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海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「雨とともに死がやってくる」と題する『ツァイト・オンライン』の記事。

2010年07月30日 | 健康
かなり多くの人たちは話をしている最中に椅子から落ちて死んだ。三十年前から起こっている。残酷な規則正しさで、いつも6月から8月の雨季に中国雲南省では突然死がしばしばおこる。はっきりした原因なしに心臓が停止するのだ。1978年以来、標高1,800メートルから2,400メートルのところにある雲南省北部で、400名以上ん人間が奇妙な病気の犠牲になっている。他の地域では、雨季の始まりは喜びをもたらすのに、それは雲南省の住民を不安に陥れる。「雨季の初めには、われわれはだれが今年は最初に死ぬかと問うのだ。次はだれかと」と大理から車で一時間のところにあるワンジアチュン村の医者であるリウ・グアンフイは言う。
何年間も科学者たちは、謎めいた死の原因は何かと探究したが無駄だった。死は一見偶然に起こる。
死者は子供であったり大人であったり、高齢者であったりする。男もいれば女もいる。突然死に先立って、気分が悪くなったり、めまいがしたり、心臓の鼓動が激しくなったりする。別の事例では、突然やってくる。解剖してもはっきりした結果は得られない。間もなく、この説明できない病気は、国際的に「雲南突然死症候群」という独特の名称を持った。
最近数人の科学者は原因を見出したと確信している。原因は、簡単に腐る茸の「小白」だそうだ。それはこの地域では特に雨季に土着の人たちが食べる。
確かにこの病気が特定の地域に限られていること、それが気候上の条件に依存していることに関して、環境的要因が考えられてきた。すでに2002年に、この地域の保健所のリストには、死亡の可能な原因として毒キノコが考えられていた。研究に参加した米国保健省のロバート・フォンテーンは「このような毒キノコが原因だと予測された。(後略)
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「香辛料を効かせて焼いた肉に、膀胱ガンの原因の疑いあり」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2010年04月21日 | 健康
 牛や豚や羊のような哺乳類の赤肉は、少なくとも大量に摂取するとあまり健康に良くない。このことは、少し前から医師たちには分かっていた。新しい研究は、そのことを改めて裏書している。それは、肉食の楽しみが膀胱ガンと関係があると考えている。白肉も問題がなくはない。
 具体的に言うと、一定の条件の下で膀胱ガンのリスクを高めるかもしれない焼肉が問題なのだ。膀胱ガンの原因となるのは、いわゆる「ヘテロサイクリク芳香族アミノ酸」(HAA)と呼ばれる化学的結合である。それは、摂氏220度以下で筋肉を炙った際に合成される。それから、アミノ酸は、本来筋肉にエネルギーを供給する有機酸であるクレアチンと反応する。高周波を使って煮たり、蒸したり、弱火で煮上げる際には、これまで、大腸ガンと関係があるとされたこの物質は生じない。
 テキサス大学のリン・ジエは、同僚と一緒に、膀胱ガンに罹った884人の患者と健康な人878人を診察した。彼らの12年間の研究を、研究者達は、現在開催中の「米国ガン研究学会」の年次大会で紹介した。
 研究者達は、食習慣を国際的な標準質問項目によって記録し、その際、年齢・性別・人種を考慮した。研究の対象となった人々は、彼らの食肉消費の量に従って、四つのグループに分類された。研究者達は、料理の仕方も研究し、最も重要な三つのHAAの量がどれぐらい生じるかを調べた。
 赤肉の消費がもっとも多かったグループでは、めったに赤肉を食べない人たちの場合よりも、膀胱ガンになるリスクが50%以上多かった。特に、ステーキ・カツレツ・炒めたベーコンの摂取では、危険であることが分かった。だが、鳥と魚の香辛料をつけて焼いた白身の肉でも、腫瘍患者の数を増やした。
 そのほか、肉を焼く時間の程度も重要な判定基準であることがわかった。半焼けの肉を好む被験者が膀胱ガンに罹る確率は、そうでない人たちの半分だった。それゆえ、ミディアムに焼かれた牛肉は、完全に火の通ったステーキよりも望ましい。科学者達は、この病気が特定の遺伝子的に条件付けられた新陳代謝のシステムを持っている人達に多発することを証明した。
 「私達の研究は、食事とガンとの間に関係があることを証明しています」とこの研究の共同筆者であるウー・シーフェンは言う。「香辛料をたっぷり使って炙ったり、フライにしたり、グリルされた赤肉を食べる人においては、膀胱ガンの確率は増大します。」科学者達は、次には、環境・食事・遺伝のようなファクターを考慮したガンの個人的リスクに対する予言モデルを作り上げようとしている。
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「レスラー厚生相、展望のない闘争に突入」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2010年03月14日 | 健康
