海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「アブ・ダビは、ドバイ危機を和らげようとしている」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2009年11月29日 | 国際経済
アブ・ダビ発:アラブ首長国のアブ・アブダビは、多額の負債を抱えている隣人のドバイに土曜日、援助を確約したが、包括的な救援を約束したわけではない。援助はケース・バイ・ケースに行われると、政府代表は、ロイター通信に述べた。「アブ・ダビは、会社を探し、援助が行われる会社を選ぶだろう。」アブ・ダビは、ドバイと同様、アラブ首長国連邦の一部である。
金融危機の際、ドバイ政府は、長い間、自分の問題を秘密にするように努力してきた。先週、水曜日に首長国政府は、「ドバイ・ワールド」社の債権者に債務の払い戻しを延期するように要請した。「ドバイ・ワールド」の負債は、590億ドル(5兆3,100億円)ある。これは、この首長国全体の負債の約4分の3に当たる。支払い延期は、世界経済全体に影響を及ぼしている。
ドバイの支払い延期は、ドイツの企業にも打撃を与えている。「ドイツ商工会議所」(DIHK)の支配人であるマルチン・ヴァンスレーベンは、『新オスナブリュック新聞』に対して、次のように述べた。「われわれは受注の際、このことに気づくだろう。多くの企業は、打撃を蒙っただろう。」ドバイの建設ブームは、ボーリング機械からショベルカーや計器や窓に到るまで建築をめぐる製品やサービスを供給するすべての企業にとって、多年、重要な市場であった。
DIHKの支配人であるヴァンスレーベンは、負債危機の心理的影響を恐れている。「現実の不安定な状況では、どの反応も危険である。この背景を前にして、ドバイは、大変なショックである。」景気に対する持続的な影響を彼は予想してない。しかし、「国営企業が600億ドルの債務を抱えて動揺し、他の不安のファクターと合併したとすると、相変わらず不安定な金融市場は、ひどい打撃を蒙った。」
ウオール街も、緊張してドバイに注目している。かってのブーム首長国の金融問題が悪化すれば、株式仲買人の推定では、金曜日の痛ましい損失は、一週間続くだろう。ドバイの二つの国営企業の支払い延期要請は、投資家達にとって、世界経済の回復が希望していたよりももっとぎくしゃくしたものとなるだろう。(後略)
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