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『かぐや姫の物語』 試写会で鑑賞~

2013-11-23 00:27:02 | 映画(か)
                     姫の犯した罪と罰。



『かぐや姫の物語』
監督・原案・脚本・・・高畑勲
製作・・・氏家齋一郎
音楽・・・久石譲
主題歌・・・二階堂和美
声の出演・・・朝倉あき、高良健吾、地井武男、宮本信子、高畑淳子、田畑智子、立川志の輔、上川隆也、伊集院光、宇崎竜童、中村七之助
橋爪功、朝丘雪路、仲代達矢 他


【解説】
数々の傑作を生み出してきたスタジオジブリの巨匠、高畑勲監督が手掛けた劇場アニメ。日本で最も古い物語といわれる「竹取物語」を題材に、かぐや姫はどうして地球に生まれやがて月へ帰っていったのか、知られざるかぐや姫の心情と謎めいた運命の物語を水彩画のようなタッチで描く。声優陣には、ヒロインかぐや姫にテレビドラマ「とめはねっ! 鈴里高校書道部」などの朝倉あき、その幼なじみを高良健吾が務めるほか、地井武男、宮本信子など多彩な面々がそろう。
【STORY】
今は昔、竹取の翁が見つけた光り輝く竹の中からかわいらしい女の子が現れ、翁は媼と共に大切に育てることに。女の子は瞬く間に美しい娘に成長しかぐや姫と名付けられ、うわさを聞き付けた男たちが求婚してくるようになる。彼らに無理難題を突き付け次々と振ったかぐや姫は、やがて月を見ては物思いにふけるようになり……。



誰もが一度は耳にしたことがあるであろう、日本最古の物語文学「竹取物語」
その中に隠されたかぐや姫の真実の物語。一足早く試写会で鑑賞しながら、またアップが遅い私。
こういうタッチの絵は好き嫌いがあると思うのです。そういう私もこのテはあんまり好きじゃなくて・・・平面の絵ならいいのですが、動画のこのタッチはイマイチ・・・
でも、でも、そういうのは忘れてしまうほど入り込んでしまいました。
それは普通に知っているかぐや姫には出てこない登場人物、姫の幼馴染の捨丸の存在が大きいと思う。ちなみに声は高良健吾です。
彼との関係がかぐや姫の罪と罰に大きく影響していると思われる~。





ここから↓ ネタばれというか、私的解釈で書いています。まっさらな状態で鑑賞されたい方は読まないで下さいね。









声優さんは、大変豪華。
姫の朝倉あきちゃん、凛とした感じでとってもよかったです。
高良健吾も子供の声で「お~い!たけのこ~!」って呼ぶ声も違和感なかったし~
声優さんチェックしてなかったので、後で分かった方が多いのですが、声ですぐ分かったのは上川隆也さん。やはり特徴的なんですね~。

冒頭、夏ばっぱ=宮本信子さんのナレーションから始まり、テンションあがります。
そして、今では懐かしい~ちいちい=地井武男が翁です。それだけで観れてよかった。聞けてよかった~と思ってしまう。

お話は捨丸の登場以外は、よく知っている「竹取物語」と同じようにすすんでゆきます。
そうなると気になるのは、この作品のキャッチコピー“姫の犯した罪と罰”ということなのですが・・・

月の世界=あの世(極楽浄土)と考えた時、人間界の修業を終え極楽で幸福に暮らしていた姫が“もう一度生まれ変わって、彼(捨丸)に会いたい”と思ったことが罪。そしてこの世で“彼とは結ばれず苦しい想いをすること”が罰なのかな?と思ったのですが。。。(恋愛だけではなく、生きること全般も含めてですが)
捨丸は結局別の女性と結婚して子供までもうけた・・・
衣を羽織ったら全てを忘れてしまうはずなのに、振り返って青い地球を眺めた時に流れた涙が・・・本当に切なかった。
彼女自身、理由も分からず流れてしまった涙なのでしょう・・・哀しいですね。

かぐや姫が途中、怒りに我を忘れて走り出し、阿修羅像のような顔になるところがあるんですけど~ここが非常に印象的で。
月の世界では穏やかに生きていたはずの姫が、人間界では汚れ、苦しみ、阿修羅のように・・・
あのシーンの表情は人間離れしてました(人間じゃないんですけど)

この世で生きてゆくことは、本当に大変。ツライこと、哀しいこと、苦しいことも多い。
それでも「生きていてよかった!」と思えること、輝く出来事があって人は“生”を感じる。
月の世界で何も思い悩むことなく暮らしていても、その歌を口ずさむと何故か涙が頬を伝う~。全てを忘れてしまっても、生きる喜びを感じたことは忘れることは出来ないのだなぁと思う。