製薬会社は、自分達にはチャンスがなかったなどと言うべきではない。4つの団体を相前後してレスラー厚生相は厚生省に招いた。彼らはどうしたら、医薬品費用に介入できるかについて提案するよう要請された。だが、結局は厚生大臣は満足しなかった。
「医薬品製造業者」(VFA)と「製薬業連合会」(BPI)が彼に提示した案が彼にとって「十分広範囲ではない」ことが分かった。彼は「医薬品製造者連合会」(BAH)の考えの中に「説得力のある長所」認めることができなかった。
「プロ・ジェネリカ」も説得力のある構想を与えなかった。この業界にとって唯一の慰めは、健康保険組合の提案でさえ、薬品の価格を抑えるのに十分なだけ「成熟していなかった」ことである。
通常、このような評価は秘密にされている。評価が世間に知られるに到ったのは、偶然ではない。レスラー厚生相は、どうしても成功を収める必要があった。彼は製薬業界に対する戦いにおいて成功を収めるつもりである。厚生省の機関誌が世間に出た後で、良く打ち込まれたインタービューが続き、その中でレスラーは、「製薬業界の価格独占と打破」し、彼らが自分のルールに従って行動するまで、この業界を「鎖につなぐ」ということを告知した。
これまで弱いと思われるほど遠慮していた大臣にしては強力な言葉である。レスラーは、製薬業の巨人に反対し、7千万人の健康保険加入者の味方である。これは最初の力比べである。彼はこれまで「政治的指導」について語ってきた。今度は彼はそれを示さねばならない。そして、「社会政策」と自由党の自由な「秩序政策」とが一致することを証明しなければならない。(以下省略)
(訳者のコメント)これまでドイツの「自由民主党」の選挙を支えてきた製薬業界を敵に回すとどういうことになるか、ドイツの新聞は、成り行きを興味津々で見守っているようです。
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「自閉症にはホルモンが効くそうだ」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事

2010年02月16日 | 健康
リヨン大学の脳科学者は、13人の自閉症患者にオキシトシン鼻スプレーをした。それから、彼らはコンピュータ・ゲームを使って、彼らの社会的行動を調べ、表情が患者に与える影響を調べた。
オキシトシンを与えられた被験者は、バーチャルな参加者をより詳しく観察するということが明らかになったと[PNAS]のアンジェラ・シリギュの周りの研究者は言う。
自閉症患者にとっては、典型的に、他の人間とコミュニケーションし、他人の目をみて、身振りを理解するのが困難である。フランスの神経科学者は、13人の成人した自閉症患者にオキシトシン鼻スプレーを施した。それから、彼らはコンピューター・ゲームを利用して、患者の社会行動を観察し、表情が患者にどんな影響を与えるかを観察した。
その結果、オキシトシンを与えられた被験者は、バーチャルな参加者をより詳しく観察した。彼らの研究報告を研究者達は、「米国科学アカデミー」の機関誌に公表した。
自閉症の発症は、長い間解明されなかった。一連の発生的神経生物学的因子がある役割を演じており、特にオキシトシンがある役割を演じている。これは、俗に「まつわりホルモン」と呼ばれている。それは、たとえば、母親と新生児との間の信頼や結びつきや、成人の性的活動に影響しており、ストレスを緩和する役割を演じる。
この研究では、知能が正常か平均以上に発達した人の自閉症が扱われている。鼻スプレーによってオキシトシンが与えられた後、参加者達は、コンピューターでのボール投げを三人のバーチャルな相手と演じた。三人のコンピューター・キャラクターは、しばしば、患者にボールを投げ返した。
研究者達は、患者が「良い」相手に決めるかどうか、つまり、彼らに最もしばしばボールを投げる相手に決めるかどうかを見出すように命じられた。オキシトシンを受けた患者は、実際に、「良い」ボール遊びの相手に注意を向け、この相手に対して他の相手よりもしばしばボールを投げ返した。彼ら自身の陳述によれば、彼らはその相手により多くの信頼を寄せたそうだ。オキシトシンを与えられなかった患者は、この区別ができなかった。
第二のテストでは、患者は顔の表情に注意を注いだ。彼らはそれが男性の表情か女性の表情かを言うように言われた。オキシトシンを与えられた患者は、表情により長く注意を注ぎ、その際、陳述に寄れば、余り不快を感じなかった。発達障害を持たない人間と比べると、彼らの視線は明らかに相手の目に注がれる時間が短かった。
社会的行動は、総じてかなり違いがあったと研究者達は報告している。
ホルモンの投与を正確に吟味するためには、オキシトシンの規則的な投与についてのこれ以上の研究が必要であると研究者達は述べている。
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「昏睡患者は、23年間、意識があった」と題する『シュピーゲル』誌の記事。

2009年11月22日 | 健康
ハンブルク発:「あなたは、どのように過去20年あまりを過ごしてきたのか」と聞かれると、ロム・ホウベンは、「私はずっと夢を見て過ごしたのだ」と言う。『シュピーゲル』誌の情報によると、この46才の男は、23年間、間違って昏睡患者だと見なされてきた。しかし、彼は殆ど完全に意識があったのだ。
