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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0111「裏の顔」

2017-11-30 18:39:47 | ブログ短編

「ねえ、さっきから何やってるの?」
「メールよ」愛華(あいか)は指(ゆび)を動かしながら答(こた)えた。
「あいつ、ぜんぜん返信(へんしん)してこないんだもん」
「あいつって?」典子(のりこ)は美味(おい)しそうにケーキをほおばりながら言った。
「泰造(たいぞう)よ。まったく、何やってるんだか…。もう、イライラする」
「仕事(しごと)で忙(いそが)しいんじゃないの」
「こんな時間に、仕事のわけないでしょ。きっとあれよ、女よ。女がいるんだわ」
「えっ、あの人が…」典子は泰造の顔(かお)を思い浮(う)かべて、「ないない。絶対(ぜったい)ないわよ」
「何でそんなこと言えるのよ。あの人ね、あれで結構(けっこう)、女性受(じょせいう)けがいいんだから」
「そうなんだ。でも…、あたしはないなぁ。だって、あの顔よ」
「何よそれ。それじゃ、まるで私が…」
「ごめん、ごめん。そういうことじゃなくて」典子はなだめるように愛華の前にケーキをおいて、「これ、食べてみて。とっても美味しいわよ」
 愛華はケーキをちらっと見たが、「うーん、ダメ。今はそんな気になれないわ」
「でもね…」典子はにっこり微笑(ほほえ)み、「甘(あま)いもの食べると。落ち着くわよ」
「分かったわよ。じゃあ、あと一回だけメールしてから…」
「もうやめなよ。あの人ね、あなたのこと、めんどくさいって言ってたわよ」
<つぶやき>見えないところで、いろんなバトルが繰(く)り広げられているのかもしれません。
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