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海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「ある偶像の終焉--バイロイトの運営が危機に」と題する『ネット新聞』の記事。

2007年07月31日 | 人物
 老齢と衰える健康とは、ヴィルフガング・ワーグナーが、バイロイト祝祭劇場のある「緑の丘」の独裁者としてここ数十年間可能であったように、これまでの権力を近似的に発揮することを不可能にした。
 ある偉大な人物の時代は、2007年夏に情け容赦なく終わるのだ。この催しの大掛かりな経過以上に、このことを明らかにするものは何もない。この催しのアイドルは、これほど長くこれほど完全に疑問の余地がなかった。
 先週の金曜日、「バイロイト友の会」が、例年のように集まったとき、1953年に創設された忠実で財力のあるパトロンの会に一度も欠席したことのない人物がいなかった。それはヴォルフガング・ワーグナーである。
 彼の広報担当者が読み上げた欠席の理由、つまり、昨年の集会における立腹という理由付けには、「友の会」会長であるゲオルク・フォン・ヴァルデンフェルス従男爵でさえ、異議を申し立てた。バイロイトの事情にとっては、前代未聞の出来事だった。これまで、ヴォルフガング・ワーグナーは、開会公演で有名人訪問者を出迎える際、公式にはほんのわずかな時間しか姿をあらわさなかった。
 彼は、明らかに老衰してはいたが、感動するほど元気に、62才の妻グートルンと娘のカタリーナの間に立っていた。カタリーナは、『ニュルンベルクの職匠歌手』の舞台監督として新しい演出の責任を引き受けていた。だが、それは、あれほど長い間、祝祭劇場に常に現れ、この重要な文化的な出来事の争う余地のない権威であった男ではなかった。
後任の問題は、非常に差し迫っている。
 どれほど差し迫っているかは、2008年から2010年までの160万ユーロ(2億5600万円)に達する資金不足についての「友の会」の集まりでの議論が証明している。確かに、パトロン団体は、不足金額を支払う用意があると断言したが、名誉会長のエーヴァルト・ヒルガーは、「危険な状況」について語った。これは、作曲家ワーグナーの孫の時代にはなかったことだ。なぜなら、彼は、節約する財政家で疲れを知らぬ金策調達者という評判を得ていたからだ。
 その間、祝祭主催者は、「友の会」の批判を退けた。地方紙『バイエルン・クーリエ』の論説で、「それは明らかな経営の危機を招く」と書かれた。ヴォルフガング・ワーグナーただ一人が、祝祭劇主催者として終生はっきりした関係を考慮することができると述べた。だが、老人は、何が何でも29才の娘カタリーナを後継者としたがっている。(彼女は二度目の妻グートルンとの間にできた。)
 若い総監督は、これまで、「リヒャルト・ワーグナー財団」の24名の理事のお気に入りではなかった。だが、この理事会が、ヴォルフガング・ワーグナーの引退後、あるいは死後、将来の監督の地位を決定しなければならない。大量のメディア・キャンペーンでもって、ワーグナー夫妻は、娘のために道を開こうとした。カタリーナの『ニュルンベルクの職匠歌手』は、バイロイトの出来事の見物人の多くには、将来の劇場指揮のための唯一の求職票だった。
 しかし、まだ、ヴォルフガング・ワーグナーは生きているし、『ラインの黄金』の中で巨人のファゾルトが言う「契約は守れ」という言葉も財団理事会のメンバーにとっては、生きている。だが、8月30日に88才になるヴォルフガング・ワーグナーを守っている契約は、この数週間、彼にとっては重荷と呪いになるだろう。
[訳者の感想]バイロイト祝祭歌劇場の運営をめぐってヴォルフガング・ワーグナーと「ワーグナー財団」理事会とが対立しているようです。
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「参院選大敗北にもかかわらず、政権は継続」と題する『シュピーゲル』紙の記事。

2007年07月30日 | 日本の政治と経済
東京発:「私は、新しい国を作るために、改革を約束しました。この約束を守ることが私の責任です」安部総理は述べた。