 ベルギーのゾルダーの医師と看護師たちは、この患者に希望のない事例だというレッテルを張った。この格闘技の選手で技術系の学生だったベルギー人は、1983年に重大な自動車事故の後で、意識のある昏睡状態に陥った。
 リュティッヒ大学の新しい診察によって、初めて、ホウベンが実際はこの23年の間、ただ麻痺していただけだということが明らかになった。断層写真の撮影は、彼の大脳が殆ど完全に機能できる状態であることを明らかにした。
 その間、この患者は、特殊なキーボードのついたコンピューターの助けを借りて、自分の言いたいことを伝えることができる。事故の後、目が覚めると、自分の体がもはや言うことを聞かなくなっていたと彼は報告している。「私は叫んだが、声にならなかった。」看護師や医師がどのように自分に語りかけているか、そして結局彼らが一切の希望を放棄してしまったかが分かった。
 そう言うわけで、思考の中で、過去やもっと良かった時代に逃避する可能性しか彼には残されていなかった。「彼らが僕を発見した日を僕は決して忘れない。それは僕の二度目の誕生だった」とホウベンは書いている。
 ホウベンの新しい診断を指導した神経科医のスチーブン・ローリースは、この夏、ある研究報告書を公表したが、それによると、覚醒昏睡患者は、しばしば、間違った診断をされている。僅かに植物状態と決めつけられた症例のうちの40%において、注意深く検査を行うとまだ、意識の残りが証明可能である。これらの患者は、話しかけることが可能である。治療がよければ、明らかな進歩が得られる。原因は、診断のいい加減さではない。すべての異議のある症例において、診断した医師は、自分の診断の正しさを確信している。
 しかし、この神経科の医師は、長年の間違った治療をどうして解明したのか。どうして、医師や看護師たちは、このような状況に間違った診断を下し得たのか。ローリースは、システムに一つの間違いがあると信じている。「一度『意識がない』と刻印を押されると、その診断を覆すのは非常に困難です。」
 ドイツでは、毎年、10万人が重度の頭蓋損傷と脳損傷に罹っている。2万人近くが、その後、三週間以上昏睡状態にある。彼らのうちのかなり多くの人は死亡し、他の人たちは、健康になる。だが、推定3千人から5千人の人間は、中間状態に捉えられたままである。彼らは二度と意識を取り戻すことなく、生き続ける。
[訳者の感想]言葉で反応できなくても意識が働いていることは、脳のMRIか何かで分かると思っていました。一度、下した診断を撤回するのは、医師にとっては、難しいようです。
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「母体の中の虐待」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2009年09月12日 | 健康
ハイデとリザは、双子として通る。彼女らは、茶色い髪をなびかせており、青灰色の目をし、身長は1.6メーターである。
だが、その他の点では、彼女らには共通点は少ない。ハイデは、19才で、リザは、20才。血縁関係はなく、偶然にいっしょに育てられた。どちらも、生後数週間後にヴェストファーレン州のゾーストに住むある夫婦に養女として引き取られた。
マリア(56)とゲルハルト(58)とは、姓を明かされることを拒んでいるが、自分たちの子供ができなかった。二人の養女が来たことで、一つの夢が叶えられたように見えた。「やっと家族を持てたわ」とマリアは言う。彼女は、200平米の大きな自分の家で家計を切り回し、ゲルハルトは、機械工学教授として働いた。
姉のリザは、初めからすくすくと成長し、大学入学資格を取り、医学の勉強を始めた。
これに対して、ハイデは、全く違っていた。「彼女は神経質な赤ん坊で、幼稚園で既に躓いたわ」と母親は言う。「ハイデは落ち着きがなく、騒がしかった。」ティーンエイジャーの時には、授業には殆ど出席しなかったわ。学校をさぼり、ときどきパンク仲間と駅の周辺をうろついた。
現在、彼女は、障害児のための特別学校に通っている。何かが気に入らないと、簡単に、暴れる。「おまえなんか馬鹿だ!」と父親を怒鳴りつけ、母親を「馬鹿×××」と叱る。
彼女の振る舞いは両親を絶望させた。彼らはリザと全く同じようにハイデも受けれなかただろうか?確かにリザと同様、ハイデも、難しい家庭事情を背景に持っていた。だからこそ、彼らは養子に出されたのだ。しかし、同時に、児童相談所のワーカーは、乳児にはどこも具合の悪いところはないと言った。
だが、何年もセラピストからセラピストへと渡り歩いた末、両親は、当時の陳述を疑う理由があった。ハイデは明らかに重大な傷害を抱えてこの世に生まれてきたのだ。彼女の生みの母親の体内で、彼女の大脳は、アルコールによって傷つけられたのだ。二年前にある医者は、「胎胚性アルコール症」だと診断を下した。
赤ん坊を速やかに仲立ちすることが大事だったので、所管のゼーストの児童相談所のワーカーは、真相の全部を語らなかったのだ。ハイデが生まれた1ヶ月後の1989年12月に、事後処理係は、ある内部書類に、ひどいアルコールの問題があると書き込んでいた。実母は、受胎後4週間経って初めて妊娠を確認し、「毎日酔っぱらっていた」と述べた。そえゆえ、アイケルボルンの州立病院への入院が命じられたのだった。
