紳士候補

今日から新しい生徒、兄妹が入ったのだがこのお兄ちゃんがすごくちゃんとしているのだ。
六年生の男なんて‘うるさい’‘乱暴’‘汚い’というイメージなのだが彼は違う。
私に完全に敬語で接し、物静かに必要ではない動きはしない。常識をわきまえている。
そしてこちらに言われたことは逃すまいときちんとピアノに向き合っている。
それだけでも偉いのに一年生の妹の面倒をとにかくよく見るのだ。
今日も帰りがけ、私はお母さんと話していたから気がつかなかったのだが
なんとお絵かきしていた妹の消しゴムのカスを二人で紙にまとめて持ち帰ったらしい！
学校でそうであるので大抵の子が下に落としてしまう消しカスをだ。
それを見ていたのは次にレッスンに来た奥様生徒。
「どうやったらああいう風に良いお兄ちゃんに育つんでしょうかねぇ？」と感嘆していた。
ちなみにここのお母さんは働いていて、どっちかというと大家族のお母さん風の逞しいお方。
このまま紳士に育て上がって欲しいぞよ。