海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「ケインズは、正しかった」と題するポール・クルーグマンの記事。

2011年12月31日 | 国際経済
「不況ではなくて好況こそ財政緊縮の好機だ」と1937年にジョン・メイナード・ケインズは断言した。ルーズベルト大統領でさえ、財政の均衡をあまりにすぐ取ることによって自分が正しいと証明しようとしていたときだ。だがそれによって、合衆国経済はひどい不況に陥った。経済が不景気のときに、政府支出をカットすれば、経済をいっそう不景気にする。緊縮財政は、強い回復が始まるまで待つべきだ。
不幸なことに、2010年末から2011年初めにかけて、西欧世界の多くの国の政治家たちや立法家たちは、自分たちの法がよく知っている、われわれは赤字に焦点を当てるべきで、就職口に焦点を当てるべきではないと思った。もっとも、われわれの経済は殆ど金融危機に続く不況から回復するかしないかだったのだが。反ケインズ的な信念に基づいて行動することによって、彼らは結局、ケインズがまたもや正しいといういうことを証明した。
ケインズ的経済政策が正しいと宣言することによって、私は、普通の智慧と食い違っている。特にワシントンでは、雇用の増大を生み出すためのオバマ大統領の刺激策は、政府支出が景気を改善しないということ証明したと見なされた。2009年度の回復・再投資法は、不況の深刻さに対しては、あまりに少なかった。そこで、われわれも政治的な反発が結果するだろうと予言した。
そういうわけで、ケインズ経済学の実際のテストは、経済を押し上げようとする連邦政府の気乗りのしない努力からは、出て来なかった。その努力は、州政府や地方のレベルでの削減によって、相殺された。そして、ギリシャやアイルランドのようなヨーロッパ諸国は、緊急貸し出しを受け取る代わりに緊縮財政を課された。それらの国々は、実質的GDPを二桁下げることによって、大恐慌レベルの経済不況を蒙った。[後略}
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「国際銀行連盟はドルの崩壊を恐れている」と題する『フランクフルター・アルゲマイネ』の記事。

2010年10月05日 | 国際経済
10月4日発:月曜日、フィラデルフィアのFRBの議長であるチャールズ・フィリップは、『フィナンシャル・タイムズ』紙に対して、「われわれがこれ以上のめり込む前に、われわれはそれで何を得られるかについてはっきりしておかねばならない」と言った。
 「国際銀行連盟」は、米国・日本・ユーロ圏と英国における低金利政策が、資本の流れを新興国へ向かわせ、国際的な緊張を大きくするかもしれないということを憂慮している。国際通貨基金と世界銀行の年次総会がワシントンで始まる数日前、国際銀行連盟は、経済政策を国際的に調整するように呼びかけた。
 大規模な国民経済の中心をなすグループは、ソウルでのG20サミットに先立って、敏感な為替問題で妥協すべきであると、連盟は、IMFの委員会議長であるユスフ・ブトロス=ガリに宛てた手紙で要求した。「市場の参加者は、大規模の経済の指導者たちが彼らの個人的集団的責任を認識し、バランスのとれた持続可能な経済成長を目指していると確信させられる必要がある」と連盟の総裁であるチャールズ・ダララは断言した。
 グローバルな不均衡は拡大している。ドイツと日本と中国の貿易黒字が増大している。連盟は、増大する保護主義的圧力に対して警告を発した。なぜならば、これらの国々は、成長の動力として輸出市場を巡ってとっくみあいのけんかをしているからである。(後略)
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「資本主義論」

2010年07月07日 | 国際経済

過剰に存在する資本などというものは存在するか?情報通の読者なら、カバーされない要求に対する相変わらず莫大な過剰を伴い、ゼロにまで下げられた公定歩合に基づく国際資本市場の現在の状態こそ「過剰に存在す資本」が存在することを証明していると答えるだろう。支配的な経済理論にとっては、事情はそれほど簡単ではない。それにとっては、財貨は、定義によって少なく、財貨を生産するための手段としての資本もまた少ない。それゆえ、新古典主義的理論の擁護者たちは、危機を予想することができなかった。ミルトン・フリードマンや「効率的」金融市場の理論家たちは、金融市場のバブルの可能性さえ認めようとはしなかった。

ケインズは、1930年代の大恐慌の初めに、全く別の立場を代表していた。「われらの子孫にとっての経済的可能性」についてのある論文で、彼はあまりに大きすぎる悲観論に反対した。現実の問題がどれほど苦痛に満ちていようと、それらは、近代資本主義が絶えず財貨と資源の欠乏という人類の問題を克服しようと働いていることの兆候であると彼は言ったのだ。