この危険な書き込みについて、養父母は、当時一言も聞かなかったとマリアとゲルハルトは言う。彼らがいろいろと調査した後で初めてこの事情が分かった。しかし、そのとき既にハイデは、17才になっていた。児童相談所の責任ある事務担当者は、先週、『シュピーゲル』に対してこの件に関して発言したくないと述べた。
「私たちはだまされたのです」と髭を蓄えたゲルハルトは過去を振り返って言う。「責任者が私たちにこの子供には精神的な傷害があると正直に言っていたら、私たちはあの子を養女にはしなかったのに」とマリアは言う。(後略)
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「ノルトライン=ヴェストファーレン州、夏休みの延長を考慮」と題する『ツァイト・オンライン』の記事。

2009年08月05日 | 健康
本来は、8月17日にノルトライン=ヴェストファーレン州では、新学期が始まる予定だった。しかし、場合によっては、生徒たちはしばらく在宅しなければならない。なぜならば、この州は、豚インフルのせいで、学校の夏期休暇を延長することを考慮中である。WHOは、病気のこれ以上の蔓延を停めるために、こうすることを提案していた。これまで、世界中で、700人が「アメリカ風邪」で死んでいる。
ノルトライン=ヴェストファーレン州では、週末までに、2,827人の発病者が数えられたが、これは他のどの州よりも多い。この感染でドイツで死亡した人はまだ誰もいない。授業が今週木曜日に始まる連邦諸州からの認識がある場合には、ノルトライン=ヴェストファーレン州でも最終的に決定するだろう。ブレーメン、ニーダーザクセン、チューリンゲン、ザクセン=アンハルトは、学期開始を遅らすことに反対する決定を行ったが、豚インフルがほとんど増えないだろうと期待している。
最初の4つの州の学期初めは、ノルトライン=ヴェストファーレン州にとってテスト・ケースであり、その開始後に決定が下されるだろうと保健省の報道官は『ツァイト・オンライン』に語った。パンデミックが急速に拡大するということが分かれば、ノルトライン=ヴェストファーレン州では、休暇延長を考慮するだろう。
H1N1の症例の増加が防がれるかどうかは、専門家委員会も解明する必要があると言っている。科学者と実務家と公共衛生機関からなるチームは、来週、火曜日に対応する提言を行う予定だ。
ノルトライン=ヴェストファーレン州の教員組合は、特に予測が、秋以降の症例増加を予測しているから、より長い休暇は「現在のところ強制的ではないと見なしている。組合の議長であるアンドレアス・マイヤーラウバーは、学校を閉鎖する代わりに、予防注射が入手可能になるや否や、すべての教員に対して、免疫接種をするように要求した。それ以外に、学校内の衛生状態が改善されねばならないと述べた。「児童が学校で石鹸で手を洗うということは、だいぶ前から励行されていない」とマイヤーラウバーは。『ツァイト・オンライン』に語った。
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「ガンは、知性の代価」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年06月25日 | 健康
人間とサルを生物学的に区別するいくつかの事柄のなかに、サルはほとんど決してガンに罹らないという事実がある。類人猿のたかだか、2%だけが、ガンになった。人間の場合、五人に一人はガンが死亡原因である。なぜそうなのか?科学はこの理由をかなり以前から知っている。人間がガンに罹りやすいのは、人間がサルよりも高度に発達したからである。言い換えると、サルより悧巧だからだ。
もっとも、容易に思いつく帰結に対して、米国の生物学者たちは一つの待ったをかけている。つまり、人間におけるガンリスクは、いかなる場合も、悧巧でれあればあるほど、ガンに罹りやすいという規則には従っていないからである。そうではなくて、事態は、人間における非常に発達した細胞構造とつながりがある。
米国の生物学者たちは、人間とチンパンジーにおけるいろいろな遺伝子の働きを比較した結果、人類は彼らの知性に対して高い代価を払っていると考えている。彼らのテーゼによると、身体を構成する細胞の持っている自己破壊のメカニズムが進化の過程で、人間の場合、途中で止まってしまった。その結果、一方では、人間の脳は、これほど遠慮なく発達し、ネットを展開し、それまで生物学的には不可能だった結合を可能にした。しかし、他方で、止め処ない細胞の増殖が可能になった。ある細胞が悪性になった場合、それを止めることは、自然な細胞の自殺プログラムの厳格なコントロールの下では可能であるよりもずっと難しい。このテーゼは、実際、証明することは難しいとアトランタにあるジョージア工科大学のジョン・マクドナルドと彼の同僚たちは、書いている。にも関わらず、そのテーゼが依存している生物学的事実が存在する。