 人々は改革政策に理解を示したと彼は言い張った。「しかし、批判は謙虚に受け止めなければなりません。」
 参議院での半数改選において、政権与党の自由民主党と連立党の公明党は、多数を失った。共同通信社によれば、安部は、選挙の失敗に対する反応として、まもなく内閣改造を行うつもりである。可能な場合、人員交代は、八月末に告知される。
 安部は、確かに、衆議院では、3分の2の多数を持っているが、専門家は、彼の政治的終わりは決定済みだと見なしている。野党に支配された参議院は、連立政権を困難にするだろう。なぜなら、参議院は、法案を阻止することができるからである。すると、日本は政治的な静止状態に陥るだろう。
 「だが、彼は終わりだ」と日本専門家のジェラルド・カーティス・コロンビア大学教授は言う。「もし彼が頭が良ければ、今晩のうちに辞任するだろう。」彼が長く政権を維持すればするほど、日本は政治的混乱に陥るだろうとカーティス教授は言う。過去においては、しばしば、総理大臣は、選挙の敗北のために、辞任した。しかし、自民党は、カリスマ的な小泉首相の辞任以来、成功しそうな候補者を出すことができない。
 参議院の242議席のうち、半数に当たる121議席が新たに決まった。深夜、12時に、自民党は40議席のうち、12議席は未決定であった。参議院での多数を維持するには、連立政権は、64議席を確保する必要があった。自民党の中川幹事長は、「私が経験した最もひどい選挙結果だ」と述べた。
 小沢一郎の率いる「日本民主党」は、これまでの30議席を60議席にのばした。小沢党首は、菅直人代表によると、一日、二日、休養しなければならないとのことである。小沢は、老練な戦略家だと思われているが、すでに長い間、健康問題と戦わなければならない。
 民主党代表の鳩山由紀夫は、昨晩、選挙は、「日本国民の不満がどれほど大きいかを示した」と述べた。
 安部政権は、2006年九月の組閣以来、一連のスキャンダルに揺すぶられた。何人かの閣僚が辞任し、農水相は、汚職により自殺した。しかし、最大の不祥事は、5000万件の年金払い込みの証拠が失われた、社会保険庁で起こった。


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がっかりした「小泉世代」と題する『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の記事。

2007年07月29日 | 日本の政治と経済
新聞の見出しで方向を見つけようとすると、安部晋三に対する政治的追悼文を書くことから始めなければならないだろう。ほとんどすべての世論研究者は、日曜日に行われる参議院議員選挙においてかなりの敗北を被るだろうと言っている。それと結びつくのは、彼の党が首相に退陣を迫るだろうという予想である。
しかし、関連する記事をもっと立ち入って読むと、世論研究者たちもそれほど自信を持っているわけではない。確かに、安部政権は、選挙民の大部分のところで、不人気である。しかし、潜在的な選挙民の大部分は、まだ、誰に一票を投じるか決めていないし、およそ選挙に出かけるかどうかも決めていないのだ。それゆえ、日曜までにはまだ多くのことが起こる可能性がある。
 他方で、与党の自由民主党には、ある神経質さがあることは見逃せない。そのことは、いくつかの事柄から明らかである。そういうわけで、塩崎官房長官は、自民党の敗北を喜ぶのは北朝鮮だろうと最近述べた。ついでに言うと、首相はいかなる場合も退陣しないだろう。これは自民党もそう見ている。この点ではしかし、他の意見もある。安部の後任は、麻生外相が挙げられているが、彼は当然、公式にはそんなんことは全く知らないと主張している。
 選挙の結果がどうなろうと、安部にとって、辞任しなければならないという必要性は、存在しない。なぜならば、彼はもう一つの国会のより強力な議院である衆議院によって選ばれたからである。衆議院では、彼はしっかりした多数派を持っている。自民党が、その連立与党の公明党とともに、参議院の121名の改選議員のうち、64名を手に入れれば、一切は元通りである。この場合には、連立与党は、参議院でも多数派を持つことになる。
