海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「バルシェル事件では、新しい痕跡はモサドにつながる。」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2010年11月22日 | 犯罪
バルシェル事件における重要な鑑定人の一人は、新しい鑑定で、イスラエルの情報機関「モサド」にシュレスウイッヒ・ホルシュタイン州元首相バルシェルを殺害した容疑があるとしている。化学的な分析結果は、詳細な点で、モサドの元工作員ヴィクトル・オストロフスキーがある本で描いたバルシェルの死の顛末と一致している。
このこれまで公開されていない結果に至ったのは、スイスの高名な毒物学教授ハンス・ブランデンベルガーが『ヴェルト日曜版』のために書いた独占論文においてである。他の告白宣言や憶測と違って、「オストロフスキーは、分析データと驚くほど一致したシナリオを書いた」とその報告には書かれている。オストロフスキーの報告の中の目につく詳細、つまり、肛門からの鎮静剤の注入や薬物の時間的にずらした投与は、化学的分析結果を反映している」とブランデンベルガー教授は言う。
科学者が犯人について言明したのは初めてである。彼の推定では、バルシェルの死体の毒物学的検査は、このCDU所属の政治家が命を絶ったのは自殺によってでもなく、死亡幇助によってでもないといういうことを裏付けている。「化学的証拠は、殺人を示唆している。その際、殺人の方法の複雑さから見て、ある専門家のチームが仕事をしたのであって、個人がしたのではないということが前提される。」(後略)
[訳者のコメント]バルシェルは、1987年10月11日、ジュネーヴの高級ホテル「ボー・リヴァージュ」の浴槽の中で死んでいるのを発見されました。その数日前、彼は州選挙に破れ、首相の地位を失っていました。バルシェル殺害の理由は、彼がイスラエルとイランとの間の極秘の武器取引について詳細を知っていたからだそうです。
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「ドイツは生活の質では、遙かに後退した」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2010年11月13日 | 福祉と経済
ドイツにおける生活の質は、他の多くの豊かな国民経済におけるよりも遙かに劣っている。22カ国の裕福な国民経済との国際的比較において、ドイツの順位は18位である。この研究報告書の著者は、特に教育制度の欠陥がこれにたいして責任があるとしている。この研究報告は、フランクフルトにあるシンクタンク「社会的進歩のためのセンター」で作成され、ドイツ銀行によって支援された。
研究者によると、最高の生活の質を持っているのは、ノルウエーであり、その後に、スエーデン、フィンランド、日本、ニュージーランドが続いている。ドイツよりも生活の質が劣っているのは、デンマーク、米国、ベルギー、ポルトガルである。デンマークがこの表の中で最下位にある訳は、デンマーク人たちが特に環境に負荷を掛けているからである。
さまざまな国民経済における生活の質を測定するために、科学者たちは、福祉をできるだけ広範に測定するいわゆる「進歩指標」を開発した。そのために、指標の値は、経済的発展だけでなく、寿命期待、教育水準、ある国の個人や企業がどれほど環境に負荷を掛けているかを顧慮している。
一人頭の収入の点では、ドイツは22カ国中、第14位である。トップにあるのは、ノルウエー、米国、スエーデンであり、リストの末尾にあるのは、スペインとニュージーランドである。寿命期待でも、ドイツは13番目を占めている。これに対して、日本人たちの平均寿命は、82歳よりも上であって、このために、日本は22カ国中第一位を占めている。その後に来るのは、スイスとイタリアである。
特に教育制度ではドイツは順位が低い。ドイツでは、若い人たちの74%にしか職業教育や研究が提供されていないから、ドイツの位置は最後から二番目である。ドイツより劣っているのはスイスだけだ。トップを占めているのは、フィンランド、デンマーク、ニュージーランドで指標100が与えられている。生態学的要素においてのみ、ドイツは尊敬すべき第8位を占めている。ポルトガルは、環境に最も少ない影響しか与えていないが、これは同国が調査された国々よりも貧しい生である。
科学者たちの述べるところでは、調査された国々における生活は、過去十年間に改善された。最大の進歩をしたのは、韓国であって、この国は、強力に増大する収入と伸びた平均寿命によって、第22位から第7位にまで前進した。
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「中国、ヨーロッパ諸国への圧力を強める」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2010年11月06日 | 国際政治
(前略)
北京では、中国の外務次官が公然と関係が悪化するぞと脅している。「いくつかのヨーロッパ諸国や他の国におかれている選択は、明らかで単純だ。彼らが中国の司法制度に挑戦しようとする政治的ゲームの一部であろうとするのか、それとも、彼らには責任ある仕方で中国政府ならびに中国人民との真の友好的関係を発展させる意志があるのか?」と崔天凱次官は述べた。彼はG20の交渉役でもある。
「諸国は決断せねばならない。彼らが間違った選択をすれば、その結果は彼らが負わねばならない。」
中国共産党機関紙の論評でも、中国指導層は、人権運動家の劉暁波の表彰に反対している。「ノーベル賞は台頭しつつある中国を攻撃するための政治的道具である。表彰は、西欧の基準に一致しない諸国家の平和的な発展を妨げるためにイデオロギー的に悪用されている。賞は中国の台頭に対する西欧の恐怖を示している」と論評は述べている。「中国は多くの領域で偉大な成功を目指したが、西欧は、異なる政治体制をもった国を受け入れないのだ。」
オスロのノーベル賞委員会は、「基本的人権のための長年、非暴力的な闘争」をしたという理由で劉暁波を表彰する。この文芸評論家は国家を危険にさらしたという理由で11年間の監禁刑を受けており、授賞式に出席することはできない。彼は「2008年憲章」の共著者であって、その中で、反体制派は、改革と自由と共産党の独裁体制の終わりを要求した。10月に、劉に対する授与が決定されたとき、彼の妻も自宅拘禁になっている。その上、政権は彼以外の反体制派に対しても厳しい措置を講じた。
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「偽装された小包の警告」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2010年11月02日 | 国際政治
ベルリン発:イエーメンから送られた二つの小包爆弾は、高度に専門的に偽装され、航空機内や地上で点火されれば、致命的な作用を及ぼしただろう。連邦刑事局は、事件の分析の結果、このような結論に至った。プリンターのカートリッジに仕掛けられた爆発物の一つは、300グラム、もう一つは400グラムのPETNであったが、ドバイとイギリスで発見されなかった場合、「大音響で致命的な結果を引き起こしただろう。」航空機は点火されれば墜落したことは確実である。
(中略)サウディアラビアの当局は、明らかに問題の小包とテロリストたちの計画について正確な知識を持っていた。彼らは、ドイツ側に、小包番号と宛名も知らせることができた。 UPSとFEDEXの便で運ばれた両方の爆発物は、シカゴに、11月1日に着く予定だった。
決定的な情報は、イエーメンの情報機関によると、あるアルカイダグループからの脱落者から寄せられた。その男は、先月、サウディ・アラビアの当局に出頭し、計画の詳細について話した。ドイツの警備当局にはただちに報告された。もっとも、UPS便の小包は、サウディ・アラビアからの一報が2時40分に入ったときには、すでに英国に向けて離陸した後だった。ドイツ当局がイギリスの警備当局に通報した後、イギリスの警察は、問題の小包をイースト・ミッドランドにある小包集積所で確保した。(後略)
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