人間とチンパンジーの脳にあるどの遺伝子がそれどほど強力に活動しているかを研究者たちは比較した。その結果次のことが分かった。活動は、特に「アポプトーシス」の操作に責任がある遺伝子領域に違いがあることが分かった。「アポプトーシス」というのは、ギリシャ語に起源のある言葉で、「プログラム化された死」と訳されている。イメージを使って、一つの細胞の自殺について語ることが出来る。それは隣接した細胞にも伝染する。この自己破壊プログラムは古い細胞を片付けるのに役立っている。たとえば、妊娠後の胎胞や病的に増殖する細胞を破壊する場合がそうである。人間においては、この自殺プログラムの機能が、チンパンジーにおけるよりも働いていないことが確認された。大脳だけでなく、他の器官、たとえば睾丸、心臓、腎臓、肝臓でもそうである。
おそらく人間の進化の過程のどこかで、脳細胞において自己破壊プログラムが減退することは、長所であることが分かったのだろう。より少ない細胞が破壊され、大脳の質量はどんどん増えた。だが増えたのは良い細胞だけでなく、悪い細胞も増えた。これに対して、チンパンジーにおいては、細胞の自殺プログラムは常に機能し続けた。そのために、彼らの脳には明らかに限界が置かれたのだ。(後略)
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「より少ない母親がより多くの子供を産んでいる」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年05月07日 | 健康
より少ないは、ときどき、より多い。2008年には、新生児の数は、前年に比べて減少した。だが、同じ年度に母親になる可能性のある女性の人口も、2007年よりは少なかった。それは、ドイツ女性が子供を産むのを好んでいることを意味している。
この結果を引き出したのは、「人口と発展のためのベルリン研究所」の報告書である。1955年と1965年の間に生まれたいわゆるベビーブーマーは、次第に、子供ができる年齢を過ぎており、したがって子供を産む可能性のある母親の数は減少している。だがそれらの潜在的な母親がもっと子供を産みたいと思っている事実は、家族政策と関係があると報告書は述べている。
補助金と父親の育児休暇とは、都市とドイツ東部では積極的な影響を与えている。これに対して、このような影響は、農村部とドイツ西部では確認できない。そこでは世話をする機会が欠けているので、多くの女性は、家で育児にいそしむよりは、職業生活をする方を好んでいる。それゆえ、女性一人あたりの子供の数は、減少している。「特に、農村地域が高い出産率を、都市部が低い出産率を示した時期は、終わりつつあるように見える」と報告書の著者は述べている。
「農村部で家族計画を転換するにはある困難がある」とウルズラ・フォン・デア・ライエン家庭相は『ヴェルト・オンライン』に述べた。彼女によると、農村では、日中の保育の要求が特に大きい。「だが、保母が3万人不足している。」
フォン・デア・ライエン家庭相は、西部と東部との間の比較についての報告を注目すべきだと思っている。ベルリンの壁の崩壊後,20年経って、東独は、出産統計で遅れを取り戻した。ドイツ統一後、新しい州は、人口上のショックを経験し、1994年には、女性一人あたりの子供の数は、0.77人に減少した。2007年には、女性一人あたりの子供の数は、1.37人となって、東部と西部の間の格差がなくなった。
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「ガンに対する戦いの新たな手段を開発」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年08月15日 | 健康
 身体に固有のガン防御における困難な点は、免疫組織のもつキラー細胞が、ガン細胞をそれとして認識しないか、あるいは、ガン細胞にとりつかれた組織にまで到達できないことである。そうすると、転移は広がり、腫瘍は更に増殖する。
 それゆえ、ガン研究者達は免疫細胞をガンに対して「鋭敏に」しようと試みている。彼らは、キラー細胞を特に悪化した細胞に対して向かうように、身体に固有の防御を操作しようとしている。科学雑誌『サイエンス』の中で、ヴユルツブルク大学のラルフ・バルゴウを中心とする研究者たちは、リンパ腫瘍患者の治療で大きな成功を収めたと報告している。その治療手段は、特殊な抗体である。
この特殊な抗体は、ミュンヒェン大学の研究者であるゲルト・リートミュラーが10年前に既に実現した夢である。当時、彼は一つではなくて二つの抗体を認識できるように遺伝子技術的に樹状細胞を作成することに成功した。通常、抗体は、その短いY字型の二つの腕で一種のパートナーと結びつく。だが、非対称的分子は、二つの異なるパートナーを結びつけることができる。「こうして、それらは橋を作る。われわれの抗体「ブリナツモマブ」の場合には、非対称的分子は、事実上、その一本の腕でリンパ腫瘍の細胞を固定し、もう一つの腕でキラー細胞を捕まえる。こうして、キラー細胞は、ガン細胞を自分の近くへ引き寄せる。そして、ガン細胞に有毒な内容を直接注入することができるのだ。」これはガン細胞の死を意味する。
