海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「なぜマリの情勢はヨーロッパ人に何らかの関わりがあるのか」と題する"Die Welt"の記事。

2013年01月13日 | イスラム問題
イスラム過激派の反政府軍がマリの北部を占領して以来、マリの危機が先鋭化している。このような政権には限界がもうけられねばならない。フランスによってだけでなく。
「マリだって?アフリカのこんな人口密度の低い砂漠国家をどうしようと言うのかね。」手短に答えると、こうなる。「マリは、アフリカ大陸で、イスラム過激派の私兵によって乗っ取られ彼らの拡大の基地となる最初の国家になる。」
長い答えは次のようになる。もし西欧が、何もしなければ、これは始まりに過ぎない。いずれにせよ、フランス政府はそう考えるから、特殊部隊やヘリコプターや戦闘機を投入しているのだ。
その際、以前の植民地国家にとって6000人のフランス人の救出だけが問題なのではない。イスラム過激派を食い止め押し返すことが問題なのだ。米国政府も憂慮しながら、マリの事態を見守っている。おそらく、特殊部隊や武器弾薬や偵察結果に関して言えば、まもなく救援に来るだろう。
イスラム過激派民兵による恐怖政治
リビヤのカダフィ大佐に助力して敗北した傭兵たちは武装したままで南に逃れ、マリに逃げ込んだ。この侵入に対してマリ共和国政府は全く準備ができていなかった。
こうして、マリの北部はイスラム過激派民兵によって乗っ取られることになった。彼らは、20年前にアフガニスタンでタリバンが打ち立てたような恐怖政治を始めた。チンブクツにあった歴史的な場所や建物の破壊はその一部に過ぎない。異教徒を殺害する前に、記憶と時間と伝統とを破壊したのだ。
これはフランス政府だけの問題ではない。
このような政権は、その本性上限界を知らない。それらの破壊勢力は外からやって来た。それがアラブ・イスラムの世界から来たのでないとしたら、西欧は、自分自身の防衛を考えなければならない。
これらは決してフランス政府にとってだけの問題ではなく、ヨーロッパ・アメリカ・アフリカの問題である。これは遠い砂漠の国で起こった小さな危機ではない。ここでは、宣言のない長い戦争の中で、西欧の前線が打ち立てられる。これは西欧にとっては免れがたいものだ。フランス政府はあらゆる種類の救援を必要としている。ここではフランス兵はドイツのために戦っているのだ。
[感想]マリ共和国の出来事は、ドイツにとって無関係ではないとする、かなり挑発的な記事だと言えます。ソマリアは一時イスラム過激派に乗っ取られそうでしたが、最近は少しヨーロッパにとって好ましい状況になっているのでしょうか?
コメント
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