海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「政治家たちは資本主義革命に気付いていない」と題する『シュピーゲル』誌の論説。

2008年02月29日 | 国際政治
ハリー・ポッターと炎のゴブレット 特別版

ワーナー・ホーム・ビデオ

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ハンブルク発:企業が赤字を抱えている場合、職場を減らさねばならないということは、経営経済学上の論理である、何年も前から、われわれはこのことを観察し、知的には後をたどることができた。企業があまりに生産費が高かったり市場を無視して生産したりすれば、費用は高くなり、売り上げは低下し、決算が赤字になると銀行は、資金の供給を少なくする。経営の失敗に対して、被雇用者が犠牲になる。こういうふうに、市場経済は作用し、何人は、これが自由市場経済の代価なのだと自らを慰めるかもしれない。
 しかし、ジーメンス、BMW、ヘンケル、あるいはコンチネンタルなどのDAX市場に上場されている大企業が、優れた製品を作り、多くの分野で市場の牽引役を務め、何十億ユーロという利益をあげているのに、その従業員を何千人と解雇するということは、被雇用者や労働組合員を不安にするだけでなく、保守党のCDUに所属する政治家までも憤慨させる異常な出来事である。
 政治とメディアは、このような厚顔無恥な経済に対して責めを負うべき人間をすばやく見つけた。それは、欲望の塊で無慈悲な経営者であり、自分の利益しか考えない考え方と管理棟のなかでのセルフ・サービスである。トップの経営者は、その批判者たちにこのような論証をしやすくしている。被雇用者のところでは、実質賃金がよろめいているのに、六人の人間からなるダイムラー経営陣はの所得は、去年、1480万ユーロ(23億円)増えて、250億ユーロ(4兆円)に上がった。平均して、ドイツの経営者の所得は2007年度には18%上昇した。
 このような不平等な展開においては、人気取り的な要求がすばやく持ち出される。経営者に株オプションを与えることは制限されなければならない。その上、株の投機期間を延長することや、株主に対する投票権を株の所有期間と結びつけることが考慮されねばならないなどである。「短期的な投機を減らすためのインセンティブを設けなければならない」と『ベルリン新聞』に属する社会民主党の政治家は言った。
 株オプションは、大量解雇の原因なのか。経営陣は、本当に株のチャートを上げ、彼ら自身のオプションを上げるために、従業員を首にするほど彼らは冷酷に計算しているのか?経営者のためのオプションが存在せず、投機期間が延長されるならば、システムは、修復されるのか?
 ある「経済政策のスポークスマン」の口から出たこのような経済的な主張は、われわれを驚かす。なぜならば、その論証は、システムの問題がもっと差し迫ってたてられるべき場合には、当該の人間にスティグマを与える。社会は、どれほど長く、株式市場の力に、したがって、シェアホールダーの価値への定位とグローバル化の強制に耐えるだろうか。超資本主義は、民主主義を破壊するのだろうか?
あらゆる重圧で資本主義の新たな時代がわれわれの上にのしかかってきた。(中略)今や、世界中で活動しているフォンド会社やヘッジ・フォンドや独裁国の国営フォンドが主導権を握っている。経営者は、強力な株式売買人の「召使い」である。それを感じない者は、去らねばならない。(後略)
[訳者の感想]金融資本があまりに肥大した資本主義の現状に疑問を投げかける好論文だと思います。筆者はアンドレアス・ネルティングという人です。
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「クルド人の夢」と題する『ツァイト』紙の記事。