 だが、そうなる可能性は少ない。安部の将来についての多くの意見では、44名というのは運命の数字である。つまり、自民党は、1998年に44議席を手に入れた。そのすぐ後、当時の橋本龍太郎首相は、辞職した。現在似たような結果が予想されている。ひょっとしたらもっと悪いかもしれない。
 皮肉なことに、安部は、国民の中でもっともしなければならない問題に対して責任がない。つまり、何十年も前にすでに、5000万人の年金保険金が間違って記載するという間違いが犯された。それは、年金支払者カードをコンピューターに転記する際に起こった。
この話が話題になったのは、今年の春である。安部政権は、一生懸命、事務員を動員しようとし、すべてが解明されるだろうと約束した。だが、それは、きわどい約束だといわねばなるまい。なぜならば、何十年も経って、保険金支払いの経過を厳密にたどることは、非常に困難であるからだ。
年金保険支払者たちは、本当に歯ぎしりした。だが、政治的な怒りが爆発し、怒りは安部に注がれた。彼は責任を引き受け、彼の前の何十代もの政府の怠慢のせいにはしなかった。そんなことをすれば、たぶん、彼にとってもっと具合は悪くなっただろう。なぜなら、自民党は、短い中断をのぞいて、50年以上も政権を握ってきたからである。(以下省略)
[訳者の感想]フランクフルター・アルゲマイネ紙のペーター・シュトルム記者の書いた記事です。かなり正確な記事だと思います。
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「すべてのタリバンがテロリストであるわけではない」と題する『ヴェルト・オン・ラインン』の記事。

2007年07月28日 | テロリズム
--外務省は、タリバンを「テロの儀式主催者」だと表現し、メディア戦争を仕掛けていると彼らを非難しました。このプロパガンダに対してどう対処したらいいですか?
ライナー・アルノールト:タリバンがメディア戦争を仕掛けているということは、誰も否定できません。私たちは、勿論それに対して怯えたり、私たちの(アフガニスタンでの)介入をその都度議論したりするという誤りを犯してはなりません。そんなことをすれば、タリバンの思うつぼです。だが、重要なことは、すべてのタリバンがテロリストではあるわけではないということです。私たちはもっと細かい議論をすべきです。タリバンは、原理主義的なイスラム至上主義信奉者ですが、彼らは必然的に戦闘的であるわけではありません。
--昨日、その遺骸がドイツへ輸送された技術者は、アフガンニスタンの復興に参加していました。あそこでは、まだおよそ意味のある開発援助をすることができるのでしょうか?
アルノールト:北部地域では、できます。南部では事態は、すでにずっと複雑です。あそこでは、あらゆる再建の仕事は、安定化の要素とかみ合わなければなりません。
--フランク・ヴァルター・シュタインマイヤーは、ドイツ連邦は派遣軍の人数を増やすべきだと主張しましたが、それは正しいのでしょうか?
アルノールト:単純に「もっと増やせ」というのは、挑戦に対して正しくはないでしょう。私たちは、何がなされなければならないかについて、目下、かなり正確にわかっています。最大の欠陥の一つは、「アフガン国民軍」の建設です。それは、あまりにゆっくりとしか進んでいません。陸軍は、まだ、持たなければならない質を持っていません。技術的にも、彼らは、必要な治安状態を作り出すことができません。その限りでは、外務省は正しいのです。われわれはもっと沢山やらなければなりません。
--シュタインマイヤー外務大臣は、それであなたの党に対して期待が大きすぎるのではありませんか?
アルノールト:アフガンニスタン派遣軍についての議論は、社会民主党内部では、非常に高いレベルで行われています。私は、ISAFの安定化委任の枠内で今後も責任を引き受ける覚悟は会派の中ではできているという印象を持っています。
--「緑の党」は、アフガンへの連邦軍投入についての態度を九月に特別派遣団会議で明らかにしようとしています。それも社会民主党にとって一つの選択ではありませんか?
