海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

民主と維新の統一会派で、93人抱える。

2015年12月18日 | 国際政治
民主・維新が統一会派=衆院に結成届け出、総勢93人
さてどうなるのでしょうか?衆議院で自民・公明に対抗するには、まだ、数が足りないのではないか?
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「無気力か、リスクか」と題する『ヴェルト・オンライン』の日本に関する「記事。

2014年12月07日 | 国際政治
(前略)
 日本の安定した停滞に対して私が同情した時代があった。昨年、私は「西武ホールディングス」と最大の株主である「サーベラス・キャピタル・マネージメント」とのあいだの争いについて報告した。私有財産管理会社である「サーベラス」は、この巨大な複合企業で米国水準の利益を見たいと思っており、ばかばかしいほど非効率的な経営について苦情を述べた。たとえば、東京郊外を走っている「多摩川線」には停車駅が6つしかない。この線を私は良く知っており、私の娘たちはこの電車で通学していた。そのことによってアメリカの投資家たちがなぜ苦情を言っているのか私には理解できたが、西武鉄道の計画が沿線の住民の生活を支えていることも理解できる。
 人口が少なくなり始めた五年前には、日本人のリスク嫌いが増大した。「高齢化社会」としての日本国の自画像は、定着した。デフレ賛成主義者の最後の偉業は、2012年に消費税を二倍にすることだった。増税が成長を阻害するということ、デフレを先鋭化するということは、ベイビー・ブーム世代の年金を支え、投資家たちが日本の高度の債務増大を憂慮しないようにする為に、彼らはより多くの収入を得たいと考えた。
 勿論、デフレには、影の部分がある。会社が多くの社員を退職させないという社会的合意は、企業が新たな労働者を採用せず、賃金や賞与の増額をやめないようにした。失業率は、多くのパートタイム労働によって下げられた。特に、デフレ時代に育った若い世代にとっては、賃金は低く、正規の雇用を得ることは、難くなった。老人の欲求の為にその未来を犠牲にした国民は、若い世代が就業する機会を奪ったのだ。(中略)
 12月14日の衆議院議員選挙は、議論の次の段階に導くだろう。安部総理は、おそらく失脚しないだろう。なぜならば、反対党は個人的に拙劣に配置されているからだ。しかし、自民党と公明党が得票率を下げれば、彼らの行動の余地は狭められるだろう。安倍総理が議会の過半数を抑えれば、彼は、自分の国のデフレ主義的本能にどれほど挑戦できるかを示すだろう。なぜならば、アベノミクスを巡る大論争にもかかわらず、それを発明した人は、(つまり安倍総理は、)構造改革の第三の矢を放てるからである。
 日本の社会に構造改革を売りつけることは最も困難である。目下、リフレーション主義は、支持を失いつつある。『日本経済新聞』の世論調査によると、回答者の33%が「アベノミクス」を支持したいるが、51%は、反対だからである。
[訳者の感想]筆者は、アメリカ人で『ウオール・ストリート・ジャーナル』のドイツ語版に寄稿された記事のようです。デフレ主義者の代表は、白川前日銀総裁であるようです。部分的にはデフレーションでも構わないではないかと考える人たちが沢山いること、それが社会をあまり悪くはしていないことなども指摘されています。
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「イスラム国が揺らぎ始めた。」と題するヴェルト・オンラインの記事

