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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0513「等々力研究室」

2019-04-10 18:31:54 | ブログ短編

 等々力(とどろき)教授は大学の片隅(かたすみ)の小さな倉庫(そうこ)で研究(けんきゅう)を続けていた。大学からは研究費を削(けず)られ、学部長からも睨(にら)まれていたが、等々力教授(きょうじゅ)はまったく気にしていなかった。自分の研究ができればそれで充分(じゅうぶん)だったのだ。
 そんな彼の研究室に、一人の女子大生が助手(じょしゅ)としてやって来た。彼女は才色兼備(さいしょくけんび)な理系女子(りけいじょし)。何でこんな落ちぶれた教授の助手になったのか、誰(だれ)もが不思議(ふしぎ)がっていた。
「教授、今度は何の研究をしてるんですか? あたしにも手伝(てつだ)わせて下さい」
 いくつもの歯車(はぐるま)を組み合わせて何かを組み立てていた教授を見て、助手の彼女は訊(き)いた。
「これか? これはな、女性のスカートの丈(たけ)の長さを予測(よそく)する装置(そうち)だ。この針(はり)がここを指(さ)すと、超(ちょう)ミニの流行(りゅうこう)が始まるはずなんだ。その時は、君(きみ)も超ミニを――」
「教授! 何を言ってるんですか。そんなくだらない研究をするなんて」
「そうだ。私はその程度(ていど)の人間だ。分かったら、他の研究室へ行ってくれ! 君ほどの優秀(ゆうしゅう)な学生なら、どこへ行っても歓迎(かんげい)されるはずだ。君がいると――」
「そんな…。あたしがいると迷惑(めいわく)なんですか? あたしは…」
 彼女は目に涙(なみだ)をいっぱいためて研究室を飛(と)び出して行った。教授は彼女を見送ると、
「これで諦(あきら)めてくれればいいが…。さあ、あと少しだ。これが完成(かんせい)すれば、あの謎(なぞ)の小天体(しょうてんたい)の動きがつかめるはずだ。私の予想(よそう)が外(はず)れてくれればいいんだが――」
<つぶやき>予算(よさん)がないので手造りで装置(そうち)を作る。天才(てんさい)は孤独(こどく)を愛するのかもしれません。
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