アルノールト:私は、これが、党大会で明らかにされるべきテーマだとは思いませんね。
会派の中での私たちの立場は、来週、公表されるでしょう。政府は、「持続する自由」作戦のリスクについての議論の初めに私たちの言うことに耳を傾けました。反対に、私たちは、ドイツの対外的責任が問題になる場合には、政府の言い分に耳を傾けます。この責任を念頭に置いて、賢明な委任を行うことが、来週の課題です。
--タリバンの軍事指揮官は、すべての外国人は直ちに危険に曝されると言明させました。にもかかわらず、あなたはまた、アフガニスタンに行きますか。
アルノールト:ええ、行きますよ。
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「ザワヒリ、赤いモスクの犠牲に対する復讐を訴える」と題する『ファイナンシャル・タイムズ』紙の記事。

2007年07月15日 | イスラム問題
アルカイダの第二司令官であるアイマン・アル・ザワヒリは、水曜日に送りつけられたテープで、70人以上の犠牲者を出したイスラマバードのモスクに対するパキスタン政府軍の攻撃に対する復讐を要求した。
「この犯罪は、懺悔か、復讐によって償われねばならない」とザワヒリは、インターネットに送付されたテープで述べた。「もし、あなた方が復讐しなければ、ムシャラフ大統領は、あなたがたの誰も容赦しないだろう」と彼はパキスタンのイスラム教徒と聖職者に呼びかけた。
「聖戦によってのみ、あなた方は救済される。アフガニスタンにいるムジャヘディンを呼び返さなければならない」とザワヒリはテープの中で述べた。
アルカイダのメディアである『アル・サハブ』によって制作された録画には、エジプト生まれのザワヒリが白衣と白いターバンを被った静止画像が納められていた。
これは、今週中に送りつけられた二本目のビデオ・テープである。
パキスタン治安部隊は、水曜日に、首都イスラマバードにあるラル・マジド・モスクを攻撃し、反政府聖職者と支持者70人を殺害した。
最終的な死者の数、女性や子供が何人含まれたかは、不明である。
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「中国、食品薬品安全局長を死刑に」と題する『アルジャジーラ』局

2007年07月11日 | 中国の政治・経済・社会
当局に一連の汚染された食品スキャンダルに対する圧力が加わったので、中国は元食品安全局局長を汚職の理由で死刑執行した。
ゼン・シャオユウは、基準を満たしていない薬品を承認した見返りに、80万ドル(9,600万円)相当の金品を収賄したというかどで、五月に死刑を宣告されていた。
ある抗生剤は、少なくとも10人の患者を死に至らしめた。
火曜日のゼンの死刑執行のニュースは、もっと厳格な品質コントロールをする努力を高めるよう誓わせられた際に、食品安全局の役人によって確認された。
63才のゼンに科せられた異常に重い刑の宣告は、この国の恐ろしい生産物安全記録との取り組みを示そうとする政府の努力だと見られている。
 ゼンは、国家食品薬品安全局(SFDA)の局長であったが、この機関は、1998年から、2005年に彼が逮捕されるまで、食品及び薬品の安全性基準を定めていた。
 中国は、輸出された食品・いんちき薬・潜在的に有毒な製品を含む基準以下の製品から生じる問題を克服せよとの国内的国際的圧力に直面している。
 SFDAの報道官ヤン・ジャンヤンは、北京の記者会見で処刑を確認した。
「数人の腐敗した役人は、全システムの恥であり、彼らのスキャンダルは、いくつかの重大な問題を暴露した」と彼女は言った。
「われわれは真剣に反省し、これらの事件から教訓を学ばねばならない。われわれは、食品や薬品を保証する努力をステップ・アップする。それはわれわれが現在行っていることであり、将来において続けるつもりである。」
 ヤンは、SFDAは、その安全手続きを強化し、より透明な作業環境を作り出すために働いていたと述べた。