2014年11月24日 | 国際政治
[前略]
「イスラム国」は、何千人もの兵士をシリアとトルコの国境に近いコバニ周辺の戦闘に派遣した。世界は、固唾を吞んでその陥落を予想した。しかし、それ以来、数週間が経っている。
「奴らは退却している。」と独立したコバニ地域の防衛相であるイスメット・シャイヒ・ハッサンは断言している。「奴らはこの町の半分を占領していたが、現在は、10%か20%しか握っていない。」まもなく、イスラム国は、この町の地域から追い出されるだろう。「奴らの士気は、最低だ。過激派は、常にアメリカ空軍の絶え間のない目標になっている。コバニは、イスラム国にとって、苦い敗北だ」と防衛相は喜んでいる。「これはテロリストたちと戦闘しているすべての人たちにとって象徴的な効果を持っている。」イスラム国の連中は、後光を失った。「奴らの多くは、もともと優秀な兵士ではないよ」とハッサンは言う。「奴らの指揮官のうち僅かの者が戦闘を理解している。残りは有象無象さ。」シリアにいるクルド人私兵(YPG)は、そのことを知っているに違いない。彼らは、一年前から、イラク北部のクルド人地域を征服しようとしているイスラム国の攻撃を防いできた。無敵のイスラム国軍というイメージは、イラクにおける彼らの電撃戦がうまくいったために生じた。イラクでは、過激派は、6月には、バグダッドの外周にまで迫った。イスラム国私兵は、軍事力では、食い止められないように見えた。この地域の妖怪になり、自然の威力に成り代わった。
実際には、何が起こったのか?過激派の侵入は、軍事上の名人芸ではなかった。彼らの成功は、彼らの相手の駄目さ加減のせいである。モスルや他の諸都市では、イラク国軍の兵士は、命からがら逃走した。クルド人のペシュメルガ部隊も尻に帆かけて逃げた。彼らはそれを「戦術上の退却」と称したが、彼らは、キリスト教徒が住んでいるカラコシュやイェジディ派が住むシンジャルを見捨てたのだ。その結果、何千人も虐殺され数千人のイェジディ派の女性たちは奴隷となり難民が続出した。しかし、状況は変わった。イラクでは、イランで訓練を受けたシーア派の私兵たちが前線に立っている。ペシュメルガは、ドイツや他の西欧の国々から武器を受け取った。それに加えて、西欧諸国の空爆があり、それはイスラム国のカリフだと称するアル・バグダディの軍事力に致命的な影響を及ぼしている。[後略」
[訳者の感想]
イスラム国軍は、戦術的に優れていると思っていましたが、この「ヴェルト・オンライン」の記事を読むとそうではないようです。「かってのサダム・フセイン大統領を支えていた元イラク軍の軍人が「イスラム国軍」の指揮をしているのではないか」あるいは、「マリキ前首相がスンニー派を無視したせいだ」だという説もかなり説得力があったように思いますが・・・。
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「ドイツのムスリムよ!国家の市民となれ!」と題するWelt Onlineの記事

2014年10月16日 | イスラム問題
[前略]
「イスラム国」は、われわれの同胞をリクルートしている。ドイツのように豊かで安全で自由な国に生活するという幸福を持っている若者がこの幸福を捨てて、反人間的な価値体系のための血まみれの闘いのなかで加害者や被害者になっている。その価値体系では、殺人、強姦、人身売買が天国に到達するための合法的な手段だと見なされている。これは許すべからざる事だ。
イスラム教徒の民主主義たちが、人類社会に対してだけでなく、イスラム教徒自身に対して自分の顔を見せるべきときだ。そうする場合にマジエック{ドイツにあるイスラム協会の指導者]にあれほど軽蔑的に「イスラム批判者」と呼ばれた人人々も彼らとともに、まさに同じイスラム教徒の前に現れて勇気を見せるだろう。[後略]
[訳者の感想]この記事の著者について記事の末尾に次のように描かれています。「著者チグデム・トプラックは、27歳でトルコ・ザザイック系のドイツ人であり。フリー・ジャーナリストで、ロンドンのKings Collegeの中東研究所の女子学生である。」
「国家の市民」と訳したのはStaatsbuergerというドイツ語で普通は「国民」言う意味で使われていますがここでは、著者の意図からこう訳したほうが良いだろうと思いました。ドイツでもアラブ系トルコ系にかぎらず、若者の間に「イスラム国」が妙な人気を得ていて、ドイツ国内でテロをやる危険が高いようです。
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「シリアの反政府軍」と題する"Foreign Policy"の記事。