[訳者のコメント]クリストフ・ドイッチュマンというチュービンゲン大学の社会学教授が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に書いたブログです。

 

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「中国はなぜ人民元の切り上げを許すのか」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2010年06月22日 | 国際経済
ベルリン・フランクフルト発:曖昧な声明が既に株式市場の休日気分に配慮している。そして全世界からの称賛にも配慮している。「非常に歓迎できる展開だ」とIMFのストロス=カーン総裁はコメントした。「建設的な一歩だ」とバラク・オバマ大統領は述べた。二人は同じことを意味している。人民元のドル・ペッグを次第にゆるめる中国が決定したのだと。
 アナリスト達も喜んだ。DAXは月曜日明らかに上昇した。「市場は、貿易戦争を防ごうという中国の努力に敬意を払った」とヴァールブルク銀行のクラウス・ゲルリッッツは言った。
 フランクフルトの株式市場では、鉄鋼株と自動車株が上昇した。「より柔軟な為替政策を採るという中国政府の声明がこれらの株価を引き上げた」と市場アナリストのハイノ・ルーラントは言った。
 中国がその約束を実際に実行するならば、国際的な競争はより公平になるだろう。ヨーロッパや米国の企業は、その生産物を今より安く売ることが出来れば、人民中国からの強力な競争力に対してより良いチャンスを持つだろう。逆に、中国からの商品は、高価になるだろう。「現在、既に、中国での自動車の需要は上昇しているが、人民元が上昇すれば、この傾向はさらに強まるだろう」とアナリストのフランク・ビラーは断言した。
 特に米国にとっては、元の切り上げは、救いとなるだろう。米国は、やっとその莫大な貿易赤字を減らすことが出来る。国際貿易は、均衡がとれるだろう。
 もっとも、多くの人は、中国政府には、人民元の市場に適した評価を目指す全く別な理由があると言っている。なぜなら、ワシントンとブリュッセルからの訴えが繰り返し行われたが、これまで北京を動かすことは出来なかった。場合によっては、西欧からの公的な圧力はかえって切り上げを妨げた。「アジアでは、メンツを保つことに多くの価値が置かれている」とメツラー銀行の新興市場専門家であるハルトヴィッヒ・ヴィルトは言った。
 長期的には、中国は、安価な工場としての地位を保つことはできない。昨年は、賃金と労働費用とは、非常に上昇した。とっくに他のアジア諸国では、もっと有利に生産されている。共産党指導層は、この問題を認識した。そして、生産拠点から産業革新の立場への転換を推進している。電子産業、自動車産業、バイオ産業は、強力に推進されている。
 キールにある「経済研究所」のリウ・ワンシンによれば、人民元をもはやドルに連動させないという決定でもって、産業に対して一押しするつもりなのだ。」なぜなら、中国の企業は、安い労働力に依存するよりは、むしろ、もっと強力に新しいテクノロジーに依存するように強いられているからだ。(後略)
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「私のお金はまだ安全か」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2010年05月12日 | 国際経済
ダムは、ついに崩壊した。7500億ユーロ(75兆円)をユーロ諸国は、必要な場合、危機的な国々に役立てようとしている。「欧州中央銀行」は、怪しい国債を買い取り始めた。ユーロの交換比率は上がったり下がったりしている。そこで、突然、われわれが長いこと考えてきた問いが生じる。つまり、「われわれのお金はどれほど安全か」という問いである。苦労して貯められた銀行預金は、二年間で大幅に価値が下がった。どうしたら私は私の財産を守れるのか?
 専門家はパニックを起こさないように警告している。通貨安定化のための緊急計画は、「ようやく落ち着きをもたします」と独立の投資顧問シュテファニー・キューンは言う。したがって、財産をあちらこちら動かすことは何の役にも立たない。
 しかし、思いめぐらさなければならないのは、「物事を問いただすよい機会です」とキューンは言う。「自分の投資が危機にどれぐらい強いかをまだ吟味したことがない人は、それを今すべてきです。」
 なぜなら、これまで、十分に伝統的だと思われ、特に利回りが大きいと思われてきた多くの投資は、その良い評判を駄目にした。「その多くは、端的に値札詐欺でした」と銀行論教授ハンス・ペーター・ブルクホーフは言う。 それゆえ、大事なのは、株式を詳しく調べて、資金がどこに投資されているか見ることである。投資ファンドの出資者は、自分たちの金が何に対して使われているかよく見るべきだ。
 原則的に、現在重要なのは、出来るだけ、多面的に投資することである。なぜならば、個々の投資対象の将来の発展は、戦後の歴史にまだ一度もなかったぐらい非常に不確かだからである。(後略)
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「欧州中央銀行、その原則を破る」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2010年05月11日 | 国際経済
