goo blog サービス終了のお知らせ 

みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0410「下校途中にて」

2018-12-15 18:17:43 | ブログ短編

 陽子(ようこ)と満(みつる)は家が近いので、たまに学校から帰るとき一緒(いっしょ)になってしまう。まあ、仲(なか)が悪(わる)いわけでもないので別段(べつだん)どうってこともないのだが。二人が歩いていると、後輩(こうはい)の女の子が二人の前に飛(と)び出して来た。女の子は恥(は)ずかしそうに、うつむきながら言った。
「あの…、あたし、先輩のことが、好きです」
 突然(とつぜん)の告白(こくはく)に、満は動揺(どうよう)を隠(かく)せなかった。今まで、面(めん)と向かって――向かわなくてもだが、告白なんかされたことがない。満はアプアプするが、女の子は陽子を見詰(みつ)めていた。
「えっ、私?!」陽子はすっとんきょうな声を出した。
「ちょちょちょちょ、待って。今の、私に言ったの?」
 女の子は頬(ほお)を真っ赤にして、「は、はい。あの…、あたしじゃダメですか?」
「いや、ダメって…。とりあえず、友達ってことでいいかな? いつでも声かけて」
 女の子は嬉(うれ)しそうに微笑(ほほえ)むと、頭を下げて駆(か)け出した。
「何でだよ」満は不満(ふまん)そうに言った。「お前、俺(おれ)がいるのに何であんなのと…」
「はぁ? 別にいいじゃない。後輩の友達がいたって。それと、言っとくけどね、私、満と付き合ってるつもりないから。勘違(かんちが)いしないで」
「なに言ってんだよ。俺のこと好きだってオーラ出しまくってるだろ」
「それ以上(いじょう)変なこと言ったら、ぶん殴(なぐ)るからね。覚悟(かくご)しなさい」
<つぶやき>女子の恋には、あこがれも含まれているのです。男子とはレベルが違(ちが)うかも。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする