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田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

ようやく読了!「徳川家康」全26巻

2025-04-13 20:16:06 | 本・感想
 遅読の私である。長い、長~い、徳川家康との旅だった。幼少の竹千代時代から、戦国の世を経て、日ノ本の国を平定し、75歳で没するまでを山岡荘八はその一生を克明に追った渾身の一作である。「世界最長の小説」とも称されている「徳川家康」を読み終えて、今は満足感でいっぱいである。

    
    ※ 全26巻の最後、24,25,26巻の文庫本です。全て図書館から借りました。

 私が山岡荘八著「徳川家康」を読み始めたのは、昨年9月のことでした。ですから全26巻を読み終えるのに実に7カ月間も要したことになります。
 私は昼間はいろいろとやりたいことが多く、読書の時間を取ることがほとんどできません。ですから、読書に充てる時間は就寝する際の睡眠薬代わりの読書がほとんどのため、遅々として前へ読み進めることができないのです。

 そんなことで読了するのに7ヵ月間も要してしまったわけです。
 今読み終えての第一の感想は、よく徳川家康は三英傑の一人と目されますが、確かに戦国武将としては信長、秀吉、家康と、その時々に名を成しましたが、人間として見た時に家康は他の二人とは比べものにならないくらいの大人物だったのではないか、というのが私の率直な感想です。
 家康の人となりを一言で表現すると「忍と徳の人」と言えるのではないかと私は思います。

 家康が幾多の困難を耐え忍び、国内を平定して征夷大将軍として江戸に幕府を開き、やがてその地位を秀忠に譲り、大御所なった際に部下の武将たちに語った印象的な言葉を紹介して、この頁を閉じたいと思います。

 「よいかの、法度が先か徳が先か…これをしっかり腹に入れておかなんだ
  ら、臆病さを威信で飾る残酷者になりさがる。わしが戦が下手になったと
     申したのはそのあたりのことじゃ。よいか、徳はのう、わが身をつねって
     他人の痛さを知る人情に発するものじゃ。その人情をよく噛みくだいた生
     き方が徳になる。その徳が最初であって、法はいわばみんなの納得しあう
     申し合わせ…ということじゃ」 

 「その申し合わせを威信や強制で通さねばならなくなったときは悪政……悪
      政はやがて乱世に通ずる。よいかの、善政というものは、領民たちの納得
      に始まるものだ……それゆえ、大名の側から言えば説得力じゃ…。説得力
      の裏にあるものは、その大名の日々の生活の中に積みためられた徳……ど
      うじゃな、わしがこんど、武家法度十三ヶ条を布令させたのは 、その説
       得力と、徳と、わが身でもって見せねばならぬとする神仏への誓いだとい
      うことが…。」

    
    ※ ウェブ上からお借りした徳川家康像です。

 「慈悲は草木の根、人の和はその花実なり」

 「世の中の和と申す美しい果実はのう、一朝一夕になるものではない。その
     底には深い慈悲の根がなければならぬ。戦乱はつねに怨恨の根に咲くあだ
     花…」

 「人間に、わがものというは一つもない。身体も…命も…」

 「みな、水や、光や、空気のように、金銀財宝はむろんのこと、わがいの
     ち…わが子…わが孫まで…何ひとつとしてわが身の所有ではございるまい」      (秀忠への遺言) 
 
「この世のものは、誰のものでもない。誰のものでもないとは、みんなのため
 にある…ということじゃ」

 これらの家康の言葉は第26巻の中で述べられた言葉です。家康の国家観、人の上に立つ者としての心構えを教えられた思いです。
 
 山岡荘八の渾身の一冊を読むにはいささか遅すぎた感はありますが、それでもこの歳になってこの著に出会えたことを了としたいと思います。


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