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みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0097「結婚活動」

2017-11-07 18:43:52 | ブログ短編

「あのですね、山崎(やまさき)様。この、お相手(あいて)の条件(じょうけん)についてなんですが…」アドバイザーは優(やさ)しく微笑(ほほえ)みながら言った。「二、三、ご質問(しつもん)させていただいても…」
「ええ、どうぞ」無表情(むひょうじょう)のまま女性は答(こた)えた。
「この、住(す)む場所は実家(じっか)から一キロ以内(いない)、というのは…」
「私、家族(かぞく)のことが大好(だいす)きなんです。できれば、同居(どうきょ)したいくらいなんです」
「そうですか。でも、たしか弟(おとうと)さんがいらっしゃいましたよね」
「ええ。同居ということになっても、弟にはちゃんと納得(なっとく)させます」
「そうなんですか……。では次の、絶対(ぜったい)に浮気(うわき)はしない…」
「当然(とうぜん)ですわ。そうでしょ。私を妻(つま)にするんですから」
「しかしですね、これは…」アドバイザーは困惑(こんわく)しながら言った。
「男は浮気をするものです。生物学(せいぶつがく)的に考えても、当然のことですわ。まあ、一応(いちおう)、条件として書いたまでです。もしそうなったら、追(お)い出すだけですから」
「ああ、なるほど……。あと、この遺伝子(いでんし)の採取(さいしゅ)に同意(どうい)すること、とありますが…」
「良い子孫(しそん)を残(のこ)す。それが、私たちが生きる一番(いちばん)の目的(もくてき)じゃありませんか。そうでしょ」
「はあ…、そ、そうなんです…か?」
「そのためには、相手の情報(じょうほう)を見きわめる必要(ひつよう)があります。一番良いマッチングを選(えら)ばなければ、良い子孫を得(え)ることはできませんわ。私が出した条件に、何か問題でも?」
<つぶやき>気持ちは二の次…。こんな時代が来るのでしょうか? 何だか淋(さび)しいです。
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コメント
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