 「発展途上国として、中国の現在の食品と薬品の安全状況が余り満足すべきものでないわけは、食品と薬品の安全性の管理・監督が遅く始まったからである。その基礎が弱いので、食品と薬品の安全性の管理・監督は容易ではない。
 先週、SFDAは、中国内で消費されることを目的とした生産物の20%が、今年の上半期に、基準以下であることがわかったと述べた。
 缶詰の果物と乾し魚は、バクテリアに汚染されているので、もっとも問題的である。
 中国製の歯磨き粉は、内容にジエチル・グリコールを含んでいたために数カ国で販売禁止になった。
 今年初めには、化学的メラミンで汚染された中国製小麦グルテンを含むペット・フードで、数百匹の犬と猫が死んだと非難された。
 製品の安全性についての最も最近の国内警報では、北京で使われている冷水機の半分以上は、偽ブランドの水を売っていた。水は、小規模の供給者によって、水道水か、浄化水が水樽に詰められ、偽の品質基準マークのシールが張られていたと『北京時報』は報道している。
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「ザワヒリ、ムスリムに団結を訴える」と題する『アルジャジーラ』局の記事。

2007年07月08日 | テロリズム
アルカイダの副官アイマン・アル・ザワヒリは、インターネット上にビデオを公開し、その中で、ムスリムに団結して西欧と戦えと訴えた。
彼はまた、イスラム国家イラクとイラクのアルカイダをもっと支持するように要求した。
彼はまた、エジプトとサウディ・アラビアが中近東で米国を支持していることを非難した。
このザワヒリが出した8回目のビデオで、彼はパレスチナのハマスが「イスラム法」を放棄して、「民主主義に同意し」、ファタハと対立していることを批判した。彼はまた、ファタハを攻撃し、裏切りを非難した。
過去に、ザワヒリは、ハマスが政治過程に参加し、ファタハと連立政権を作ったことを批判したが、この最近のビデオでは、彼らに統一を要求している。
「ユダヤ人のミサイル攻撃に曝されているハマスの中にいるムジャヘディンの兄弟とパレスチナのイスラム国家の残りの人たちが全能の神から降った法に忠実であるように要求する。あなた方の指導者は、イスラム法を放棄し、民主主義に賛成した。これはあなた方に利益をもたらしたか?イスラエルの攻撃は、止まったか?経済制裁は廃止されたか?抵抗を中止させ、パレスチナの悲劇に対して壊れやすい解決を提供するというのは、十字軍とシオニストの悪巧みなのだ。アメリカ人が、パレスチナ人に何かを与えるほど十分に正直であるなら、彼らは、それをアラファトに与えるべきだった。だが、彼はすべてを放棄し、殺されたのだ。(実際は、病気で死んだ。--訳者注)」
アルカイダの副官は、イラクにいる武装勢力に対して団結し、分裂を避けるように要求した。
「イラクにいる愛する者達に対して、私は、イラク人達が悟らねばならない最も重要なことは、団結であると言う。それが勝利と無視されてはならない事柄への道を与えるのだ。」
[訳者の感想]ザワヒリは、エジプト人ですが、彼にはイスラム法による支配を確立したいという面と宗派の対立を乗り越えたいという願望があるようです。
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「イスラム嫌いの愚かさ」と題する『ニューヨーク・ポスト』紙の論説。

2007年07月04日 | イスラム問題
ロンドンとグラスゴーでの自動車爆弾テロは、すべての人、特に英国のムスリム達にイスラムの名におけるテロリズムが未だに、公共の平和と安全に対する脅威であるということを思い出させる機会を与えるべきだった。けれども、現に起こっていることは、そうなっていない。
 ゴードン・ブラウン首相は、テロ攻撃は、イスラムとは無関係だと言い続けた。だが、同時にムスリム・コミュニティの指導者を首相官邸に招いて、どうしたら、攻撃を予防できるか議論しようと述べた。もし、テロ攻撃がムスリムと無関係だったら、なぜ、仏教徒の指導者よりも、むしろムスリム指導者を招くのか?
