海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「エジプトの立法府の権限が変わる」と題する『ファイナンシャル・タイムズ』の記事。

2012年12月28日 | イスラム問題
(前略)
エジプトの国営テレビは、先週土曜日、「エジプト中央銀行」の総裁であるファルーク・アル・オクダの辞任を公表したが、この報道は、数時間後に撤回された。
政府は、提案された厳格な措置に関する異なる社会集団との「対話」を打ち出したと述べたが、それらの措置は2週間かかる話し合いが済むまでは履行されないだろうという計画相の談話を引用した。
評価会社のスタンダード・プアーズは、今週初め、政治的緊張の高まりを理由にして、エジプト中央銀行発行の長期債をBからB-に下げ、もっと評価が下がる可能性があることを示唆したが、水曜日に、S&Pは、主導的なエジプトの3銀行、つまり、「国営エジプト銀行」、「ミスル銀行」、「国際信用銀行」の評価をB-/Cに変えたが、その理由は、「エジプト国債」を保有することに関するリスクであった。
エジプトにおける危機感が深まったので、「中央銀行」は、国内銀行の持つ地域通貨、および国際通貨の預金額を保証するだろうと声明した。資本逃避を防ぐために、「中央銀行」は、個人が現金を国内に持ち込む場合、あるいは国外に持ち出す場合、それぞれ1万ドルまでに制限すると述べた。新しい措置は、預金を銀行から引き出し、現金に換えようとする人の数が上昇したためである。
エジプトの外貨保有額は、ムバラク大統領を打倒した革命の前、つまり、2011年初頭には360億ドルであったが、今年11月末には、150億ドルに激減した。水曜日にはエジプト・ポンドは、過去8年間で最低の1ドル=6.18ポンドにまで価値が下がった。
カイロの通貨交換所の支配人は、「フィナンシャル・タイムズ」に対して、彼の顧客に必要なドル紙幣を銀行から下ろすことがもはやできないと述べた。
(後略)
[感想]エジプトも「憲法改正案」が国民投票で決まったものの、経済的不安は増大しているようです。
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