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シンガポールの元首相りー・クワン・ユーの見解によれば、金融危機にもかかわらず、米国は、まだ、数十年間経済的にも軍事的にも台頭しつつある中国よりも優勢であるだろう。今後、20年間に中国の軍事力は、遙かに攻撃力を持つようになるだろうが、彼らは当分はアメリカの後ろに取り残されるだろう。中国人達は、30年、40年、50年間は、米国を挑発しないだろう、と1959年から1990年までシンガポール首相だった85才のリーは、述べた。
アメリカの経済的将来について、リーは、「10年から15年ぐらいの間は、再び活性化したアメリカが見える。もはや、すべてに優越した勢力ではないが、あいかわらず、世界の最大の国民経済を持っている。もっとも、米国は、彼の見解によれば、危機を克服するのに助けを必要としている。米国だけでは、この危機は解決できない。彼らは、欧州、中国、インド、そして多分ブラジルを取り込まなければならない。
模範としてのアメリカに対する世界の信頼は揺るがされた。誰も、もはや、ワシントン合意を信じない。それによれば、自由市場と民主主義さえあればいい、すべてはうまくいくはずだった。誰も、もはやこのことを信じない。欧州でも、アジアでも、ラテンアメリカでも、それどころかアフリカでも誰も信じていない。
経済危機や企業の倒産が社会不安を引き起こした場合、中国は強硬な国家指導を行うだろう。暴動が広がるリスクを、犯さないだろう。万一、そういうことになれば、暴動は徹底的に弾圧されるだろう。これは、人権についての繊細な考察や、世界がどう考えているかによってたじろぐような政府ではない。「中国政府に関心があるのは、秩序と安定であり、政権の生き残りであり、一党支配国家の生き残りである」とリーは述べた。