常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

里芋

2014年10月10日 | 農作業


里芋の収穫時期になった。試し掘りに端の一本を掘ってみた。結果は写真の通り、思ったよりも上等の出来だ。洗って乾燥させると、京都のエビ芋に似た形状があらわれた。どのように食べようか、思案中である。辰巳浜子の『料理歳時記』をひもとく。里芋は冬の季節に分類してある。読んでみると、里芋のおいしい食べ方の秘訣が書かれていてうれしくなった。

「さといもは、皮をむいたら決して水に浸けてはいけません。最初にさっと洗って、皮をむいたら、すぐ固くしぼった布巾で拭きあげてください。茹でたり、ぬめりを洗うのも不要です。上等の鰹節の出汁なども必要ではありません。煮干や昆布の出汁で結構です。味がついた煮汁でいきなり煮上げてごらんなさい。」

これは毎年里芋送ってくれる新潟の長岡の知人の奥さんに、里芋の煮かたを教えたものだ。ここ山形でも里芋は昔から栽培していて、「芋煮会」でも有名である。だが、一般の家庭で使う里芋は、皮をむいて水で洗ったもので売っている。辰巳浜子のような方法で芋を煮ているのはあまり聞かない。せっかく春から水遣りをして育てた里芋だ。いちばんうまい方法で食べてみたい。


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京観世

2014年10月10日 | グルメ


京都西陣の菓匠鶴屋義信の銘菓に京観世がある。これは能楽発祥の観世家の庭に井戸があり、観世井と呼ばれいたが、その井戸にまつわる言い伝えに因んだ銘菓である。ある日、観世井に天空から龍が降り立った。それからというもの、観世井の井戸水はいつまでも揺れ動き、それは美しい渦巻きの波紋を描いたという。

小倉餡と村雨を使って、観世井の渦のようすをたくみにあらわした伝統の和菓子だ。口に含んでも餡の甘さが、それほどつよくなくじわっと口中の広がっていくのは、餡が口中でなお渦を巻いているような食感である。近所に住むsさんが、珍しいものを買うとお裾分けしてくれるのだがこんな伝統の京菓子をいただけるは本当にありがたい。

いっときくつろいだお茶の時間にいただいたが、心がなごむ和菓子の味であった。鶴屋義信には代々守り継いできた家訓があるという。それは、「ヨキモノヲツクル為ニ材料、手間、ヒマヲ惜ジマヌ事」であるという。日本の伝統である手作りの商品は、こんな精神で長い年月、親から子へと伝え続けられてきた。

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