 ブラウン首相は、それを、あるとおりに述べることは適切だとは思わなかったのだ。英国のムスリムは、いや、世界中のムスリムは、街頭に出てきて、テロリズムを明確な言葉で非難しなければならない。
 その代わりに、われわれは、攻撃はサルマン・ラシュディの爵位授与によって引き起こされたかもしれないと聞いている。ウッディン男爵とか言う穏健派コミュニティ指導者のように、ムスリムは、自分たちを不幸にする「外交問題」を持っていると示唆した。もっとはっきり言えば、「英国がその外交政策をアルカイダを喜ばせるように変えなければ、英国は攻撃されると予想せねばならぬ」ということを意味している。
 穏健派のコミュニティ指導者が認めるのはたかだか、「そうだが、しかし、」という立場である。「そうだ、無実の人たちを爆弾で吹き飛ばすのは、全く正しくない。だが、それならば、この同じ無実の人たちの政府の政策に対する怒りが、何人かのムスリム青年にすべての人を殺したいと思わせるかもしれないということをわれわれは理解しなければならない。」
 もっと悪いことに、ロンドンの左派市長のケン・リビングストンは、非難をテロリストから、「イスラム嫌い」にそそのかされた英国人へと移したのだ。
 こうして、リビングストン市長の道は袋小路に突き当たる。彼らがわれわれを殺すから、われわれは彼らが嫌いなのか、それとも、われわれが彼らを嫌うから、彼らはわれわれを殺そうとするのか?彼が含意しているのは、主たる非難は、英国政府とその同盟者、特にブッシュ大統領に向けられる。なぜならば、ブッシュは、テロリストを抱擁する代わりに、テロへの戦争を宣言したからである。
 しかし、人は、イギリス人の「イスラム嫌い」を非難できるか?答えは、断固として「ノー」である。
 英国と僅かな西側民主主義国は、あらゆる種類のムスリムが全く自由に彼らの信仰を実践できる地球上で唯一の場所なのだ。英国にあるムスリム礼拝所の分厚い住所録には、300のさまざまな宗派がリストアップされている。彼らの多くは、どのイスラム国家でも迫害されているのだ。
 シーア派は、カイロにモスクを建てることができない。スンニー派は、テヘランには彼ら自身のモスクを持つことはできない。エジプトやサウディ・アラビアで印刷された『コーラン』は、イランでは禁制品として、押収される。エジプトや他の多くのイスラム国家では、イランで印刷された『コーラン』の輸入を禁じている。ムスリム作家や哲学者の多数の著作は、大抵のムスリム国では禁止されている。
 英国では、すべてのモスクが許されている。ムスリムの作家や哲学者は、誰も禁じられていない。もっと重要なことは、ライバルの宗派が互いに殺し合ったりしていない。半ダースのムスリムが多数を占める国で起こっているのとは違って。
 英国のメディアが自己検閲を行う唯一の機会は、ある記事が、反イスラム的だと思われた場合である。すべての英国の編集者は、ムスリムの感情を傷つけることを恐れて、少なくとも本の書評を引っ込める。「ムスリムの感情を考慮に入れること」は、ある芸術作品を引っ込めるための理由である。
 最も過激な反西欧的でテロ支持派のイスラム聖職者でさえ、英国に来て、彼らの憎悪のメッセージを広げることを認められている。(時には、リビングストン市長の客として。)
 ハマスやヒズボラは、英国に滞在しており、「イスラム解放党」は、ロンドンに司令部を持っている。
 ハマス支持あるいはヒズボラ支持の戦士たちは、英国のテレビでは、毎晩、取り上げられている。「イラン・イスラム共和国」の最高指導者アリ・ハメネイがロンドンに開いている「個人事務所」は、ロンドンの「イラン大使館」の二倍の人員を抱えている。
 ロンドンやグラスゴーの人々を殺そうとしたテロリスト達は、バグダッドやカラチで人々を殺しているのと同じ連中だ。彼らは、何万人ものエジプト人や、恐らく十年以上、25万人のアルジェリア人を殺したのと同じ連中だ。彼らは宗教的な不満に動機づけられたのではなくて、政治的権力に対する飽くなき欲望によって動機づけられている。彼らは社会のコントロールを奪い、社会を隷従へと強制し、神の名前を使って、すべての個人に狂気のテロを押しつけようとしているのだ。