欧州中央銀行(EZB)は、ユーロを巡る戦いで最後の武器に手を出した。ヨーロッパ通貨の守護者たちは、月曜にかけての夜中に、多額の負債を抱えたヨーロッパ諸国の国債を直接、買い上げることを決議した。これは発券銀行の11年間の歴史では初めてのことである。EZBは、この措置で金融市場を落ち着かせようとしている。
公表のすぐ後に、ドイツ連銀と16カ国の発券銀行は国債の買い入れを始めた。それに先立って、EUと「国際通貨基金」(IMF)とは、ユーロに対する7,500億ユーロに達する救助ネットを張った。市場では、EUとIMFの歩みは肯定的に受け取られた。ユーロは、再び1.3ドルまで上昇した。先週は、共同体通貨は、1.25ドルまで下落していた。株式市場でも株価は上昇した。
この決断でもって、通貨政策のさらなるタブーが破られた。これまで、EZBは、国債を買うことを断固として拒否してきた。なぜなら、それによって、発券銀行は、間接的に、ギリシャや他のユーロ諸国の負債を間接的に引き受けることになるからである。定款によれば、EZBには、国債の購入は禁じられている。通貨量を操作するための公開市場ビジネスは例外である。
批判者達は、この決定によって、発券銀行は、その独立性を危険に曝したと見ている。「国債の購入は、堕罪であり、それは大きな信用喪失につながる」と「コメルツバンク」のミヒャエル・シューベルトは述べた。銀行論の教授であるヴォルフガング・ゲルケは、その転換によってEZBは、国家の手先になったと考えている。これは、結局、フランスのサルコジ大統領の圧力で起こったことではない。「これは、長期的には、より高いインフレに入ることである。ドイツ連銀だけなら、起こりえないことだった」と彼は言う。(後略)
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「株取引の専門家は、ユーロに対する集中攻撃があったと推定」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2010年05月09日 | 国際経済
ヴェルト紙日曜版:ミュラーさん、あなたはちょうど講演を終えたところです。テーマは恐らく自然と生じたでしょうね。それとも?
ディルク・ミュラー:当然です。木曜日のダウ平均の暴落は人々を驚かせました。彼らは何が起こっているのか理解したいと思っています。
ヴェルト紙:あなたが助けてくれると私たちも思っていました。
ミュラー:原因については、いろいろ推測できます。タイプの打ち間違えが原因だというのは、あり得ないですね。それに対する安全措置は厳しすぎるぐらいですから。どのトレーダーにも彼がビジネスができる限度があります。一定の取引量以上は四つの目で確かめるという原則なしには何も起こりえません。市場は、1987年の大暴落以来常に学習しています。
ヴェルト紙:原因はおよそ捜査されるのでしょうか?
ミュラー:われわれは何も知り得ないということはあり得ますね。だが、一つのことだけは、私は確実に知っています。われわれがユーロ圏での国家破産や通貨圏での暴落について議論している最大限可能な神経質な領域でこのような前例のない暴落が起こったとすれば、それは絶対、偶然ではないのです。
ヴェルト紙:それを聞くとちょっと陰謀説臭く聞こえますね。そのことをもっと詳しく説明してもらえませんか?
ミュラー:アングロ・サクソン圏から、ユーロに対する集中した攻撃が起こっています。それが投資家達を不安にするはずです。米国の銀行は、スペインの支払い能力とユーロ圏からのドイツの脱退についての噂でもって、信頼を駄目にしました。救済案が既に出来上がりつつあるのに、格付け会社の「スタンダード&プーアズ」は、ギリシャの借金を「危険」のレベルにまで引き下げました。
ヴェルト紙:格付けは、ギリシャの経済状態の反映です。
ミュラー:「スタンダード&プーアズ」社は、マクグローヒル財閥に属しています。その会長は、ハロルド・マックグロー3世は、ジョージ・ブッシュ前大統領の顧問でした。米国政府が認めなければ、S&Pは、何も出来ないはずです。
ヴェルト紙:陰謀論者は、政府に操縦されている株式市場介入部隊「プランゲ防衛チーム」(PPT)が存在するという主張をしています。あなたの意見では、このPPTが木曜日に株価暴落の後、奇跡的で急速な回復のさいに介入したのでしょうか。
ミュラー:この場合は私はそう思いませんね。私たちが持ったのは古典的な売り急ぎであり、しかも極端な売り急ぎです。多くの市場参加者達はこのような状況を待っていたのです。株価暴落の一部は、引き起こされた限界売り
に原因があります。・・・・(中略)
ミュラー:私たちが長く劇的な下降運動の始まりを見たのではないかと私は恐れています。非常に悪くなると、われわれは、まもなく第二のリーマンショックを蒙るでしょう。当時は銀行だけが問題でした。今度は、国家全体が問題なのです。ダックスが2009年初めの下値以下に下がるということは、理論的に考えられます。投資家達は、来月に対する戦略をはっきりさせるためには、今週の週末を利用すべきでしょう。
ヴェルト紙:あなたは具体的に何を薦めますか?
ミュラー:現在、値打ちのある商品を買う人は、どうやって自分がそれを売りオプションによって確保するかをよく知っているべきでしょう。ユーロに代わる通貨としては、スイス・フランとかノルウエー・クローネが買い得かもしれません。