2008年02月26日 | 国際政治
ムソルグスキー:展覧会の絵(ピアノ&オーケストラ版)
カラヤン(ヘルベルト・フォン)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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イラク北部へのトルコ地上軍の大規模な攻勢は、公式にはトルコとイラクの国境地帯にいるPKKに向けられている。だが、問題の範囲はもっと広い。というのも、兵力の投入は、政治的にイラク北部でこれまで全面的に独立の行動をしてきたクルド人にも向けられているからだ。最近のエスカレーションは、長期的な趨勢にとって重要である。なぜなら、クルド人自治地域の野心的な政策に対して反対しているのは、トルコだけではなく、イラク、イランと米国だからである。
特に顕著なのは、米国がこの紛争で目立つほど静観していることである。コンドリーザ・ライス国務長官は、先週土曜日に、イラク北部の激化する戦闘を背景にして、トルコとの「絶対的な連帯」を誓った。米国の気分は変わりつつある。『ワシントン・ポスト』紙に掲載されたライス長官の言明は、イラクのクルド人に対して、これ以上最大限の要求をしてはならないという一つの警告であった。紛争が拡大した場合には、責任はクルド人にあるという訳だ。これは、イラクのクルド人にとっては、青天の霹靂である。イラクにおける米国の唯一の同盟者としての彼らの有利な立場を彼らは失ったのだ。
多くの観察者にとっては、1991年以来のイラク北部におけるクルディスタン自治領は、イラクの一部だと見なされている。バグダッドの国防省の兵隊には、この地域への投入は禁じられている。治安に責任を負っているのは、クルド人の「ペシュメルガ部隊」である。その際、この地域は、イランやトルコとの密接な関係から経済的に利益を得ており、国際的な石油会社との緊密な接触を保っている。クルド人地方政府は、バグダッドからの強硬な抗議に対して、広範な石油採掘協定を結んだ。
クルド人住民は、政治的には団結して政府を支持している。2005年には、住民投票で99%がイラクからの独立に賛成した。確かに、地方政府は、この要求に対して公式の拒否を伝えたが、過去の悲劇的な迫害と圧迫を考えれば、多くのイラク系クルド人は、サダム・フセインの没落以来のこの地域の発展を、歴史的な幸運だと感じている。もっとも、彼らの台頭の根拠は、全く偶然ではないのであるが。
クルド地域以外のイラクの不安定な状況は、クルド人の台頭に強く貢献した。バグダッドの権力の空白によって、その上、イラク内部の勢力は、クルド人の自治の段階的構築を妨げることができなかった。(以下省略)
[訳者の感想]米国はイランとイラクのシーア派イスラムの影響力を食い止めるために、どうしてもトルコの影響力を必要としているようです。クルド人が気の毒に成ってきます。コソボの独立を認めるなら、クルドの独立も認めるべきだと思うのですが。クルド人というのはイラン系人種でトルコ人ともアラブ人とも違うようです。
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「欧州連合に選択の余地はない」と題する『ツァイト』紙の論説。

2008年02月23日 | 国際政治
セリーヌ・ディオン・トリビュート(DVD付)
オムニバス,平原綾香,伊藤由奈,K(featuring aki),JUJU,SOULHEAD,福原美穂,星村麻衣,Lyrico,LISA,加藤ミリヤ
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

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ヨーロッパには子どもができた。古い世界の47番目の国家として、コソボは、地図の上に現れた。かってのユーゴスラビアの廃墟から生じた七番目の共和国として。
新しい国家は、アルバニア語を話すコソボ人によって、花火で歓迎された。彼らは200万人の人口のうち、90%を占めている。これに対して、約10万人のセルビア系住民は、新しい国家の誕生に怒りのデモ行進で答えた。半分はイスバルの北部に住み、後半分はコソボ全体に散らばっているセルビア系住民は、アルバニア系住民の報復を恐れている。1980年代90年代にミロシェビッチ・セルビア大統領の支配下で、彼らが加えた残虐な迫害や虐殺に対する報復である。
ベオグラードは、地方を失うことが我慢できない。セルビアは、独立国家としてのコソボを承認することは決してできないと、ヨーロッパびいきのボリス・タディッチさえ述べている。セルビア人にとっては、1389年にバルカン半島に侵入したトルコに対して致命的な敗北を喫したヴァルシュタットが残っている。民主主義的な考え方をするセルビア人でさえ、アルバニア系コソボ人がミロシエビッチ政権がしたことの後では、決して再びセルビアの支配下に生活したいと思わないということが見抜けない。われわれドイツ人が苦々しい仕方で学ばなければならなかった洞察を拒んでいる。つまり、ビスマルクが言ったように、歴史はプロシャの会計検査院よりもずっと厳密なのだという洞察である。
1999年にセルビアに対する戦争でアルバニア系コソボ人を救ったのはNATOだった。それ以来、西欧の同盟国は、国連と一緒に、コソボ州を管理し防衛してきた。合意に基づく解決は、マルッティ・アーティサアリ元フィンランド首相も、ドイツの優れた外交官のヴォルフガング・イシンガーも作り上げなかった。ロシアと中国が反対したのだ。今度は欧州連合が責任を引き受けた。NATOの1万6千人の兵士が引き続き秩序と安全を保障するだろう。
この解決は恐らく不可避である。(以下省略)
[訳者の感想]筆者はもと『ツァイト』紙の主筆だったテオ・ゾンマーです。
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「エルドアン大統領はクルド人に対しては同化を強いている」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2008年02月14日 | 国際政治
誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義
松岡 正剛
春秋社