少量の抗体で十分だと研究者達は強調する。「在来の抗体治療法よりも、1万分の一の量で足りる」とリートミュラーは言う。重要なことは、これらの抗体があらゆるキラー細胞を活性化できることである。抗体は、一つの一般的なキラー細胞のボタンを押す。「われわれは将来、乳ガンや前立腺ガンに罹っている患者をも助けることができるだろう。」これらのガンは、骨髄に散らばる。そしてここで新しい抗体は効力を発揮する。
ガンに対する戦いにおいて、患者の免疫システムを投入するというアイデアは、それほど新しくはない。この研究の父であるスチーブン・ローゼンバーグは、現在、ベテスダの「国立衛生研究所」で働いている。この腫瘍学者は、治療なしに不治の胃ガンを克服したある患者と知り合いになった40年前にすでにこのアイデアを持っていた。
1990年代に、ローゼンバーグは、致命的な黒色腫に罹った何人かの患者を単純な抗体療法で治療することができた。ドイツでも、卵管ガンの治療の際、幾つかの成功例があった。特殊抗体による成功例は、これまで、38人しかないけれども、それは身体に固有なガン治療にとって新たな時代を導入しつつあるように見える。
[訳者の感想]日本では、免疫療法学会もありますが、ガンの治療法としてはあまり高い評価を受けていないように見えます。これまで、治癒率が高くないせいでしょうか。
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「奇妙な痴呆症が医師達を不安にしている」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年07月10日 | 健康
ZOJIRUSHI 珈琲通 コーヒーメーカー ハーブブラウン EC-TB40-TD

象印

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「この病気は何年も前からそれと認識されずに存在していると私は思う」とクリーブランドにあるケース・ウェスタン・リザーブ大学の神経病理学者ピエールルイジ・ガンベッティは科学雑誌『ニュー・サイエンティスト』に述べた。初期の症例は、普通の痴呆症だと診断された可能性がある。
これまで、新しい病気の全部で16件の症例が知られた。その症候は「クロイツフェルト・ヤコブ病」(CJK)を思い出させる。もっとも、幾つかの特徴は、これまで知られたCJKの経過に当てはまらない。これらの症例のうち、11の症例を、ガンベッティのグループは、『神経学雑誌』(第63卷、697ページ)において、記述した。「これは氷山の一角かもしれない」とガンベッティは言う。
新しい痴呆症の正確な原因と可能な感染経路については、不明である。けれども、プリオンが一役買っている退行性の神経疾患が問題であることは確からしい。というわけは、CJKの患者と同様、死亡した患者の大脳で小さな穴の開いた海綿状の領域が見いだされる。
プリオンは、タンパク質の一種で、それが脳の組織に集まると神経のゆっくりした破壊の原因となる。
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「医師たちは治療費を配分しようとしている」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年05月19日 | 健康
ディスカバリーチャンネル CGで甦る王家の谷

角川書店

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ドイツの健康保険制度は具合が悪い。健康保険組合には金がない。患者には、私的な健康保険をかけている人と公的な健康保険をかけている人との格差社会が迫っている。「だが、状況はもっと悪くなろうとしている」と「連邦医師会」の会長ホッペは心配し、健康保険制度を維持するために、医療行為の配分を要求した。
ヴェルト紙:ホッペさん、「医師たちは、わずかに配分医療の執行者にすぎない」とおっしゃいましたね。あなたは、なぜそんなに機嫌が悪いのですか?
ホッペ:それはわれわれが自分の職業を実行する際の枠条件のせいです。医師と患者の最善の関係が問題なのではなく、ものすごい官僚制と戦っているのです。
ヴェルト紙:いったい「枠条件」という言葉であなたはどんなことを意味しているのですか?
ホッペ:健康保険組合と政治とはたくさんの規則を作成しました。それは医師たちに治療する際に何をすべきか、患者はどのように振る舞うべきかについての規則です。ほとんどすべての逸脱は経済的な制裁を受けるから、ほとんど活動の余地はありません。
ヴェルト紙:医師たちが幸福になるためには、どうしなければいけないのですか?
ホッペ:この規則医学は、もっと少なくならなければなりません。医師たちは、患者が特定の治療は受けられない場合に、それを言わなければならないという役割から解放されねばなりません。
ヴェルト紙:それでは、誰がそれを患者に宣言したらいいのですか?
ホッペ:それはもっと高いところで決定され、公的に議論されなければいけません。保険組合が特定の治療行為をもはや支払えないということが知られた場合、そのことは、患者が医者は自分たちに薬剤を出すのを拒んだという印象を持つ場合とは別の性質をもっています。
ヴェルト紙:このより高度の場所とは、あなたが提案したところでは、「健康保険評議会」であるべきだということですね。それは結局新たな官僚制ではありませんか?