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「ドイツ経済の見通しは、暗い」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2010年03月15日 | 国際経済
アクセル・ウエーバーは、まさに、職業上の楽天家としては知られていない。先週の年度末決算報告提示の際、ドイツ連銀総裁は、ドイツ経済に関して驚くほど確信に満ちた調子で語った。「2009年夏に始まった回復過程は、核心においてしっかりしており、ダイナミズムは弱いが、継続されていると確信している」と語った。
景気が冬の期間にもし麻痺していたら、上昇はその後一層強力に落ちただろう。ウエーバーが広めたのは、慰めになる告知であり、人々は喜んで支持したがるだろう。結局、ドイツ経済が昨年、経済成長率の5%低下を記録した戦後の最悪の景気後退期を一見、上手く乗り切ったということを見るのは、安心できるように見える。だが、数週間前から、光景はかなり変化した。ギリシャにおける債務危機の結果の不確実性、赤字財政に曝されているユーロ地域の諸政府が強いられている節約、そして公定歩合の上昇に対する不安などである。
これらすべては、この後数ヶ月に対する見通しに暗くのしかかっている。
何人かのエコノミストはそれどころか、二重の景気後退がやってくると言う。ある後退の後に短い景気上昇局面があり、それから新たに後退が始まると予想する人たちがいる。景気カーブのこのようなW字型の経過を米国はすでに、1970年代、80年代に一度、経験している。当時、第一次オイルショックによって、インフレ率は、めまいがしそうな、14%まで上昇した。購買力の後退は、個人消費者と企業とに大きな負担を与え、米国連銀は、ドラスチックな金利低下によって、景気を上昇させようとした。それと共に、当時、通貨の番人は、当時の連銀議長ポール・ボルカーの下で、相変わらず高いインフレと新たに公定歩合を挙げることで戦ったとき、経済は再び交替した。
これらの日々、一連の銀行家や経済研究者達は次年度の経済見通しを強力に下方へと訂正した。「景気の明らかな後退に導くかもしれない一連のファクターがある」と「ユニクレディット」の主任アナリストであるアンドレアス・レースは警告している。「二番底の危険は、確率0ではないにしても、相変わらず存在している」と「世界経済研究所」(IfW)の景気主任であるヨアヒム・シャイデは補足している。
この研究所は、先週金曜日に、2011年度のドイツにおける国民総生産の成長予測を1.8%だけ下方修正した。その前に、いくつかの銀行は、特に「コメルツバンク」や「バンカメ」は、ドイツに対する期待を2%から1.2%に引き下げた。「恍惚はこの間に失われた。われわれに今年損害を齎すかもしれないいくつかのファクターがある」とシャイデは言う。
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「アブ・ダビは、ドバイ危機を和らげようとしている」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2009年11月29日 | 国際経済
アブ・ダビ発:アラブ首長国のアブ・アブダビは、多額の負債を抱えている隣人のドバイに土曜日、援助を確約したが、包括的な救援を約束したわけではない。援助はケース・バイ・ケースに行われると、政府代表は、ロイター通信に述べた。「アブ・ダビは、会社を探し、援助が行われる会社を選ぶだろう。」アブ・ダビは、ドバイと同様、アラブ首長国連邦の一部である。
金融危機の際、ドバイ政府は、長い間、自分の問題を秘密にするように努力してきた。先週、水曜日に首長国政府は、「ドバイ・ワールド」社の債権者に債務の払い戻しを延期するように要請した。「ドバイ・ワールド」の負債は、590億ドル(5兆3,100億円)ある。これは、この首長国全体の負債の約4分の3に当たる。支払い延期は、世界経済全体に影響を及ぼしている。
ドバイの支払い延期は、ドイツの企業にも打撃を与えている。「ドイツ商工会議所」(DIHK)の支配人であるマルチン・ヴァンスレーベンは、『新オスナブリュック新聞』に対して、次のように述べた。「われわれは受注の際、このことに気づくだろう。多くの企業は、打撃を蒙っただろう。」ドバイの建設ブームは、ボーリング機械からショベルカーや計器や窓に到るまで建築をめぐる製品やサービスを供給するすべての企業にとって、多年、重要な市場であった。
DIHKの支配人であるヴァンスレーベンは、負債危機の心理的影響を恐れている。「現実の不安定な状況では、どの反応も危険である。この背景を前にして、ドバイは、大変なショックである。」景気に対する持続的な影響を彼は予想してない。しかし、「国営企業が600億ドルの債務を抱えて動揺し、他の不安のファクターと合併したとすると、相変わらず不安定な金融市場は、ひどい打撃を蒙った。」
ウオール街も、緊張してドバイに注目している。かってのブーム首長国の金融問題が悪化すれば、株式仲買人の推定では、金曜日の痛ましい損失は、一週間続くだろう。ドバイの二つの国営企業の支払い延期要請は、投資家達にとって、世界経済の回復が希望していたよりももっとぎくしゃくしたものとなるだろう。(後略)
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「湾岸諸国は、ドバイ・ショックの帰結を恐れている」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事・

