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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0458「老人会」

2019-02-09 18:56:44 | ブログ短編

 老人会(ろうじんかい)でお年寄(としよ)りたちが楽しげにおしゃべりをしていた。一人のおばあさんが言った。
「あたし、孫(まご)から薦(すす)められて、これを買ってもらったのよ。スマ何とかっていうので。これを持ってると、迷子(まいご)になってもすぐ見つけてもらえるんだって」
 隣(となり)にいたおじいさんが首を傾(かし)げて、「そんなんで、何で分かるんだ?」
「シーピー何とかってのがついてるんだって。それに、たまに孫から電話がかかってくるのよ。遊びに行きたいから、お小遣(こづか)いちょうだいって。もう可愛(かわい)いったらありゃしない」
「そうかい。やっぱり孫ってのは良いもんだね。そこいくと、俺(おれ)の伜(せがれ)は可愛げなんかあったもんじゃない。ほとんど家には帰って来ないし。俺だって、孫の顔が見たいってのによ」
「あら、それは寂(さび)しいわね。そんなに息子(むすこ)さん里帰(さとがえ)りしないのかい?」
「ああ。この間なんか、オレオレって言って、会社の金を落としたから、金(かね)送れって言うんだぜ。そんなこと自分で始末(しまつ)しろって言ってやったさ」
「あら大変(たいへん)。それって、何とか詐欺(さぎ)って言うんじゃないの。気をつけないとだめよ」
「いや、そんなんじゃないさ。ありゃ、間違(まちが)いなく伜の声だった。俺から金を取ろうと必死(ひっし)なんだ。まったく、ろくでもない人間になっちまって、親(おや)の顔が見てみたいよ。――あっ、いけねえ、親は俺だった」
<つぶやき>あなたも確実(かくじつ)に年を取っていくんです。お年寄りはいたわってあげましょう。
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