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エルドアン・トルコ大統領が最近のドイツ訪問の際、ケルン市の「ケルン・アリーナ」で1万6千人の在独トルコ人を前にして、統合するように呼びかけ、ドイツ系トルコ人の同化に対しては警告し、それは「人間性に対する犯罪だ」と述べたとき、彼は思いがけないところから、賛同を得た。というわけは、トルコに住んでいるクルド人たちは、皮肉を交えて、非常に喜んだからである。トルコ人の政治家がトルコ国家が何十年も前からクルド人住民に対して行ってきたこと、つまり、「同化」を、「人間性に対する犯罪」と呼んだのは初めてだ。
ドイツにいるトルコ人のためにトルコ語で授業や講義をする高等学校や大学を設立せよという彼の要求も、クルド人政治家たちから、微妙な微笑を誘った。これまで、トルコ国内にクルド人のためのクルド語を使う高等学校や大学ということを考えただけでも、トルコ国民の統一に対する分離主義であり、裏切りであるとみなされてきたのだから。
欲せずして、エルドアンは、クルド人の要求に対して武器を供給したのだ。「彼は、ドイツにいる、ほとんど300万人のトルコ人のために、母国語での授業を要求したのだ」とクルド人政治家のアハメト・チュルクは言う。トルコでは、その5倍ものクルド人が暮らしている。彼らにとっては、高等学校や大学でのクルド語の授業は禁じられている。「クルド人たちは、同化についてのエルドアンの発言に注目している。だが、彼はドイツではトルコにいるときとは違ったことを述べているのだ。われわれは、いまや、民主的な手段で、同化政策に反対する戦いを強化するだろう。」
トルコ自身がやる気のないことを他の国に要求することは、「社会的精神分裂症だ」とクルド問題に詳しい政治学者のドグ・エルギルは、述べた。このような問題は公式にはとトルコには存在しない。東南部地方の貧困問題しか、存在しない。紛争の解決手段としての母国語での授業は、問題にならない。(以下省略)
[訳者の感想]エルドアン演説は、まさに薮蛇だったと言えます。
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「エルドアン・トルコ大統領、同化にたいする警告を強調」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2008年02月13日 | イスラム問題
ロアス 廉価版A4ファイルサイズノートパソコン対応キャリングバッグブラック CB-Z60BK

ロアス

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レセプ・タイイップ・エルドアン・トルコ大統領は、ドイツで厳しく批判されたトルコ人の同化に対する警告を再び強調した。「私はもう一度言う。同化は人間性に対する犯罪だと」彼はアンカラの与党「AKP」の会派を前にして述べた。この点では、自分とメルケル首相との間に違いがあるかも知れないと述べた。
エルドアンは、また、ドイツにトルコ語とドイツ語とを使う学校を設立するように要求した。「君たちは何を恐れているのか」と彼はドイツ人の批判者に向けて質問した。トルコでは、まもなく、ドイツ語を使用言語とする大学が開校される。
ドイツ在住のトルコ人たちは、ドイツ語を学び、ドイツ社会で能動的な役割を演じるべきだと、エルドアンは述べた。「自分の政府は、この統合化を強力に支持する用意があるが、統合化と同化との間にははっきりした違いがある。したがって、誰もドイツ在住のトルコ人に対してトルコ語を忘れることを望んではならない」と述べた。
先週末、ケルンで行われたエルドアンの演説は、トルコ人のヨーロッパ化の可能性に対する厳しい批判と議論を巻き起こした。「エルドアンは、ドイツの国内でトルコ民族主義を説教した。これは反ヨーロッパ的で、トルコの欧州連合加入にかんするわれわれの心配を証明するものだ」とCSUのエルヴィン・フーバー党首は述べた。バイエルン州首相のギュンター・ベックシュタインやCDUの議長であるヴォルフガング・ボスバッハもトルコ大統領を批判した。
エルドアン大統領は、日曜日にケルンでドイツ在住のトルコ人に対して統合を呼びかけたが、文化的アイデンティティを完全に放棄しないように警告した。
[訳者の感想]韓国の大統領が在日韓国人に「韓国人としてアイデンティティを失ってはならない」と言ったら同じような批判が渦巻くでしょうか?トルコ人が簡単にドイツ社会に同化しないことがドイツにとっては大きな問題なのだと思います。そもそも、エルドガンは、先日、ルドウイヒスハーフェンの火事でトルコ人住民が死んだ追悼式に出席するためにドイツへ来たようです。この火事の原因もまだ、分かっていません。ネオ・ナチの仕業だという説もあるようです。
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「米国人は、オバマに救世主を見ている」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2008年02月11日 | アメリカの政治・経済・社会
世界3大テノール '94 夢の競演
ドミンゴ(プラシド) カレーラス(ホセ),ロスアンジェルス・ミュージック・センター,カレーラス(ホセ),ロスアンジェルス・フィルハーモニック,マスネ,メータ(ズービン),トローバ,パバロッティ(ルチアーノ),ララ,クルティス
ダブリューイーエー・ジャパン