2009年11月27日 | 国際経済
ドバイ/フランクフルト発:支払い延期のお願いに過ぎなかったが、その帰結は、破局的であるだけでなく、グローバルに感じられる。以前ブームを呼んでいた湾岸首長国ドバイの金融危機は、木曜日に世界中の株式相場を下落させた。ドイツの株価指数DAXは、ロンドンのFTSE100や、フランスのCAC40と同様、約3%下落した。アジアの株式市場もはっきりと弱含みである。上海の指数は、過去三ヶ月以来、一日では最大の下落幅を示した。アジアにおけるイスラム系金融商品は、平均15%も下落した。
DAXは、ヒケまでに、3.25ポイント下落して、5,614ポイントとなり、それでもって、数週間以来最大の下落を蒙った。どの指標も一ポイントも上昇しなかった。特にカタール首長国がそのかなりの部分を所有しているフォルクスワーゲン株は、6.2%下がり、ドバイ首長国が参加しているダイムラー社の株は、4.6%下落した。この日の最大の負け組は、ドイツ銀行の株で、6.4%下落した。このドイツ最大の金融機関は、明らかに湾岸地域に多額の投資をしている。米国の株式市場は、「感謝祭」の休日で、閉まったままで、景気データは、予定表に載っていおらず、取引は落ち着いていた。もっとも、原油価格は明らかに後退した。
「ドバイからのニュースは、今朝、晴天の霹靂のように、やってきた」とフランクフルトのシュニッゲ債券取引銀行のディーラーであるノルベルト・エンプティングは言った。「それは、われわれが乗り越えたと思っていた金融危機を再び思い出させた。」それに対応して、不信に陥った市場の気分は悪いと彼は言う。
エンプティングは、ニュースの射程を過小評価しないように警告している。「ドバイは、これまでは、最初の名宛人だと思われてきた。今度は、ダイムラーのような企業が仲間に入っている。」国際的なアナリスト達は、展開の規模に似たような評価をしている。「ドバイの債務不履行とそこから生じる不安とは強力なドミノ効果を引き起こした」とロンドン在住のBCGパートナーのデイビッド・ビュイックは言う。
ドバイは、一年前には、湾岸諸国の中では金融危機によってもっともひどく揺さぶられた。そうこうするうち、数十件の建築計画は中止され、外国人労働者は、群れをなして、この國を立ち去った。国有のドバイ・ワールドと有名な人工島「パルム・ジュメイラ」を建設中の不動産の兄弟会社ナクヒールとは、特に被害を被った。
水曜日には、600億ドルの債務を抱えた国営ファンド「ドバイ・ワールド」は、その債権者達に少なくとも六ヶ月間の支払い猶予を要請し、それによって国際的金融市場にショックを与えた。首長国政府は、支払い延期の要請をファンドの再組織が必要なためだと理由づけた。
首長国は、推定800億ドル(7兆400億円)の負債を抱えている。専門家の意見ではビジネスに対する投資家の熱狂が砂漠の国家に帰ってくるまで、数十年かかる。なぜならば、これまで、投資家とアナリスト達は、ドバイがその大量の負債を期限以内に皆済するということを前提していたからだ。(以下省略)
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「金融危機によって、10兆5000億ドルが失われた」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年08月29日 | 国際経済
経済学者のジョセフ・スティーグリッツが、2008年8月に、金融危機はまだしばらく続くだろう、そして損失は1兆ドル以上に達するだろうと警告したとき、このノーベル経済学賞受賞者は多くの方面から何を言うことやらという反応しか得られなかった。多数の政治家、銀行家、経済人は、それまでに、いくつかの銀行と不動産部門を襲った金融危機は、間もなく、過ぎるだろうと確信していた。「金融市場での諸条件は、次第にまた正常化する」と欧州中央銀行総裁のジャン・クロード・トリシエは、一年前に述べた。
それから何が起こったかは、よく知られている。9月15日に、米国の投資銀行リーマン・ブラザースが破産した。その破産は、金融システムを地獄に引きずり込んだ。世界は、ショックを蒙り、金融機関は相互の不信から、金を貸さなくなった。銀行が次々に困難に陥り、政府の介入と中央銀行の介入にだけが、金融システムを崩壊から救った。
金融危機の次に、グローバルな経済危機が起こった。それは1929年の大恐慌に匹敵するもだった。国々は次々に経済成長の下落を経験した。そういうわけで、ドイツのGDPののびは、今年はマイナス6%に達する。
 スティーグリッツ教授の予測が正しかったら良かったのにと思われるかも知れない。なぜならば、危機は、1兆ドルではなくて、遙かに大きな損害をもたらした。それは、「コメルツ・バンク」が『ヴェルト・オンライン』のために仕上げた計算によれば、損失額は、2009年末までに10兆5000億ドルに達するだろう。2007年第三4半期以来、銀行や他の金融機関の倒産総額は、1兆6000億ドルに及ぶ。計算は、ブルームバーグの情報に基づいている。米国と英国の住居不動産の価値喪失額は、2009年末までに、4兆6500億ドルに達する。最後に2008年と2009年の世界経済の落ち込みは、「コメルツバンク」の計算では、4兆2000億ドルに達する。この銀行は、危機がなければ、世界経済は、それ以前の年の平均値を保ったであろうと仮定している。実際、2008年の成長率は、低く、2009年には、60年前から初めて、縮小した。「コメルツバンク」の計算では、全体で、10兆4,730億ドルが失われたことになる。そのうちドイツが貢献した金額は、2,370億ドルである。そのうち1,040億ドルは、ドイツの銀行の帳消し額であり、2008年と2009年の低い経済成長によって、国内総生産は、1,330億ユーロだけ減少した。「われわれがGDPで測っている収入減は、驚くほど大きい」と「コメルツバンク」の主任経済アナリストであるクレーマーは言う。「収入減はまだ長いことわれわれにつきまとうだろう。
それ故、喪失額は将来更に増大するだろう。なぜならば、将来の押さえられた世界経済成長は、計算の中にまだ入れられていないからである。銀行はその財務報告においてまだ旗竿の終わりまでは到達していない。国際通貨基金は、不足額は、2010年の終わりまでに、40億ドルにまで達するだろうと恐れている。このシナリオが的中すると、銀行はこれまでにその不良債権を半分しか償却していない。
にもかかわらず、希望のきっかけが存在するとクレーマーは言う。銀行は既に1兆3000億ドルの資本金を受け入れ、その資本金の不足の80%を補った。米国の不動産市場も安定化しているように見える。住宅価格はもはや下落しない。景気は下降を止めた。「これに成功したということは、すごい結果であって、決して自明ではない」とクレーマー言う。

