
朝から雨。一日心電図なるものを着用する。医師がいうには、健診の心電図に不審な点があるとのことで、とりあえず検査するという。心臓が苦しくないかと聞くが、こちらに心あたりはない。このごろは検査をする人が増えているのでそんなものかと、検査を受け入れた。
気温がさほど低いわけでないが、雨あがりにきれいな虹が出たので、カメラに収める。虹も長くいい状態を保たないので、大急ぎで撮るが見る見るうちに色が褪せていく。俳句では、虹は夏の季語になっている。雨上がりの空に立つ虹は、夏の景色のよく映えるかも知れない。
未だのこる昏みの中に虹立てり 能村登四郎
大石田の地で虹の名歌を残したのは、斉藤茂吉である。空襲によって東京を追われた茂吉は金瓶から大石田へと疎開した。戦争の無惨、大石田での闘病と、戦争末期から終戦にかけて茂吉の晩年は辛いものであった。
最上川の上空にしてのこれるはいまだうつくしき虹の断片 茂吉
この歌も、虹が刻々と姿を変えてうつろうことへの思いが、自らの人生の移ろいに思いを馳せたものであろう。冬を迎えて最上川も川面には、逆白波が立つのであろう。