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 「われわれは、戦争を終わらせる。われわれは、この星を救う。われわれは世界を変えられる。」しかし、過度の謙虚の点では、バラク・オバマの選挙公約は、目立っていない。一年前には、イリノイ州選出の上院議員であるこの46才の男は、「スーパー・ボウル」の最終戦でやった30秒間の選挙スポットでは、嘲笑を買った。殆ど1億人のアメリカ人が、ビールと押しつぶされた男性の肉体を祝うアメリカン・フットボールの最高の祝日に、バラク・オバマは、イラク戦争と貧困と環境破壊に対する反対行進のニュース映画のなかで突出していた。彼は若い支持者を前にして、「われわれは世界を変えるぞ」ではなくて、「われわれは世界を変えられる」と叫んだ。彼はスポット広告の中に、未来が見える人、救い主として立っていた。彼は人々に触れ、感動させた。彼に一度も触れず、彼に追随しなかった人たちも、彼をあざ笑わなかった。
 ビル・クリントンは、冗談半分に、ヒラリー一人が「オバマ運動」に対抗しなければならないのは不公平だと言った。バラク・オバマは、一度、クリントンの両頭の槍について、自分はどちらと戦っているのか分からないと述べたのは、もっと正しい。細部にこだわるヒラリーが、あらゆるテーマにおいて、オバマと並ぶと、会計主任のような能力を発揮するというのは本当である。議論では、彼女はオバマを壁際に追いつめた。しかし、ジョン・F・ケネディやマルチン・ルーサー・キング牧師のために、行進し、働いた人たちのすべては、あのとき以来、オバマのような人物を体験したことがなかった。「われわれは、われわれが待ち望んでいた人たちだ」とオバマは、「スーパー・チューズデイ」の前の晩に支持者たちに呼びかけた。「われわれは、われわれが探していた変革だ。」それは単なる公約ではなくて、宗教的な「約束」である。公民権や平和や環境や女性の権利に賛成する最も高貴な運動にとって、それが洪水のように、国中にあふれるということは、すべての運動に固有である。オバマは、洗礼派の問答式で演説する。「数ヶ月前に、ささやきとして始まり、合唱にまでふくれあがったものは、国民と世界とを救済する賛美歌のように、この国の上に響き渡る。」(後略)
[訳者の感想]オバマ氏の演説がバプティスト派の牧師の説教のようだというのは、おもしろい捉え方だと思いました。
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「クリントンとオバマと健康保険」と題する『ニューヨーク・タイムズ』の論説。

2008年02月07日 | アメリカの政治・経済・社会
バイオハザードIII デラックス・コレクターズ・エディション(2枚組)