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「男たちは最初の刺激に飛びつく」と題する『ヴェルト・オンライン』の対談。

2009年08月17日 | 国際経済
彼女は、ダークグレイの服を着、経営経済学は勉強したことがなく、ヘッジファンドを創設したのでもない。けれども、ハイケ・ファラーは、今季のもっとも成功した株式の本を書いた。『どうやって、私は金持ちになろうとしたか』という本は、六月に出版されて以来、1万2千部売れた。この物語の中で、このジャーナリストは、株式市場で小さな財産を稼ぐために、彼女がどれほど何も知らない初心者として一年間投機家の間にたち交わったかを描写している。冷たい水に飛び込むことによって、熟練の専門家には隠されたままだった視点が開かれた。
普段の生活では、ファラーは、ライフスタイルのための雑誌に女性のオーガズムや自分の美容院と命がけの戦争をしている美容師や、売春で学資の一部を稼いでいる女子学生
に関するテーマで記事を書いている。『ヴェルト日曜版』とのインタビューで、自分自身の成功に驚いているこの38才の女性は、彼女がお金の王国への探検から学んだことを物語った。誰でも株式市場の魅力に取り付かれる可能性があるとファラーは言う。そして、良い株式市場の伝統に従って、熱いヒントも惜しまない。
ヴェルト・オンライン:ファラーさん、あなたは女性の問題について記事を書いてきて、今度は株式市場では男性が優位の領域も知ったのですね。女性は男性とは投資の仕方が違いますか?
ハイケ・ファラー:セックスの場合と似てるわね。男性は、投資の際も、最初の刺激に飛びつくわ。たとえば、彼らは特定のチャートの形態を捜し求めて、カーブが気に入ると衝動的に買うの。女性の場合は、ことはもっと複雑だわ。彼女たちが投資の決断をする際には、沢山のファクターが影響するのよ。男性にとっては、それはしばしば、漠然としているように見えるわ。
WOL:一方は、猪突猛進型で、他方は、家計担当者型というわけですね。
ファラー:男性たちは、しばしば、一枚のカードにすべてを賭けるわね。彼らは株でもマッチョを気取るのよ。女性の場合は、彼女たちは、リスクを無視したりはしない。疑わしい場合には、彼女たちは古い貯金通帳で我慢するの。
WOL:でも、あなたは貯金通帳には背を向けて、投機家の仲間に入リましたね。
ファラー:私の場合は、最初の麻薬は金(キン)だったわ。ある調査の際、私は二人の管財人と知り合いになったの。彼らは、私に貴金属を買うように説得したの。このバイエルン州出身の男たちが私を魅了したわけは、彼らが私の想像していた銀行顧問のタイプとは全く違ったからよ。彼らは崩れやすい銀行のシステムや将来のインフレについて話してくれたわ。それから、金庫に入れておいた私の金の延べ棒と金貨の価値が何倍にもなったわ。そのときから、私は、金の世界を見抜いたと信じたの。(後略)