2013年11月22日 | イスラム問題
シリアの反政府軍は、バシャール・アル・アサド大統領の政府を転覆させるために、かなりの努力を払い、北部の幾つかの町や都市を占領しこの国の最も豊かな地方の幾つかを鎖に繋いだ。しかし、現在、彼らは困っている。オバマ大統領がアサド大統領を転覆する代わりに、化学兵器を取り上げようと決心したとき、このことは、反政府軍の兵士に、彼らがいつも疑っていたことが正しかったと確信させた。つまり、腐敗して非効率な亡命中の政府反対派がアメリカが軍事介入をするようにロビー活動するのに失敗したということであり、また西欧は、過激なスンニー派よりも、アラウイ派の政府のほうを好んでいるということであり、反政府軍は、自分たちがコントロールできない地域闘争で、政府軍の大砲の餌食になったということである。
彼らの落ち目を克服するために反乱軍は、彼らの戦術を変えた。彼らの解決は、自分たちが握っている地域を併合し、国外の気まぐれな援助者に対する信頼を減らすために、財政上のネットワークを打ち立てることである。この戦術転換の帰結は、あるシリア・ウオッチャーが「ダーウイン風の一時的合併」と呼ぶものである。軍団の連合を作るために、小さなグループは、自分のアイデンティティと組織上の上下関係は維持したままで、より大きなグループの周りに合体した。目下、反乱軍の連合が五つ存在する。第一は、「イラクとシリアのイスラム国家」(ISIS)、第二は「ジュブラト・アル・ヌスラ」、第三は、「アハラル・アル・シャム」、第四は、「ジャイッシュ・アル・イスラム」、第五は、「自由シリア軍」である。これらの連合は、互いに、石油、小麦、国境越えの貿易で競争している。これらの資産は、長期に生き延びるためのキーだと見なされている。[後略]
[訳者の感想」これらの連合は、ある日は政府軍と戦闘するが、次の日は支配地や資源をめぐって互いに争っているようです。いつになったら、この内乱が収まるか見当もつきません。
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「砂漠のキューバ人」と題する『外交政策』誌の記事。

2013年08月14日 | イスラム問題
1.アルカイダと「アラブの春」
この数年にアラブ諸国で起こった反乱が、アルカイダにダメージを与えたかどうかは屡々論じられたが、問題はこれらの革命がアルカイダを変えた仕方である。シリは、聖戦士(ジハディスト)たちがアラブ世界をとらえた変化にどう答えたらよいかについて明確なビジョンンを提出した。
サラフィストの運動は、自分たちがどうしたら、新しい民主主義的な政治体制と関係したらよいかを問題にし、選挙制度は、問題があるにせよ、シャリア(イスラム法)へと誘導するのに役立つかもしれないと主張している。シリはこの見解に鋭い反論を加えた。サラフィストたちは、暴力なしですますという点で間違っており、それは合法的な宗教的規則を打ち立てるのに必要であると主張していた。
シリの説明では、シャリアを打ち立てる重要な段階は、「それが単なる不信仰者であれ、背教の行為者であれ、敵の侵入と戦うことでああった。」この戦いを行った後で、初めて、第二の段階、つまり、「イスラム諸国における判断の源泉であるシャリアを再建することができる」というのだ。
シリの見解では、政治的参加によって、政治体制を確立しようとする「イスラム同胞団」のようなイスラム主義的グループの努力は、無駄な骨折りである。(後略)
[訳者の感想]この「キューバ人」とあだ名されたアルカイダのメンバー、既にアメリカ軍の「無人機」によって殺されているようです。おそらく彼の意見はインターネット上に公開されたのではないかと思います。後半では、個人的な計画のテロを行うことと、アルカイダなどのグループを名乗ってテロを行うこととは、決して矛盾しないというようなことを言っているようです。
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「リンチは、自由を謳歌する道ではない」と題する雑誌Foreign Policyの記事