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

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ヒラリー・クリントンとバラク・オバマのあいだの主な政治的区分は、健康保険を含んでいる。それは、テクニカルで曖昧に見えるかもしれない区分である。私は、最も健康が優れない者だけが彼らの提案の微細な点について心配しているという多くの主張を読んだ。
だが、私は、前の論説欄で大統領候補者のあいだには実際は大きな相違があるということを説明しようと試みた。新しい調査は、私が述べたことを裏書きしている。計画のあいだの違いは、一般的な健康をカバーすることと遙かに期待に及ばない計画のあいだの違いになるだろう。
特に、新しい評価はクリントン夫人の案に似た計画がオバマ氏の案に似た計画の二倍も無保険の人をカバーするだろうと述べている。
二つの案がどのように比較されるか話してみよう。
どちらの計画も個人的な無保険者が、治療歴とは無関係に、誰にでも保険契約を提供する。どちらの計画も、人々が政府の提供する保険に加入することを可能にする。
そして、どちらの計画も、低所得のアメリカ人に保険を購入しやすくしている。
 だが、しかし、クリントン案は、購入しやすさについてオバマ案よりももっと明確であって、保険金額を家族の所得の1パーセントに限定することを約束している。それはまた、補助金のためにより多額の基金を用意しているように見える。
だが、大きな違いは、保険金の支払い命令である。クリントン案は、誰もが保険に加入することを要求している。オバマ案は要求していない。
 オバマ氏は、人々が入手可能ならば、保険を購入するだろうと主張している。不幸なことに、証拠によれば、そうはならない。
 結局、われわれは低所得のアメリカ人に対して、彼らがサインすることを要求しないで、健康保険をただにするか、非常に安くするプログラムを持っている。これらの適格者の多くは、何らかの理由で、登録しないでいる。
 オバマ型の計画は、また、自分の機会を取ろうと決断し、医療問題を展開するまでは、サインしようとしない健康か人々の問題に--その際、すべての人に対して割増金を要求することによって--直面するだろう。
 オバマ氏は、入手できるかどうかが保険の適用範囲に対する唯一の障害であるという初めの頃の主張に矛盾して、今度は、サインを遅らす人々を処罰することについて語っている。だが、これがどのように機能するかは、明らかでない。
 そういうわけで、オバマ案は、クリントン案よりも、より多くの人たちを無保険のままに放置するだろう。この相違はどれほど大きいか?
 この問いに答えるためには、健康保険の決定についての詳細な分析をする必要がある。(後略)
[訳者の感想]テレビではこういう具体的な論点の相違については何も報道してくれません。クルーグマン教授の意見では、健康保険制度改革の点ではヒラリー・クリントンの案のほうがオバマ案よりもよさそうです。
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「ドイツの将軍たちは、政府のアフガン政策に腹を立てている」と題する『シュピーゲル』誌の記事。

2008年02月05日 | アフガン問題
ショパン:ピアノソナタ第2番&第3番
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ハンブルク発:連邦軍の将校たちは、政府の政策と対立している。戦闘が激化しているアフガン南部に連邦軍兵士を派遣してほしいというNATOの要請を極力拒否しようとしている。だが、連邦軍内部では、同盟国の意図に対して理解を示している。
連邦軍が政府や議会内での論争に不満であるということは、軍の監察官であるハンス・オットー・ブッデ中将が、最近、専門誌『防衛技術』と交わした対話でも明らかだ。その中で、この将軍は、「軍事力の投入に対する社会的議論」を要求した。そういうやり方でしか、「なぜ、いつ、どこで、どういう目的、あるいは利害のために、ドイツは兵隊を派遣するのかがはっきりするかもしれない」と彼は述べた。
将官たちは、はっきりと対話の必要性を見ている。軍の自己理解と政治のなかのそれについての考え方とが分裂している。
将軍たちの多くは、意見を述べないでいるが、彼らの元同僚であるある、退役将校は、連邦軍の価値と役割についての不満を述べた。
彼らは、ドイツ人は危険なアフガン南部にも戦闘部隊を派遣するべきだというアメリカのロバート・ゲイツ国防長官の激しい書簡に対して理解を示している。それは、NATOの事務総長であるヤープ・デ・ホープ=シェッファーが出した要求でもあった。そして、カナダ政府は、他の加盟国が戦闘体制を強化しないなら、派遣軍を撤退させるぞと脅した。
フランツ・ヨーゼフ・ユング・国防相は、ゲイツの書簡に対して直ちに、断固たる「ノー」の回答をし、連邦軍の派遣を拡大することを拒否した。「われわれは、引き続き、北部のわれわれの重点地域にとどまらねばならないと私は考える」と彼は述べた。
 この政治的な「ノー」は、軍指導層では、非常に批判的に受け取られた。「ドイツの態度で、北大西洋条約機構は傷つく」とヘルムート・ヴイルマンは、『シュピーゲル』誌の記者に語った。彼は、連邦軍がバルカン半島に最初に派遣された1996年から、2001年まで、ドイツ軍の総司令官であった。(以下省略)
[訳者の感想]国防相が軍指導層の意見を聞かないで、派遣をしないと決定できるのは、やはり、文官優位の原則が守られているからでしょうか?
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「ユング国防相、NATOの要求を拒否」と題する『ヴェルト』紙のインタビュー