高畑勲監督の企画書の一節に
地球に生を受けたにもかかわらず、その生を輝かすことができないでいる私たち自身の物語でもありうるのではないか。
地球を体験した月の人であるかぐや姫が、命あふれる地球の豊さや、わたしたち人間の愛憎、善良さと愚かさを照らし出してくれないはずはない。

とあります。


この世は生きるに値する・・・
生まれてきたからには精一杯、力一杯生きよう!そう訴えかけてくる作品でした。

そうそう、
月からのお迎えの時に流れる曲がこの世のものとは思えない軽やかで美しく、なんというか・・独特な耳に残る音楽で♪久石さん、さすがっ。


マリー的お気に入り度 ・・・★9個近く(マイナス要素を挙げるとしたら、絵のタッチ(これは好みの問題)と上映時間がちょっと長いこと?)




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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (BROOK)
2013-11-23 15:01:27
いろいろな解釈が出来る作品でしたよね。

月の迎えのキャラを見るに、
やはり輪廻転生系の作品として見た方が良いのかな?とも。
その迎えのシーンの音楽はかなり軽妙でビックリ。
でも、なぜか嫌いにはなれず。
久石マジック???

作画は独特でした。
水彩画のようで、これはこれで素晴らしかったです。
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BROOKさんへ・・・ (マリー)
2013-11-23 19:23:02
こんにちは~~♪
いろんな方の感想を聞いてみたい作品でした。
みんな三者三様、いろんな解釈しそうですよね。

私は輪廻転生絡みだとおもったのですが~
どうでしょう???

お迎えの音楽、いいですよね~。
最初びっくりしたけど(笑)残る~~~。好き。

絵のタッチにも好き嫌いありそう・・・
でも美しかったです~。
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TBありがとうございました! (ナドレック)
2013-11-23 20:29:57
迎えの曲が印象的でしたね。この曲だけでもずっと聴いていたいような。
矢が花になってしまう描写も、人間との力の差を示して圧倒的でした(沢口靖子主演の『竹取物語』では、矢が燃えてしまうんですよね)。

私は絵も好みでした。
いかにも背景画の上にセルを重ねましたという感じのアニメっぽさがなく、背景も人物も含めて一幅の絵のようで、それが動いていることに、改めてアニメーションの凄さを見たように思います。
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意外といい映画? (ノルウェーまだ~む)
2013-11-24 10:07:19
マリーさん☆
勿論何かしかけがあるとは思っていたけれど、こんなに良さそうな映画とは、宣伝では伝わってきてなかったから・・・
どうして今更、誰もが知っているかぐや姫のはなし?と思ったら、そういうことだったのねぇ~
マリーさんのレビューで俄然興味が沸いてきたわ。
だって、まるっきりそそられなくて、試写会も応募してなかった私・・・反省です。
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ナドレックさんへ・・・ (マリー)
2013-11-25 20:53:34
こんにちは~~♪
コメントありがとうございます~

あのお迎えの曲、本当に耳に残って~ずっとずっと聴いていたい気持ちになりましたね~。
矢が花に・・って平和的でありながら、大人と子供のような・・・かないっこないってカンジでした。

あの絵も、技術的にも素晴らしいですね。
私はアニメアニメとしたものが好きなので~こんな評価ですが、素晴らしいと思います。
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まだ~むへ・・・ (マリー)
2013-11-25 20:56:04
こんにちは~~♪

私の勝手な解釈だから、違うかも~なのだけど・・・
深い意味があるのは間違いないと思う。
いろんなシーンで、訴えかけてくるものがあったし。

ただのかぐや姫を今更?みたいな宣伝の仕方ではあるかなぁ???
まだ~むがもし観られたら感想楽しみだ!
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こんばんは~☆ (kira)
2013-11-27 22:27:37
今日は時間が取れて、一瞬これを観ようか迷ったんだけど、、
映画館でアニメを観なくなって久しい私。。。
良さげですね~、損したかしら?
でも、壁の花も良かったわよ
12月中旬ぐらいまでやってたら観れるかもしれないな~。
その時はまたお邪魔します
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kiraさんへ・・・ (マリー)
2013-11-27 23:18:05
こんにちは~~♪
私は好きだったけど、興行成績はよくないみたいで・・・

やはりこの世界観は好き嫌いはっきりしてるかな・・・
「壁の花」よかったのですね~。
12月後半までやるんじゃないでしょか?
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Unknown (Nakaji)
2013-12-16 14:50:52
私もマイナス要素は長いってことだな~(笑)

なんか声優陣が豪華だったよね~
ちいちいとなつばっぱの声だけで泣けてきておりした。
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Nakajiさんへ・・・ (マリー)
2013-12-16 20:27:16
こんにちは~~♪
ね~。ちょっと長いよね・・・

ちいちい~、よかった!!
ホント、それだけで泣ける・・・
なつばっぱもさすが!!
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