海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「エジプト人たちは、ムルシ大統領の危険な路線を拒否している」と題するDie Weltの記事。

2012年11月27日 | イスラム問題
2012年11月26日の記事。
見出し:「エジプト大統領モハメッド・ムルシは、裁判官会議と妥協しようと努力している。「ムスリム同胞団」は、エジプト社会ではますます孤立している。」
 ムルシ大統領は、憲法の補足条項によって、より広範な全権を自分に与え、事実上、司法権を無力にした。7つの条項を含む宣言は、大統領の布告および法律に対して裁判所が検討したり、異議を申し立てたりすることをできないようにした。その上、ムルシは、「国民の統一と国民の安全と革命の維持に必要などんな処置でも講じうる権利」を自分自身に認めた。
 今年6月の憲法裁判所によって強制された議会の解散以来、大統領はすでに、行政を超えて、司法に対しても権力を握っている。ムルシが自分の決定を司法より上に置いたということは、エジプトではそうでなくても打撃を受けている権力分立にさらなる打撃を与える。
 ムルシと彼に近い「ムスリム同胞団」は、大統領の布告は、政治的利害に動かされた司法権を制限し、新しい憲法の草案でより前進する唯一の道であると主張している。大統領は、憲法制定議会も上院も、今後裁判所の決定に従う必要はないと決めた。(後略)
[訳者の感想]これはやはり独裁制に道を開くことになりそうです。もっとも民衆は再びカイロのタハリル広場に集まって大統領に対する抗議を始めたようですが。
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