ミステリ以外の本を読むことはまれなのだが、桜木紫乃先生の本は大好き。
彼女の書く夜の世界は昭和のにおいに満ちているのにサラサラしている。
そんななので内容を知らずに読み始めたのだが、これはカルーセル麻紀さんの伝記なのだった。
戦後の貧しい北海道の街から、人との違いを昇華するべくのし上がって行く様。
とにかく面白くて圧倒されて、後編に当たるこちらも読破。
タイプの違う先輩であるM輪先生との火花散る対談はすごかったな。タイマンか。
ここまで自分を削って生き抜いて来た彼女に、今のLGBTという立場はどう映るのだろう?
「フン、甘やかされて」か、「良かったわね、苦労しなくて」なのか。
多分どうでもいいんだろうな、他人のことはって気もする。
彼女のことを知らなくても小説としても面白いのでお勧めいたします。