ホッペ:われわれには、たくさんの「専門家評議会」があります。
ヴェルト紙:その通りです。
ホッペ:私たちはその代わりに、「専門家委員会」を要求しているのです。そこでは、事実上病気の世話をしている医師と法律家と経済学者と倫理学者が審議するのです。この審議会は政治家たちに、どの患者が医療行為を受けるべきかについて推薦してほしいのです。
ヴェルト紙:つまり、どの治療が必要で意味があるか、どの治療は患者に対して補助金が支払われるべきでないかが問題なのですね。
ホッペ:そうです。厳格な支出制限のために、もはやすべての人に対してすべてが支払われなくなっています。つまり、治療行為の配分という形式が不可避であるということです。だが、この配分は透明でなければなりません。それは治療している医者によって決定されるべきではないのです。
ホッペ:これまでは、あなたはいつも配分には反対でした。どうして意見が変わったのですか?(以下略)
[訳者の感想]いったいどんな基準で治療を施したり拒んだりするのでしょうか?たぶん後期高齢者は、高い治療費が自己負担できない場合には、特定の治療は受けられなということになりそうです。日本でもそのうちこのような議論が始まるものと予想されます。
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「科学者たちは、ガンに効く注射に成功」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2008年01月29日 | 健康
ガンダム無双 スペシャル

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癌腫瘍に対する免疫システムの戦いには、勝利と敗北があるだけではない。時には、免疫抵抗は、腫瘍が長期に静止状態に止まるように作用する。いわば、腫瘍は眠っているのだ。このことを、アメリカとオーストラリアの研究者たちは、初めて動物実験で証明した。免疫の抵抗力が、--それは年齢・病気・ストレスによって条件付けられているが、--衰えると、休眠状態をやめる。すると、これまで認識されなかった休止状態の腫瘍が目を覚まし始める。
もっとも、どのようにして、免疫システムが腫瘍を食い止めるかは、明らかではない。これらのメカニズムが解明されれば、癌疾病をコントロール可能な周期的な病気に転換する免疫療法を考えることは可能だろうと、イギリスの科学雑誌『ネイチュア』のなかで数人の医学者は書いている。
「よく機能する免疫システムというのは、いくつかの癌の増殖を妨げる重要なファクターである」とメルボルン大学のマーク・スミスは言う。ワシントン大学のロバート・シュライバーや他の同僚たちと一緒に、彼はハツカネズミに腫瘍を起こさせたが、それは免疫の防衛で完全には破壊されなかったが、成長を食い止められた。そのために、科学者たちは、その動物をわずかな量の発ガン物質で処理した。
ハツカネズミの一部では、注射箇所に癌細胞が形成されたが、それ以上は広がらなかった。免疫システムの部分を意図的に弱めることによって、腫瘍は大きくなった。特に、Tリンパ細胞のような、免疫システムのもつ特定の細胞やメッセンジャー物質のインターフェロン・ガンマや、インターロイキン12は、腫瘍増殖の阻止に役立った。
癌細胞が健康な細胞と非常に異なる場合は、それらは、免疫抵抗によって攻撃され、破壊された。健康な細胞に似ている癌細胞は、認識されず、非常に増殖することができた。第三の可能性においては、免疫システムは、癌細胞を認識するが、それが新たに発生する程度に破壊する。免疫抵抗が、ある腫瘍を休止状態に移行させることができるということが癌増殖が突然静止し、何年も持続するという症例を説明する。
免疫力が弱った患者における腫瘍の形成は、これまでに存在した不活発で認識されない腫瘍が突然、増殖を始めたことに原因がある。さらなる研究は、科学者に新しい形の免疫療法を開発することを可能にするだろう。それによって、癌が完全には除去されない場合でも、長期間、病気から解放された生活が可能になるかもしれない。(後略)
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「食物は、ガンのリスクにどの程度影響するか」と題する『シュピーゲル』誌の記事。

2007年04月26日 | 健康
ポツダム発:アルコールの飲み過ぎは、女性の場合、乳ガンのリスクを高める。果物や野菜を食べると、肺ガンの発病を減らす。前立腺腫瘍のリスクや、胃ガンあるいは腎臓ガンに対して緑色野菜は、明らかに影響しない。
 このような連関をヨーロッパのEPIC(ガンと食事とについてのヨーロッパ研究)の研究者は追跡している。1992年以来、10ヶ国の23の研究センターにおいて、52万人が検査された。そのうち約10分の1がドイツ人の被検査者である。
今日、EPICの研究者達は、生活習慣と特定のガンの種類との多数の様相についての中間結果を発表した。
 体重がありすぎることは、かなり多くのガンの種類に対するリスクを増やす可能性があるとEPICの研究者達は報告している。そういうわけで、女性の場合、過度の体重と腎臓ガンの間には、ある連関がある。その場合、男性と女性の両方で、大腸ガンのリスクが高くなる。
食事とガンの関係の表
1)果物や野菜の摂取:上部消化器官のガンと肺ガンのリスクを下げるが、乳ガン、前立腺ガン、白血病への影響は証明されない。
2)繊維質の摂取:大腸ガンのリスクを下げる。
3)赤身の肉と肉製品の摂取:胃ガンと腸ガンのリスクを高める。
4)ビタミンCの血中含有量:胃ガンのリスクを下げる。