2008年02月03日 | アフガン問題
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来週、NATOの国防相会議は、リトアニアのヴィルナで、誰がアフガン北部に緊急展開可能な軍隊を派遣するか決定する。確実なのは、ノルウエー軍とドイツ軍が交替するということである。激戦が行われている南部に現在よりも多数のドイツ軍を派遣せよとの要求が結末に至るかどうかは、疑わしい。
ヴェルト紙:大臣、アメリカの国防長官ゲイツは、激しい仕方でドイツ人はアフガン南部にももっと強力に参加してほしいという希望を述べました。私たちは、北大西洋条約機構の内部の大きな危機に向かっているのでしょうか?
ユング:そんなことはありません。私は既に何回もNATO加盟国の国防相会議を体験しました。2006年11月にラトビアのリガで開かれた会議にも出ました。リガ以前にもわれわれは非常に似た議論をしました。現在、われわれは、またサミットを前にしています。つまり、今年4月には、ルーマニアのブカレストでNATOのサミットが開かれます。私の確信に拠れば、われわれは来週、ヴィルナでアフガンにおける国際的協調行動についての対話で、民間および軍事面でのわれわれの戦略的な参加を明確にするつもりです。この路線を私は、アフガン問題において、2007年10月にノルウエーのノルドウエイクで開かれた国防相会議でも強力に全面に押し出しました。
ヴェルト紙:アメリカ人たちが「アフガン南部のドイツ兵」をヴィルナでの国防相会議のテーマにしたら、どうなりますか?
ユング:万一、ヴィルナでそういうことになれば、私はこれまですでに言ったことを言うまでです。私たちは、北部の地域的管理に対して責任を持っているのだと。そこには4,200名の兵士が駐屯しているが、そのうちの3,200名はドイツ兵です。南部には、2万人の兵士がいます。ドイツの半分の面積をもつ、北部の防衛を怠ることは大きな誤りです。
責任を明確にしたのは正しかったと思います。ドイツが北部を担当し、イタリアはアフガン西部を、英国とオランダと韓国が南部を、アメリカは東部を担当しています。もっとも、もし、友人たちが困った状態に陥れば、われわれは彼らを援助するだろうと私はいつも言っています。だから、われわれは、われわれのトルナード偵察機でアフガン全土を偵察しているのです。われわれは同盟軍のための空輸も行っています。
ヴェルト紙:彼らの期待はどれほどですか?これまで、特に、安定化のために努力してきた国防軍が、緊急反撃軍を派遣した場合、われわれは新しい性質の派遣をすることになるのでしょうか?
ユング:そんなことはありません。国防軍の派遣は、四つの目的をもっています。援助、仲介、援護、そして戦闘です。戦闘は、最初の三つの目的を達成するのに必要です。これはいまままでもそうでした。われわれはアフガニスタンで26人の兵士を失いました。これは、派遣そのものが危険だということを示しています。緊急反撃軍(QRF)を準備することになっても、4つの要素の競合に何も変化はないでしょう。
ヴェルト紙:ベルンハルト・ゲルツは、国防軍の増強を批判しています。国防軍は、新しい緊急反撃軍(QRF)を作る状態にはないというのがその理由です。
ユング:そのような発言は、二重に腹立たしいですね。第一に、ドイツがQRFを編成するということは、まだ、決定されていません。第二に、われわれは訓練の良くでき、装備の良い国防軍を持っています。2006年の中頃に、私は、われわれの兵士がアフガンの兵営の外では、装甲車を使用することを決定しました。その間に、われわれは500台の装甲車を持っています。それ以外に、あらゆる車両を遠隔操作の爆弾に対して守ることができます。われわれはアフガンのように危険な場所に、訓練が十分でなく、装備もできていない兵士を派遣することはありません。アフガンでは、開発なき、治安はないと確信しています。しかし、治安を作り出すには、開発を推し進めなければなりません。(以下略)
[訳者の感想]ドイツに対して緊急展開用の部隊を派遣しろという米国の要求にどこまで対応するのか、あるいは、しないのか興味があります。自衛隊がアフガンに派遣された場合、一体、ドイツ軍程度に戦えるのでしょうか?


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