みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0771「平穏な日々」

2020-01-10 18:22:44 | ブログ短編

 私は、何ごともきちっとしていないと気が済(す)まない性格(せいかく)だ。あるべきものはあるべき場所になくてはいけないし、規則(きそく)正しい生活(せいかつ)をするのを常(つね)としていた。そんな心穏(こころおだ)やかな生活が、結婚(けっこん)と同時(どうじ)に崩(くず)れ去(さ)ってしまった。
 私の妻(つま)は…、仕事(しごと)は真面目(まじめ)にこなし、礼儀(れいぎ)正しく、気づかいもできる女性だ。だから、私は彼女との結婚を決(き)めたのだ。それが、どうだ。一緒(いっしょ)に住むようになって、私は彼女の本当(ほんとう)の姿(すがた)を見ることになった。
 彼女の言い分も分からないわけじゃない。家に居(い)るときぐらいは、のんびりと羽(はね)を伸(の)ばしてくつろぐのは別に悪(わる)くはない。悪くはないが、彼女の場合、それが極端(きょくたん)すぎるのだ。家の中の彼女は寝巻(ねまき)のままで歩き回り、使ったものを元(もと)へ戻(もど)すことをしない。だから、何時(いつ)も部屋の中は雑然(ざつぜん)として歩くこともできない。私がちょっと注意(ちゅうい)をすると、
「じゃあ、あなたがやってよ。それぐらいしてくれてもいいじゃない」
 いつもしてるじゃないか! 私は、そう叫(さけ)びたくなるのをグッとこらえた。ここで私が切れてしまったら、私たちの結婚生活は完全(かんぜん)に破綻(はたん)してしまうだろう。それだけは、何としても避(さ)けなければならない。なぜなら、私は…、彼女のことを愛しているから――。
 私は、どうすれば妥協点(だきょうてん)を見つけることができるのか、いつも考えている。もし、それを見つけることができれば、以前(いぜん)のような穏(おだ)やかな生活を取り戻せるはずなのだ。
<つぶやき>これは難(むずか)しい問題(もんだい)かも知れませんよね。まず二人でよく話し合ってみましょ。
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