5)魚類をしばしば食べる:大腸ガンのリスクを下げるが、乳ガンのリスクを下げるかどうかは確認できない。
6)大量のアルコール摂取:乳ガンのリスクを少し高める。
 栄養学者の結果は、健康を意識した現代人の多くにとっては、バランスのとれた食事が良いとする忠告を裏書きしている。そういうわけで、この研究報告の著者達は、肉の消費を減らすように忠告している。というわけは、赤身の肉と肉製品の消費は、胃ガンと大腸ガンのリスクを増やす。果物と野菜とは、いずれの場合も、もっと健康に良い。更に繊維質を摂ることによって、ガン発病の危険が下がる。「繊維質を摂る場合、ライ麦から作られた黒パンは、無視できない」とポツダムの研究者ハンス・ゲオルク・ヨーストは言う。なぜならば、黒パンには最も多くの繊維質が含まれているからである。
 更に、健康に注意している人たちが、そのことは先刻ご承知であると言うかもしれないが、繊維質は身体の活動を健康に保つし、いずれにしても、大腸ガンのリスクを少なくする。
[訳者の感想]EPICの報告書は、これまでの主張をほぼ裏書きしているようです。
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「ビタミンは、死のリスクを増やしている」と題する『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙の記事。

2007年02月28日 | 健康
 病気を予防することを意図している人気のあるビタミンのサプリメントは、実際は死のリスクを増やすかもしれないということを画期的な国際的研究が見出した。
ビタミンAは、サプリメントについての68の試験検査で最悪の成果を示した。それは死のリスクを16%増やした。
 密接に関係する栄養剤のベータ・カロテンは、死のリスクを7%増やした。ビタミンEのサプリメントは、『アメリカ医学会雑誌』によると、死のリスクを4%増やした。
デンマークの研究者達は、ビタミンCは、長生きに何の効果もない。積極的効果も消極的効果もない。研究者達は、またセレニウム・ミネラルについて増大するリスクの疑いを晴らした。
 彼れらは、「西欧の成人の10%から20%は、病気を予防できる信じてサプリメントを飲んでいるとすると、「この公衆衛生の帰結は決定的である」と結論した。
検査は23万人以上の成人の死に対してベータ・カロテン、ビタミンA、E、Cが及ぼす影響を検査した。
 彼らはビタミンの使用と死との間に何ら顕著な繋がりがないことを見出した。
だが、分析された高い性質の結果は、ビタミンAとEとベータ・カロテンとを併用した場合、平均5%リスクが増大することを明らかにした。
 「補助的医学と研究のためのセンター」所属のオーストラリア人専門家ルイ・ヴィテタは、この結果は「非常に厄介だ」と言い、ビタミンが良い影響よりはむしろ悪い影響を与えるという証拠を強調した。
 「人々は自分自身を特別なリスクに曝すならば、疾病を予防できるという考えに基づいて何十億ドルものビタミン産業が存在する」とクイーンズランド大学のヴィテタ教授は言った。
 サプリメント製造業者は、これらの製品にはアンチ・オキシダント効果があり、特に疾病と結びついたいわゆる酸化ストレスに責任があるフリー・ラジカルの「メッセンジャー分子」を解体する効果があると主張している。
 だが、批判者は、そもそも酸化ストレスと言うものが存在するかどうか疑っている。この研究では、フリー・ラジカルを絶滅することは、生き延びることに関わる本質的な防衛機制を妨げると述べている。
 ヴィテタ教授は、もっと小さな研究は、ビタミンを大量服用した人たちは、最も高いリスクを持ったことを示しており、「非常に慎重な服用」を呼びかけた。
 彼は、ビタミンの服用についてもっと具体的な忠告を提供できる医師が必要だと述べた。
 「これらの結果が示しているのは、これがわれわれが更に注目すべき非常に関心のある領域であるということだ。」
 ビタミン産業の代表者を含む「補助的ヘルスケア会議」(CHC)は、結果は古いデータに基づいており、オーストラリアでは受け入れられていないビタミン服用量を認めたテストを含んでいると述べた。
 CHCの執行役員のトニー・ルイスは、この研究の主張についてはコメントしないが、「証拠は薄弱だ」と述べた。
 オレゴン州立大学のライナス・ポーリング研究所長のバルツ・フライは、研究と研究されたデータは、どちらも、欠陥があると言った。その理由は、検証された以前の調査の3分の2は、心臓疾患か、ガンか、あるいは他のリスクをもった人々で、彼らはサプリメントが効き目があるかどうか見るために治療をうけた人々を含んでいるからである。
「この種のアプローチはうまく行かない」と彼は言った。「数年の間に、これらの臨床的試みから、アンチ・オキシダントは、病気の治療では効果がないことが明らかになった。」
 サプリメント販売業者グループである「自然食品協会」は、この研究は、何らのリスクの増大も示さなかった大規模の臨床的研究とは非常に対立している」と述べた。
 協会の副会長であるダニエル・ファブリカントは、メタ・アナリシス研究と呼ばれる現存の研究の審査はしばしば効果があったが、この研究の場合は、過程に偏りがあったと述べた。「その理由は、死亡率に貢献する他の多くのファクターがあり、それは単純には評価されなかったからだ。」
[訳者の感想]サプリメントが命を伸ばすのに貢献せず、むしろリスクを増やしているという研究結果について、改めて研究者にテストをして貰いたいと思います。
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