2013年07月02日 | イスラム問題
[前略]
「ピュー・リサーチ・センター」の調査によると、エジプト政府は、世界のどの国よりも宗教に関する制限の程度が高い。第2位のサウディ・アラビアや第3位のイランよりも厳しい。米国国務省は、先月公表した報告において、エジプトでは、宗教的自由に対する敬意は、「依然として乏しい」と述べた。米国の「宗教的自由に関する国際委員会」は、今年4月30日に、エジプトが宗教的自由に対する組織的で目に余る違反を見逃すことに特別の関心を持った国であるといわれるべきだと述べた。その上、「エジプトにおける人権」に関するいくつかのグループは、今年初めに、「モルシ大統領の下で、すべての人権に対する条件がムバラク大統領の時代よりもレベルが低くなった」述べた。
 過去数年間、コプト教会に属するキリスト教徒とその財産とは、イスラム過激派の攻撃に曝されてきたが、今年4月には、コプト教会の聖所である聖マルコ聖堂内部での前例のない攻撃が行われた。この攻撃の結果、7名のコプト系キリスト教徒と2名のイスラム教徒が死んだ。たいていの場合、政府は宗教的少数派を暴力から守ることに失敗するか、守ることが遅すぎた。過激派に責任があるとすることができなかったために、異教徒に暴力行為をすることは、罪がないという雰囲気を促進した。
 暴力行為を扇動したのは、サラフィ派の説教師や過激派で、彼らは無責任に扇動的で宗派的なレトリックを使用している。中傷されたグループにはキリスト教徒、シーア派のイスラム教徒やバハイ教徒が属している。今週初めには、ギゼーで5人のシーア派エジプト人がリンチされ、彼らは反シーア派的スローガンを叫ぶイスラム過激派たちによって、街頭をひきずり回された。シーア派が目標にされた理由は、彼らが宗教的な祝祭を祝うために特定の個人の家に集まっていたためである。これらの恥ずべき行為は、それが当たり前になり、少数派の宗教的行事に対する暴力的な抑圧の新しい章を開く前に、止めさせられねばならない。[後略]
[訳者の感想]モルシ大統領の1年間の統治の間に宗教的自由は極端に無視されてきたようです。反モルシ派の民主主義の要求には賛成するが、「民主主義は、宗教的自由を守ることを含まねばならない」というのがこの論説の筆者の意見のようです。筆者の名前がドワイト・バシルと書かれており、アラブ系の人のように見えます。
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「中国貿易統計の正確さに対して疑惑が持ち上がっている」と題するフィナンシャル・タイムズの記事

2013年04月11日 | 中国の政治・経済・社会
中国の最近の貿易データは、3月における輸入の増加と結びついて、輸出の急激な低下を示している。しかし、データの中の不安定さと矛盾とは、貿易統計の正確さに対する疑惑を引き起こした。
中国からの輸出額は、3月には昨年3月よりも10%増加したが、本年2月の輸出額と比べると、22%増えている。ところが、3月には、輸入額は14.1%急上昇している。中国税関当局が4月10日に発表したデータでは、2月よりも15%以上下がっている。
この不安定さの一部は、旧暦1月の休暇が長かったことで説明される。つまり、今年は旧暦の春節が2月にずれて、2月の休日が多かったという訳である。
「輸出額の10%増加という数字の背後には不愉快な現実が隠されている。つまり、貿易データが信頼できないか、あるいは、信頼できるとしたら、輸出として記帳されたものが、実際は輸出ではなかったという事実だ」と「IHSグローバル・インサイト」の中国エコノミストであるアリステア・ソーントンは語る。
香港という独立の行政区への中国の輸出は、昨年同月よりも、93%も増えている。これは1995年3月以来の最も急速な増加である。これに対して、EUへの輸出額は、14%下落し、米国への輸出は、6.5%下落している。
3月中の香港への輸出総額484億ドルは、中国の第二の輸出国である米国への輸出総額268億ドルの二倍になる。
「香港への輸出の大部分は、実際には再び、最終の目的地としてのEUや米国へと再輸出されているとしても、これはいささかつじつまが合わない。」
 香港への輸出額の明らかに大きすぎる増加は、昨年後半に始まった傾向である。
 中国税関当局は、2月末までの3ヶ月間の香港への輸出額は、950億ドルだったと発表した。ところが、行政上独立している香港の税関当局は、その大部分が再び外国へ輸出される中国大陸からの輸入額は、590億より少なかったと報告している。北京政府は、台湾への輸出額は、1月には53%増えたといっているが、台湾政府は1月中の中国本土からの輸入額は、35%増加したと述べている。
 アナリストの多くは、中国政府の高度に不安定で、ありそうもない貿易データは、北京政府の制限的な資本統制を避けるために貿易の送り状を装った資本移動の結果であるようだと言った。
 さらに、多くの輸出業者が政府からの輸出奨励金を利用するために、輸出商品の送り状を偽造しているという強力な証拠がある。また、あるアナリストたちは、中国の新しい指導者たちを喜ばせるために、中国の地方政府が予想される将来の輸出額も記載せよと強制しているのかもしれないと示唆した。(以下省略)
[訳者感想」この記事を読んで、中国政府の貿易統計があまり正確ではない理由がかなり分かりました。
コメント (2)
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「なぜマリの情勢はヨーロッパ人に何らかの関わりがあるのか」と題する"Die Welt"の記事。