 イスラムが「平和の宗教」であるなら、本当の「イスラム嫌い」は、ロンドンやグラスゴーで自動車爆弾を仕掛けた連中である。自己検閲をし、彼らが骨折って手に入れた自由を「ムスリム共同体」を攻撃しないために抑制している哀れな英国人ではない。
[訳者の感想]筆者アミル・タヘリは、イラン生まれのジャーナリストで、かなり問題のある人物のようです。彼の論調は、明らかにアメリカのネオコンに近いと言えるでしょう。

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「英国は、長期の反テロ闘争に備える」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2007年07月02日 | テロリズム
英国は、ロンドンとグラスゴーでのテロ攻撃の後、テロに対する長期で包括的な戦いに備え始めた。「ロンドンとグラスゴーでの自動車爆弾未遂事件で、テロリスト達は、できるだけ多くの人間を殺すつもりだとゴードン・ブラウン英国首相は述べた。英国がテロリストネットワークのアルカイダと結びつきのある人たちと対立していることは明らかだ。
「われわれはその際、長期の危険と関わっており、それは来週とか来月終わるような危険ではない」とゴードン・ブラウン首相は述べた。「この危険に対して、われわれは、さまざまな仕方で闘わなければならない。軍事力で、治安対策で、警察と情報機関で、しかし、頭脳とハートを巡る戦いもしなければならない。」
ほんの僅かなムスリムが過激派で、暴力でイスラム教をねじ曲げ、大量の人間を殺そうとしている。それに対する英国民の返事は、「われわれは屈しない。われわれは怖じ気づいたりしない。英国風の生き方を掘り崩すことを誰にもわれわれは許さないというものだ。」
 土曜日の最高度のテロ警戒警報の後、「住民は、空港での治安コントロールや自動車の捜査に協力しなければならない」とブラウンは言った。自動車爆弾によるテロの危険に鑑みて、これは避けがたい。
テロとの関連で、5人が逮捕された。先ず、グラスゴー空港で、二人が逮捕されたが、二人は自動車に乗ったまま、空港ターミナルに行こうとした。もう二人は、英国西北部のチェシャイヤで逮捕された。
チェロキー型のジープが土曜日、15時頃、高速で空港搭乗口近くのゲレンデを走り、突然、向きを変えてガラス扉を破って、空港内に突っ込んだ。搭乗のために並んでいる乗客の列の直前で停車した。二人のうち、一人がガソリン缶を持ち出し、液体を自動車のしたにばらまき、その後で火をつけた。自動車は、オレンジ色の炎を上げて炎上した。
「乗客達は叫び声を上げて逃げ出した。消防士が消火したので火災は鎮火し、後に黒こげの車体が残った。
警官は、二人を拘束した。彼らの一人は、重度の火傷を負っており、病院に搬送され、警察の監視下に置かれた。もう一人は逮捕された。
爆発物のついたベルトを着用した男がいたという報道は、警察によって否定された。
グラスゴー警察署署長のウイリー・レイは、「車内には、ビラはなかった」と述べた。
テロ攻撃の後、グラスゴー空港は閉鎖され、3千5百人は、安全なところに待避させられた。グラスゴーでは、学校休暇の初日だったので、空港は休暇に向かう家族連れで一杯だった。日曜日の朝、空港は再開された。旅客は、ターミナルへ行くのに警官の列の中を通らねばならない。疑わしい自動車が発見されたリバプールの「ジョン・レノン空港」も一晩中閉鎖された。
 イラクでは、テロ攻撃は日常茶飯事である。金曜日に、可燃物を搭載した自動車が確保されたヒースロー空港でのテロ未遂事件を見て、治安専門家達は、テロがヨーロッパで新たな次元に達したかもしれないと憂慮している。
 「今週末の爆弾テロは、戦争をもっと大きくエスカレートするぞという、イスラムのテロリスト達の信号である」と元ロンドン警視庁長官であったステヴンス卿は言う。彼は現在、ブラウン首相に任命された反テロ顧問である。「今や。アルカイダは、戦術をバグダッドとバリ島からイギリスの道路に輸入したのだ」とステヴンス卿は、明言した。しかし、グラスゴーのテロに国際的テロリストが関与しているという証拠はない。警察と情報機関は、スコットランドのテロについていかなる示唆も得ていなかったと政府筋は述べている。