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「ヨーロッパの景気上昇、東京の株式市場を活気づける」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事

2009年08月14日 | 国際経済
東京発:金曜日に、225の株式の平均価格を示す日経平均は、ここ10ヶ月間で最高のポイントを示した。活況に、米国からのがっかりさせるデータも何も変えられない。米国では、失業保険金への申し込み数が増加し、個々の企業の売上高は下がった。
 日経平均は、取引半ばでは、10,627.63円まで上昇した。もっと広範な株式を包括しているTOPIX指数は、同様に、975.43円まで上がった。取引の終わりに、日経は0.8%の増となり、TOPIX指数は、0.5%増えた。
 「みずほ証券」のアナリストによると、この株価の値上がりは、第2四半期に予想以上のよい結果を示したヨーロッパ地域の経済発展によって説明される。「ドイツとフランスからのプラスの数字は、市場にとっては、好都合なファクターである。これらの予想は、グローバルな株式ラリーにおいて既に折込済みだったのであるが」と大和SB投資会社のチーフアナリストである門司ソーイチロウ氏は言った。しかし、彼は市場は買われすぎており、利益を確定するための圧力が増えると予想している。
 機械と貿易と非鉄金属の株が買われている。観察者の予想では、外国投資家の買いは、来週も続くだろう。もっとも、市場が過熱気味であるという認識は、増大しているけれども。
 香港株式指数は、0.8%の増加を見た。他のアジアの株式市場も上昇傾向にある。ニューヨークでは、ダウ・ジョーンズ指数は、0.4増えて、9,398ポイントになった。より広い企業を包括したS&P500は、0.7%上がって、1012ポイントとなった。ナスダック指数は、0.5上がって、2,009ポイントとなった。フランクフルトのダックス指数は、木曜日には、1%上がって、5,401ポイントとなった。
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「銀行家の道徳」

