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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0109「私の恋文」

2017-11-27 18:42:27 | ブログ短編

 私は考古学(こうこがく)が大好(だいす)きな女の子。今日も、城跡(しろあと)の発掘(はっくつ)を手伝っていた。――休憩(きゅうけい)時間に、私は大きな木の根元(ねもと)でお昼(ひる)を食べることにした。たぶん、この木はお城が建っていた当時(とうじ)も、ここで葉(は)を繁(しげ)らせていたんだろうなぁ。私は、昔(むかし)の様子(ようす)を想像(そうぞう)していた。
 ふと、私は足下(あしもと)に何か引っかかるものがあるのに気がついた。よく見ると、地面(じめん)から何かが突(つ)き出ている。持っていたシャベルで掘(ほ)ってみると、朽(く)ちかけている文箱(ふばこ)が出てきた。そっと箱を開けると、中には油紙(あぶらがみ)に包(つつ)まれた手紙(てがみ)…?
 私は胸(むね)が高鳴(たかな)るのを覚(おぼ)えた。だって、こんな発見(はっけん)をしたのは初めてなんだもん。私は、震(ふる)える手で油紙をはずして――。中に入っていたのは、やっぱり手紙。私は、そっと開いてみた。書かれている文字(もじ)を見ると、女性が書いた手紙だわ。それくらい私にだって分かる。宛名(あてな)は真之介(しんのすけ)。私に分かる文字を拾(ひろ)い読みすると…。これは、私の想像よ。きっとこれは、ラブレターだと思う。昔の人が書いた、恋文(こいぶみ)ってやつ。
 私は、最後(さいご)に書かれてある名前(なまえ)を見て驚(おどろ)いた。〈あや〉って書いてある。私は身体(からだ)が震えたわ。だって、私の名前、亜矢(あや)だもん。それに、いま付き合ってる彼の名前、真之介。
 これって、偶然(ぐうぜん)? えっ、こんな偶然あるはずないよ。だって…。だとすると、私と真之介、前世(ぜんせ)でつながっていたってこと。これって、私が書いたラブレターなのかな?
<つぶやき>出会いには、いろんな運命が隠(かく)れているのかもしれません。あなたにも…。
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