海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「左翼は、金融危機をどう見ていうるか」と題する『ガーディアン』紙の記事。

2008年09月17日 | 国際経済
ダニエル・コーン・バンディ(1968年当時の学生運動指導者)
この金融危機は、資本主義ネオリベラルにとっては、核エネルギー推進派にとってのチェルノブイリと同じだ。それは破局だ。われわれみんなが、これから学べるといいと思う。だが、私は何か学べるだろうと楽天的だろうか。それは別の問題だ。世界最大のネオ・リベラル国家(米国のこと)が銀行を国有化しようと考えるとは!信じられなくて目をこすっているよ。
これは資本主義の終焉ではない。なぜならば、資本主義は、いつも自分を改革する智恵を持ってきたからだ。それが改革できなければ、資本主義はおしまいだ。だが、市場が神様だという信念は終わった。市場は規制されなければならない。
 われわれは、二十年間、気候変動に注意を促そうと戦ってきた。それは時間がかかったが、われわれは、正しかったのだ。この危機は、持続的発展に賛成するわれわれの主張を助けるだろう。つまり、われわれには環境・社会・経済の間のバランスが必要だということだ。でも、私はうれしくはないね。金融危機は、私を深く悲しませる。普通の人たちはすべてを失ったのに、銀行家たちは何百万ユーロももらって退職しているんだ。
注:ダニエル・コーン・バンディは、1968年のパリの学生紛争の指導者だった。彼は当時「赤髪のダニー」というあだなで知られていた。彼は現在,ドイツの「緑の党」の国会議員である。
ジャーヴィス・コッカー(イギリスの歌手)
 資本主義が天罰を受けているのを見るのは本当にすばらしい。資本主義はやりすぎた。私は実際の生産物を作っている会社が問題になる場合は、大抵の人たちは資本主義を理解していると思う。だが、資本主義がお金を作る組織である場合には、それを理解していない。それは抽象的な資本主義だ。テレビ画面の下部に流れるFTSE指標を見る場合、それはわれわれの生活の仕方に何の影響も及ぼさない。そして突然、おまえの生活が急降下していると告げられるのだ。こんなことは誰も理解できない。
 本当に悲しむべきことは、これらすべてが労働党政権の下で起こっているということだ。それは多数者の利害を気にかけるべきだのに、その代わりにぽん引きの役割を演じているのだ。
 多分、ちょっとばかりの景気後退はいいかもしれない。沢山の人たちが、自分たちの資産以上の暮らしをしている。われわれはみんなそうした。わたしもそうした。われわれはちょっと憂鬱になっている。人々は本当に前よりは多く互いに話し合っている。悲劇は、矢面に立つのは普通の人たちだということだ。責任のある奴らは、ヨットを売れば済む。(後略)
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