2013年01月13日 | イスラム問題
イスラム過激派の反政府軍がマリの北部を占領して以来、マリの危機が先鋭化している。このような政権には限界がもうけられねばならない。フランスによってだけでなく。
「マリだって?アフリカのこんな人口密度の低い砂漠国家をどうしようと言うのかね。」手短に答えると、こうなる。「マリは、アフリカ大陸で、イスラム過激派の私兵によって乗っ取られ彼らの拡大の基地となる最初の国家になる。」
長い答えは次のようになる。もし西欧が、何もしなければ、これは始まりに過ぎない。いずれにせよ、フランス政府はそう考えるから、特殊部隊やヘリコプターや戦闘機を投入しているのだ。
その際、以前の植民地国家にとって6000人のフランス人の救出だけが問題なのではない。イスラム過激派を食い止め押し返すことが問題なのだ。米国政府も憂慮しながら、マリの事態を見守っている。おそらく、特殊部隊や武器弾薬や偵察結果に関して言えば、まもなく救援に来るだろう。
イスラム過激派民兵による恐怖政治
リビヤのカダフィ大佐に助力して敗北した傭兵たちは武装したままで南に逃れ、マリに逃げ込んだ。この侵入に対してマリ共和国政府は全く準備ができていなかった。
こうして、マリの北部はイスラム過激派民兵によって乗っ取られることになった。彼らは、20年前にアフガニスタンでタリバンが打ち立てたような恐怖政治を始めた。チンブクツにあった歴史的な場所や建物の破壊はその一部に過ぎない。異教徒を殺害する前に、記憶と時間と伝統とを破壊したのだ。
これはフランス政府だけの問題ではない。
このような政権は、その本性上限界を知らない。それらの破壊勢力は外からやって来た。それがアラブ・イスラムの世界から来たのでないとしたら、西欧は、自分自身の防衛を考えなければならない。
これらは決してフランス政府にとってだけの問題ではなく、ヨーロッパ・アメリカ・アフリカの問題である。これは遠い砂漠の国で起こった小さな危機ではない。ここでは、宣言のない長い戦争の中で、西欧の前線が打ち立てられる。これは西欧にとっては免れがたいものだ。フランス政府はあらゆる種類の救援を必要としている。ここではフランス兵はドイツのために戦っているのだ。
[感想]マリ共和国の出来事は、ドイツにとって無関係ではないとする、かなり挑発的な記事だと言えます。ソマリアは一時イスラム過激派に乗っ取られそうでしたが、最近は少しヨーロッパにとって好ましい状況になっているのでしょうか?
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「エジプトの立法府の権限が変わる」と題する『ファイナンシャル・タイムズ』の記事。

