里芋の収穫時期になった。試し掘りに端の一本を掘ってみた。結果は写真の通り、思ったよりも上等の出来だ。洗って乾燥させると、京都のエビ芋に似た形状があらわれた。どのように食べようか、思案中である。辰巳浜子の『料理歳時記』をひもとく。里芋は冬の季節に分類してある。読んでみると、里芋のおいしい食べ方の秘訣が書かれていてうれしくなった。
「さといもは、皮をむいたら決して水に浸けてはいけません。最初にさっと洗って、皮をむいたら、すぐ固くしぼった布巾で拭きあげてください。茹でたり、ぬめりを洗うのも不要です。上等の鰹節の出汁なども必要ではありません。煮干や昆布の出汁で結構です。味がついた煮汁でいきなり煮上げてごらんなさい。」
これは毎年里芋送ってくれる新潟の長岡の知人の奥さんに、里芋の煮かたを教えたものだ。ここ山形でも里芋は昔から栽培していて、「芋煮会」でも有名である。だが、一般の家庭で使う里芋は、皮をむいて水で洗ったもので売っている。辰巳浜子のような方法で芋を煮ているのはあまり聞かない。せっかく春から水遣りをして育てた里芋だ。いちばんうまい方法で食べてみたい。
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