさん自慢のナメコ汁に新しい年を感じた。あいにく
山は小雪が舞っていた。この峠はいつも風が強い。年末年始を身体を動かさずに過ごしたせいか、峠までの雪道を歩いて体力の衰えを痛感した。今までのように雪道を悠々と歩きたい。体力の維持、これが年初の目標の一つになった。いつもなら、ブログにも一年の計を書いていた。

哲学者安岡正篤に『活学一日一言』の1月1日は「年頭清書」である。人間を知り尽くした人の年頭の言葉を、ここの掲げさせてもらう。その志の幾分かでもを分けてもらい、今年を生きるよすがとしたい。

1残恨(残念なこと)を一掃して気分を新たにする
2旧習(ふるい習慣)を一洗して生活を新たにする
3一善事を発願して密に行ずる
4特に一善事を択んで心読を続ける
5時務を識って自ら一燈となり一隅を照らす

一隅を照らすとは、天台宗の開祖最澄の言葉だ。「一人ひとりが自分のいる場所で、自ら光となり周りを照らして、進むべき道を知らせること」だ。困難な時代に、周囲に凸凹や、川はないか。どこが皆が安心して歩ける場所か。このような言葉を、念頭に書くことができるだけでもありがたい。今、自分ができるだけのことをする時間を大切にする。そのためには、1年健康でなければならない。山を歩きながら、そのことを痛感した時間であった。
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積雪5㌢

2024年01月08日 | 日記
年明け早々、悲惨なニュースが多すぎる。能登半島の道の亀裂を被うような雪が降った。避難所には、暖をとる手立てもないらしい。テレビで見る被災地の様子に、行動を起こすことのできないもどかしさが募る。こんなストレスを紛らわせてくれるのは幕末の歌人、橘曙覧の歌だ。たのしみは、で始まる「独楽吟」の連作。幕末という動乱の時代が、今日の国の危機に通じるものがある。

たのしみは雪ふるよさり酒の糟あぶりて食ひて火にあたるとき
たのしみはそぞろ読みゆく書の中に我とひとしき人をみしとき

ミストラルと呼ばれる北風がある。青空の光る南仏プロバンスに移住したばかりのイギリス人夫婦は、この北風の洗礼を受ける。アルプスから吹き下す風は、ローヌ渓谷で速度を増し、プロバンスを直撃してマルセイユから地中海へと吹き抜ける。夏は冷たい風となって涼しい夏をもたらすが、年明けの冬にはとんでもない北風の猛威となる。

「風は屋根瓦を何枚か引き剝がしてプールに飛ばし、うっかり閉め忘れた窓を蝶番からむしり取った。気温は一日のうちに20度も下がり、たちまち氷点下6度になった。マルセイユの気象情報によれば風は時速180㌔を記録したという。」(メイル『南仏プロバンスの12か月』)

この北風は、移住したばかりの夫妻の家の水道管を破裂させ、その修理にきた管工職人の仕事ぶりが紹介される。凍てつく冬のプロバンスは、人が姿を消し、町は静まりかえる。だが一歩屋内に入れば、赤々と燃える暖炉の部屋で、親戚や知人が集まる食事会が開かれえる。自家製のピザはアンチョビ、キノコ、チーズの3種類。少なくとも3種類を1枚食べるのが礼儀だ。ウサギとイノシシとツグミのパテ。ブタの角切りのテリーヌ、コショウの実の入ったソーセージ。トマトソースに泳がせたタマネギのマリネ。続いて出てくるカモ料理。これで終わりではない。マダム自慢のウサギのシチュー、オリーブ油で揚げたニンニク味のパン、山羊のチーズの塊。オードブルはこの家の娘が腕を振るったアーモンドとクリームのガトー。

プロバンスの冬をしのぐには、これだけの高カロリーの食事がある。能登の寒い避難所に思いを寄せながら、ピーター・メイルの本を読んだ。ネットの番組で、地震国イタリアの避難所が紹介されていた。プライベートを守る広いスペース、供される食事も日本のものとはまるで違う。経済大国を誇った日本の、被災地の現状があまりにも貧弱だ。
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