2012年12月28日 | イスラム問題
(前略)
エジプトの国営テレビは、先週土曜日、「エジプト中央銀行」の総裁であるファルーク・アル・オクダの辞任を公表したが、この報道は、数時間後に撤回された。
政府は、提案された厳格な措置に関する異なる社会集団との「対話」を打ち出したと述べたが、それらの措置は2週間かかる話し合いが済むまでは履行されないだろうという計画相の談話を引用した。
評価会社のスタンダード・プアーズは、今週初め、政治的緊張の高まりを理由にして、エジプト中央銀行発行の長期債をBからB-に下げ、もっと評価が下がる可能性があることを示唆したが、水曜日に、S&Pは、主導的なエジプトの3銀行、つまり、「国営エジプト銀行」、「ミスル銀行」、「国際信用銀行」の評価をB-/Cに変えたが、その理由は、「エジプト国債」を保有することに関するリスクであった。
エジプトにおける危機感が深まったので、「中央銀行」は、国内銀行の持つ地域通貨、および国際通貨の預金額を保証するだろうと声明した。資本逃避を防ぐために、「中央銀行」は、個人が現金を国内に持ち込む場合、あるいは国外に持ち出す場合、それぞれ1万ドルまでに制限すると述べた。新しい措置は、預金を銀行から引き出し、現金に換えようとする人の数が上昇したためである。
エジプトの外貨保有額は、ムバラク大統領を打倒した革命の前、つまり、2011年初頭には360億ドルであったが、今年11月末には、150億ドルに激減した。水曜日にはエジプト・ポンドは、過去8年間で最低の1ドル=6.18ポンドにまで価値が下がった。
カイロの通貨交換所の支配人は、「フィナンシャル・タイムズ」に対して、彼の顧客に必要なドル紙幣を銀行から下ろすことがもはやできないと述べた。
(後略)
[感想]エジプトも「憲法改正案」が国民投票で決まったものの、経済的不安は増大しているようです。
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「エジプト人たちは、ムルシ大統領の危険な路線を拒否している」と題するDie Weltの記事。

2012年11月27日 | イスラム問題
2012年11月26日の記事。
見出し:「エジプト大統領モハメッド・ムルシは、裁判官会議と妥協しようと努力している。「ムスリム同胞団」は、エジプト社会ではますます孤立している。」
 ムルシ大統領は、憲法の補足条項によって、より広範な全権を自分に与え、事実上、司法権を無力にした。7つの条項を含む宣言は、大統領の布告および法律に対して裁判所が検討したり、異議を申し立てたりすることをできないようにした。その上、ムルシは、「国民の統一と国民の安全と革命の維持に必要などんな処置でも講じうる権利」を自分自身に認めた。
 今年6月の憲法裁判所によって強制された議会の解散以来、大統領はすでに、行政を超えて、司法に対しても権力を握っている。ムルシが自分の決定を司法より上に置いたということは、エジプトではそうでなくても打撃を受けている権力分立にさらなる打撃を与える。
 ムルシと彼に近い「ムスリム同胞団」は、大統領の布告は、政治的利害に動かされた司法権を制限し、新しい憲法の草案でより前進する唯一の道であると主張している。大統領は、憲法制定議会も上院も、今後裁判所の決定に従う必要はないと決めた。(後略)
[訳者の感想]これはやはり独裁制に道を開くことになりそうです。もっとも民衆は再びカイロのタハリル広場に集まって大統領に対する抗議を始めたようですが。
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「日本の野菜は、放射能で汚染されている」と題する『グリーンピース』の記事。

