海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「湾岸諸国は、ドバイ・ショックの帰結を恐れている」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事・

2009年11月27日 | 国際経済
ドバイ/フランクフルト発:支払い延期のお願いに過ぎなかったが、その帰結は、破局的であるだけでなく、グローバルに感じられる。以前ブームを呼んでいた湾岸首長国ドバイの金融危機は、木曜日に世界中の株式相場を下落させた。ドイツの株価指数DAXは、ロンドンのFTSE100や、フランスのCAC40と同様、約3%下落した。アジアの株式市場もはっきりと弱含みである。上海の指数は、過去三ヶ月以来、一日では最大の下落幅を示した。アジアにおけるイスラム系金融商品は、平均15%も下落した。
DAXは、ヒケまでに、3.25ポイント下落して、5,614ポイントとなり、それでもって、数週間以来最大の下落を蒙った。どの指標も一ポイントも上昇しなかった。特にカタール首長国がそのかなりの部分を所有しているフォルクスワーゲン株は、6.2%下がり、ドバイ首長国が参加しているダイムラー社の株は、4.6%下落した。この日の最大の負け組は、ドイツ銀行の株で、6.4%下落した。このドイツ最大の金融機関は、明らかに湾岸地域に多額の投資をしている。米国の株式市場は、「感謝祭」の休日で、閉まったままで、景気データは、予定表に載っていおらず、取引は落ち着いていた。もっとも、原油価格は明らかに後退した。
「ドバイからのニュースは、今朝、晴天の霹靂のように、やってきた」とフランクフルトのシュニッゲ債券取引銀行のディーラーであるノルベルト・エンプティングは言った。「それは、われわれが乗り越えたと思っていた金融危機を再び思い出させた。」それに対応して、不信に陥った市場の気分は悪いと彼は言う。
エンプティングは、ニュースの射程を過小評価しないように警告している。「ドバイは、これまでは、最初の名宛人だと思われてきた。今度は、ダイムラーのような企業が仲間に入っている。」国際的なアナリスト達は、展開の規模に似たような評価をしている。「ドバイの債務不履行とそこから生じる不安とは強力なドミノ効果を引き起こした」とロンドン在住のBCGパートナーのデイビッド・ビュイックは言う。
ドバイは、一年前には、湾岸諸国の中では金融危機によってもっともひどく揺さぶられた。そうこうするうち、数十件の建築計画は中止され、外国人労働者は、群れをなして、この國を立ち去った。国有のドバイ・ワールドと有名な人工島「パルム・ジュメイラ」を建設中の不動産の兄弟会社ナクヒールとは、特に被害を被った。
水曜日には、600億ドルの債務を抱えた国営ファンド「ドバイ・ワールド」は、その債権者達に少なくとも六ヶ月間の支払い猶予を要請し、それによって国際的金融市場にショックを与えた。首長国政府は、支払い延期の要請をファンドの再組織が必要なためだと理由づけた。
首長国は、推定800億ドル(7兆400億円)の負債を抱えている。専門家の意見ではビジネスに対する投資家の熱狂が砂漠の国家に帰ってくるまで、数十年かかる。なぜならば、これまで、投資家とアナリスト達は、ドバイがその大量の負債を期限以内に皆済するということを前提していたからだ。(以下省略)
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