2009年08月10日 | 国際経済
ソロモン王について次のように言われている。彼には彼に対して物事がうまく行っていようとうまくいってなかろうと、常に「これもすぐ終わります」とささやく役目を持った家来がいたというのだ。
危機は過ぎ去る、最も困難な危機であっても。しかし、現在の世界的な経済危機のあとで、元の状態に戻ることはありえないだろう。市場に対する信念が動揺させられたことは、新たな世界秩序の出発点である。われわれはいつものようにビジネスに戻ると信じている頑固な自信家も何人かいる。だが、世界共同体は、資本主義の操縦者には懺悔を政治家には行動を期待しているのだ。
現在の危機は、1929年以来最も包括的で最も危険な金融危機である。それは近代世界の歴史における大きな転換点になるかもしれない。米国の「国家経済会議」議長ローレンス・サマーズは、自由市場の最大の擁護者だったが、2009年春に、「致命的な衝撃を受けた」と告白した。同時に、銀行家の世間的体面は最低にまで落ちた。彼らの何人かが、彼らが錬金術にふけった結果、納税者にとって莫大な費用を伴う救済行為が必要にあなったのに、普通の労働者の給与の何十倍もの給与と賞与とを受け取ったという事実に関して憤激が広がった。
この新しい世界秩序はどう見えたらよいのか?
第一に、どんな二者択一もありえない。最悪の場合には、市場は、不公平で、破壊的で、危機に陥りやすいのだ。この側面をわれわれはみんな痛みとともに発見する。最善の場合には、市場は非常に効率的で資本を正しい場所に操作することができる。そのことによって、人類は大きな利益を得た。福祉に対する資本主義の意味は次の点で認識可能である。つまり、市場に基づく改革が導入されたあとで、資本主義は、中国やインドの国民経済を革新した。
 金融危機によって、第二次大戦以後はじめて、世界の国民総生産が下落したとしても、グローバル化した市場資本主義は、この20年の間に、かっては貧しかった国民経済にあった数億人の人間にとって、非常な長所をもたらした。このことはドイツにも当てはまる。経済的回復がなされれば、ドイツの開かれた国民経済とその競争力のある企業は、主たる勝利者になるだろう。危機の間は重荷になった輸出の優位は、再びドイツ経済の強みになるだろう。(中略)
第二に、われわれは時計を逆回しすることは出来ない。われわれはグローバルな資本市場以前の時代に後戻りすることは出来ない。このような考え方は、人口が稠密になっり都市化された世界では全く非現実的である。進歩と改革のためには、われわれは現代の資本市場を必要とする。
第三に、国家の監督・規制・介入は本質的な意味を持っている。市場が安定し自己規制をするだろうと信用してはならない。決定的な問題は、世界の指導者たちが、市場の力の力動性を維持し、同時に行き過ぎを抑える経済秩序についてグローバルなビジョンを見出すかどうかということである。それには、国際的な枠組みが必要になる。
最後に、経済力の重点が西から東へと移ることを受け入れなければならない。新しい現実を考慮するためには、国際的な制度が新たに創設されねばならない。先進国は、新興国に場所を譲らなければならない。反対給付として発言権を認めないで、金融危機の救済においてある役割をひきうけるようにアジアの社会に望むことは不可能である。彼らが、(中国のように、)世界通貨としての米国ドルに背を向けることを考え始めたということは決して驚くべきことではない。(後略)
[訳者の注]この論説の筆者スチーブン・グリーンは、香港上海銀行の頭取で、英国銀行協会の議長で、英国国教会の説教者だそうです。
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「中国、フランスで城ごと葡萄園を買う」

2009年07月27日 | 国際経済
フロンサック発:シャトー・リシュリューほどフランスに根をもったものは見つからないだろう。
ルイ13世の大臣だったリシュリュ-枢機卿は、1632年に有名なブドウ畑を購入し、自分の愛妾をこのシャトーに住まわせた。一世代後に、シャトー・リシュリューのワインは、ルイ14世治下のヴェルサイユ宮殿で開かれた宴会の定番になった。それ以来、シャトー・リシュリューとその古い遺産は、ボルドーの北東20マイルのドルドーニュ川に沿っているフロンサック地方の誇りだった。
しかし、フロンサックでも時代は変わった。香港と北京に根拠地をもつ中国の不動産会社は、先月、大金を投じて、この葡萄園を買い取った。ブドウ畑とお城と歴史的由緒込みで。
取引は、この一年間で二度目である。別の中国の会社は、2008年にここからちょっと南にあるシャトー・ラトール・ラグエンスを買い取った。この会社は、数百万ドルを投じて、二流のワインを最高級品に変え、建築後500年経ったシャトーを富裕な中国人の結婚式場に変えた。
両方の事例で、中国人バイヤーは、的確にフランスにふんだんにあるものを求めた。つまり、歴史と優雅さと伝統とノウハウである。金持ちの中国人企業家の新しい世代は、結局、毛沢東の共産主義と文化大革命で自分の国では根こそぎにされた階級と由緒と遺産とを買うためにフランスに来たのだ。
「先祖に対する思い、それが彼らにとってに本当に大事なものだったわ」と、シャトー・ラトール・ラグエンスとその修復を管理するために、青島にあるロンガイ国際貿易会社に雇われているソフィー・ルッソフは言った。「彼らがこのシャトーに関心を持ったとしたら、それはそれが長い歴史を持っているからよ」と彼女は言う。もっとも、それが金をもうける良い方法のように見えるとは言及しなかったが。
ワイン生産者の報告では、両方の事例で、中国人投資家は彼らが新たに手に入れたボルドー・ワインを自国の新しい金持ちに売り込むという計画を立てた。この地方の不動産業者は、不動産の購入価格はどちらも数百万ドルしただろうと推定している。しかし、人生でワインを含めてより上品なものを知り始めた13億人の中国人がいれば、ボルドーで地歩を築いた中国人は、緑色のビンには黄金があると結論したのだ。
ワイン製造業コンサルタントのステファン・ツツジによると、ボルドー地方で、三番目の中国系会社がシャトーを買おうと嗅ぎ回っている。(後略)
[訳者のコメント]中国特派員のエドワード・コディー記者が書いた『ワシントン・ポスト』の7月26日の記事です。
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