2012年10月12日 | 日本の政治と経済
2011年4月7日にインターネット上に発表された少し古いが重要なニュースです。
日本で行われたグリーンピースの専門家の独自の計測の結果、福島県内の立ち退き範囲外にある南相馬市で収穫された野菜が高度の放射能を帯びていることが分かった。住民が曝されている健康リスクと日本政府の欠陥のある情報政策とは重大である。
1)警戒区域外での測定
「国際グリーンピース」の専門家チームは、半径20キロと定められた警戒区域の外で、独自に放射能測定を行った。
その結果、ホウレンソウと他の種類の野菜から、明らかに政府発表よりも高度の放射能が検出された。ホウレンソウでは、1キログラムあたり、7万から8万ベクレルの放射能量が検出された。日本の文科省の調査では、この放射能量のうち20%から30%はセシウム137から出ているとされている。もっとも日本政府の公表した人体に対する安全な放射能量の限度は、野菜1キログラムあたり、500ベクレルと定められているのだが。
(中略)
2)日本政府は、情報提供を怠っている。
われわれが汚染されたホウレンソウを見つけた畑の女性の所有者は、自分が収穫した野菜類が健康に危険なほどの放射能を出しているという情報はどこからも貰っていないと言った。
3)安全性の保証は十分でない。
南相馬市のあちこちで放射線量を測定した結果、場所によって1時間あたり4.5マイクロシーベルトの放射線量が確認された。
これは南相馬市内にある公的測定機関の公表している1時間あたり0,7マイクロシーベルトを遙かに超えている。
グリーンピースの専門家たちは、「半径20キロの警戒区域の外側でのわれわれの測定値は、重大な健康障碍につながる」と述べている。しかし、現在、警戒区域より外の地域では、人々は自分の家で普通に生活している。
4)警戒区域の範囲は、拡大されなければならない。
われわれの測定値に24時間で曝されただけで、安全だとされる年間被曝量限度の最大値に達する。
「この被曝量から見て、福島第一原発の周囲の警戒区域の範囲は、もう一度考え直されなければならない」と専門家ヤン・ファン・デ・プッテは述べた。
(訳者の感想)
「ウイキベディア」で調べたところ、「ベクレル」というのは1秒間に何個の原子核が崩壊しているかを表す単位で、シーベルトは、放射能を持つ物質が1時間に出す放射線量だそうです。一年半前に確かにこんな記事を読んだなという記憶があります。当時、政府が情報操作をしたようだという疑念は晴れません。
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「なぜスーダンのイスラム主義者たちはドイツを憎むか?」と題するDie Welt紙の記事。