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「テロ指導者の残忍な根性」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2007年07月01日 | テロリズム
 誰か分からないが、アフガン人のNATO協力者の首を切り落とした。アフガン東部のパクチア州に駐留しているNATO軍部隊のための通訳の遺体は、木曜日の夕方、隣のロガール州で見つかったと、警察は発表した。警察の発表では、彼は数日前に誘拐された。警察は、犯行はイスラム過激派のタリバンの仕業であると述べた。タリバンは、外国軍のため、あるいは、西欧の援助軍のために働いているアフガン人を殺すぞと繰り返し脅した。
 もう一つの報道も、世間に衝撃を与えた。イラクで、20人の首を落とされた遺体がチグリス川の中で見つかったというものだ。西欧のメディアにおいては、日常的なテロ報道を引き起こすために、このような見せ物的な出来事の積み重ねが起こるに違いない。
 2004年5月に、ザルカウイに率いられたイスラム主義者グループは、アメリカ人のビジネスマンニコラス・バーグの斬首のビデオをインターネットで流した際、テロリストのやり口を理由づけた。映像をダウンロードさせたマレーシアのサーバーは、しばらく、アクセスが多すぎたために、電源を切らなければならなかった。というわけは、米国でも、この残酷な光景は、パリス・ヒルトンのセックス・ビデオよりもしばしばクリックされたからである。
 「斬首」という言葉は本来、婉曲な表現である。なぜならば、この語は、刀、あるいはギロチンによって、素早く首を切り落とすという比較的人間的な処刑方法を思いまださせるからである。なぜなら、それは十字架に付けたり、首を吊したり、車裂きや沼地でおぼれさすようなもっと古い刑罰に対しては、進歩だったからである。このような斬首は、ヨーロッパでは、長い間、地位の高い階層の人の特権だった。
 だが、バーグの場合は、むしろ、彼の首は時間をかけてゆっくり切り落とされた。2001年には、アメリカ人のダニエル・パールも同じ目に遭った。だが、チェチェンのロシア兵やバルカン戦争で国際的なジハディストの手中に落ちたセルビア人捕虜や1990年代のアルジェリアのGIAの数千人の犠牲者も同じ目に遭った。当時、手慣れた肉屋の「こびとのモハメッド」だけでも、一晩で、86人の首を切ったと言われている。これらの人々の場合には、勿論、ビデオはなかった。彼らの死は、イスラムの肉屋での家畜のと似ていた。 テロリスト達がバーグの映像を流したとき、「アブ・ムサブ・ザルカウイは、自分の手でアメリカ人の不信仰者をする」というタイトルを付けたのは、彼らがこの側面を強調したかったからだ。
 政治的イスラム全体が、仮装行列であって、ナショナリズムや貧困や権力欲や、犯罪や、個人的サディズムや、冒険心や、誇大妄想のようなさまざまな動機が、歴史的な衣装を着ているように、不信心者の斬首も、電子的大量宣伝がイスラムの伝統と結びついた演出である。
 なぜならば、イスラムのレトリックや紋章学や歴史においては、斬首と刀には特別の価値が与えられている。オランダに亡命しているエジプト人宗教学者のナスル・アブ・ザイドは、このような残酷さを引き起こしたベドウイン系イスラムと彼の宗教の決して内在的には残酷ではない主流とを区別しようとしている。その際、彼は、まさに感動的な仕方で、ナチ時代に自分自身と世界に対して、同国人の少数派だけが、ナチに従順で、彼らの犯罪を支持しているのだと説得しようとしたドイツ人亡命者を思い出させる。(中略)
 コーラン解釈者のナスル・アブ・ザイドは、3年前に次の点を指摘した。「ひげ面男による斬首ビデオはアラビア人国家では、複雑な感情で眺められた。人々は、この死刑執行者は、いつか、家に戻って来て、自分たちの仲間に同じことをするだろうと恐れている。」
 この恐れは正しかった。最近の事件はそのことを証明している。事実、タリバンのアフガニスタン、ワハーブ派のサウディ・アラビア、イェーメン、カタールなど、イスラム法が効力を持っているところでは、不信心者よりもムスリムのほうが刀の犠牲になっている。
(以下省略)
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