2012年09月15日 | イスラム問題
(前略)
『スーダン・トリビューン』によれば、デモの参加者は、イスラム主義者と特に、過激派のサラフィスト集団と結びついた説教師であった。金曜日の礼拝の後で、両方の代表の前で、デモを行うことが決定された。平和的な抗議をしようという呼びかけは、居合わせたイスラム主義者たちの多数によって拒否された。その際、会合の参加者は、スーダン政府を信頼する事ができた。なぜならば、政府は、それに先だって、既に、ドイツとアンゲラ・メルケル連邦首相を激しく批判していた。首相は、先月、右派ポピュリストの反イスラム抗議を認めたからである。
「残念ながら、ドイツ連邦首相は、イスラムに対する攻撃を可能にした」と外務省から聞こえてくる。実際は、スーダン政府は、圧力を受けていた。イスラム主義者たちは、オマール・アル・バシル大統領が宗教的価値を放棄したと非難している。
 ドイツ連邦外務省は、金曜日の朝、抗議行動の前に、駐スーダン大使を任命し、外交施設の保護に対する義務を指摘したばかりだったと連邦外務省は断言した。(中略)
 ヴェスターヴェレ外相は、大使館に対する暴動を直ちに止めるよう要求した。マホメットを冒涜した映画は、暴力行為を正当化する理由にはなりえないと、彼は述べた。「私はドイツ大使館に対するこの攻撃を非常に激しく断罪する」と彼はベルリンで強調した。同時に外相は、マホメットに関するビデオをも非難し、「この反イスラム的ビデオについてのイスラム世界の憤激に対して理解」を示した。(後略)
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「名誉殺人では大抵、金が問題」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2012年08月11日 | イスラム問題
(前略)
ヒュルヤ・オザクチュルクの論文『トルコにおける名誉殺人』は、犯人との科学的なインタビューに基づく最初の科学的研究である。それは少し前に、イスタンブールの『オリエント研究所』の『ペラ・論集』に掲載された。その際、彼女はこれまでの研究ではテーマとされなかったある認識に到達する。「名誉」は、それに物質的な存在が依存しているから重要なのだ。別の古葉で言うと、若い女性が死ななければならないわけは、それで以て、家族が物質的損失を蒙らないで済むからである。
オザクチュルクは、犯人の言葉に基づいて「名誉」の概念をいろいろな次元に分類した。「セレフ」(家名の名誉)、「ナムス」(女性の性的純潔)そして「イティバル」である。これまでの研究では、重点は、「セレフ」と「ナムス」に置かれていた。家族の名誉は、女性の純潔に依存しており、それがけがされた場合には、血で以てあがなわれなければならない。オザクチュルクによれば、これまで等閑視されてきた「イティバル」という概念は、決定的な次元を持っていて、それが殺人を犯させるのである。「イティバル」は、「信用」という意味を持っている。
「信用」あるいは「信頼」を失った者は、もはや取引はできない。「おまえが信用を持っているなら、保証人がなくても、どこでも買い物ができる。なぜなら、おまえにには信用が与えられるからだ」と犯人の一人は、著者に述べた。この男の名前は伏せられているが、年齢は40歳、クルド人でスンニー派のムスリムである。年齢60歳、クルド人、スンニー派のムスリムである別の男は、「イティバルがあれば、その人に商品を与えても構わない。私は一銭も払わないで、200頭の羊を手に入れたよ」と言った。
名誉ある男とは、自分の家族の純潔を守り、それによって「イティバル」を持っている男である。反対に、その家名を汚した者は名誉を失い、信用を失う。そういう男は、経済上の不利を蒙る。なぜならば、しばしば、当該の家族の経済的暮らしは、小売りか農業に依存していて、その際人的な接触に頼っている。名誉を失うと、それが崩壊すルのだ。名誉を失った人は、子供たちを有利に結婚させることもできない。
オザクチュルクによれば、この経済的な側面が、なぜ名誉殺人が行われるかということの理由である。
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「政治局は、谷開來を使って薄熙来を閉め出す」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2012年08月10日 | 中国の政治・経済・社会
(前略)
谷開來は、普通の女性ではない。彼女は、国際的に名声のある弁護士であると同時に、問題になっている薄熙来の妻である。薄熙来は、今年、4月、規律違反で、政治局と常任委員会から除名された。その直前に毒殺疑惑を理由として彼女は告訴された。この大衆に人気のあるカリスマ的な政治家の事件にはいろいろな側面があって、彼女に対する告訴はその一つの面に過ぎない。犯罪や腐敗や権力乱用のどんな影も、中国の政治エリートの上に落ちてはならないのだ。特に10月に開かれる共産党大会の前には。そこでは、次の十年間の党指導部が選ばれることになっている。
 しかし、まだ解明されていない幾つかの問題がある。「なぜ、裁判は、薄熙来が住んでいた重慶で行われないのか?」、「なぜ、裁判は公開されないのか?」、「なぜ被告人あるいは被告弁護人の告訴に対する反論はないのか?」谷開來の裁判は、左翼愛国主義的な護民官薄熙来を手早く、音を立てないでお払い箱にするための手段に過ぎないように見える。薄熙来は、100万都市重慶の共産党書記長として組織犯罪を撲滅する一方、毛沢東以来の共産党的な歌や文化財の再活性化を行った。しかし、彼の大衆に訴えるやり方は、北京の党指導層の気に入らなかったのだ。
 確かに暴力団犯罪に対する彼のやり方は、人権を無視していた。弁護士や企業人たちは、役所の拷問を非難している。毛沢東語録や紅衛兵の歌は、彼らに文化大革命当時の悪夢を思い出させた。要するには、薄熙来には、支持者もいたが、反対者もいたのだ。腐敗と職権乱用と脅迫とが薄熙来の家族を巡って絶えなかった。そこに家族と親しかった英国人ニール・ヘイウッドの毒殺容疑が持ち上がった。薄熙来の片腕で重慶の警察を指揮していた王立軍がアメリカ領事館に逃げ込んで、谷開来がヘイウッッドの毒殺を使用人に依頼した件を暴露した。裁判所が選んだ弁護人は、谷開来が「殺人容疑を否定しなかった」と述べた。彼女には、10年以上の労働刑か、死刑が予想されている。

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