田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

今、学校教育現場は?

2019-01-11 13:19:45 | 講演・講義・フォーラム等

 今、学校教育の現場では“働き方改革”の波が押し寄せているようだ。旧態依然として長時間労働が当たり前だったような風潮が改められることは悪いことではない。一方、別な意味での心配も持ち上がっているようだ。

 ※ 拙ブログは、昨日は映画の話、そして本日は教育問題…、この落差が拙ブログの大きな特徴(?)である。こんなハチャメチャなブログにお付き合いくださるようお願いします。

          

 昨夕(1月10日)、私が所属する退職組織の「新年交流会」が某ホテルで開催された。その前段に、私たちの後輩である現職で北海道内の組織の要職にある某校長をお呼びして、教育現場の現状についてのお話を伺った。題して「北海道教育の現状と課題」であった。 

 話は大きく3点あった。一つは8年ぶりに北海道函館市で開催された全国の小学校校長研究大会、二つ目に9月6日発生した北海道胆振東部地震における緊急避難所としての学校の対応、そして三点目として「学校における働き方改革」についてだった。 

 一、二、についても興味深い内容だったが、ここでは三つ目の“働き方改革”だけに絞ってレポすることにする。

 私が知る10数年前までの学校現場では、いわゆる労務管理のような発想は皆無であった。いわば個々の勤務時間は個人が管理するという発想が強かった。(勤務時間は当然定められてはいたが…)だから、個人が必要と思えばいつまでも学校に残って仕事をする教員が学校によって差異はあったものの多い実態があった。特に中・高校においては部活動指導という名の長時間勤務が常態化していたという事実があった。

 さらに時代は保護者が学校に求めることが多様化し、その要望、クレーム等への対応のために教員が奔走しなければならない事態も増大傾向にあった。 

 そうした中、学校現場が3K職場と揶揄されたり、教員の過労死問題がクローズアップされたりするなどの事態が顕在化すると同時に、世の中全体に“働き方改革”の機運が高まる中、学校現場においても見直しが叫ばれるようになったというのが実情のようである。 

 現在、学校現場においてどのような見直しがなされているかというと…。一つは勤務時間の管理がさまざまな自治体で試みられているようだ。在校時間を記録化したり、中には民間のようにタイムカードのようなものの導入も試みられているとのことだった。また、札幌市においては、午後○○時以降は電話を市教委への転送電話とする措置を講じたり、学校閉庁日を積極的に導入するなどの措置を講じているという。

 こうして中教審としては残業時間の上限を月45時間、年間360時間以内とし、年単位の変形労働時間制の導入も提言している。また、教員は勤務時間の把握が難しいとの判断から、調整額との名目で一律に給与の4%を加給してきたが、それを見直し時間外手当の導入も提言している。(本日の朝刊でこの制度の導入も実現への運びとなったようだ)

 こうした動きは歓迎すべきことだと思うが、実現のためには財源的な裏付けも必要ということから、実現へ向けてのスピード化が課題だと思われる。 

 一方、こうした学校現場の現状を敏感に感じ取ってだろうか?近年教員受験者の数が減少傾向にあるという。以前と違い、責任だけが増加し、敬われることの少ない教育の現場を敬遠する若者が増えていることは憂うるべき状況である。

 “働き方改革”によって教育現場がより働きやすい環境になるとともに、教育の仕事に誇りがもてるような環境づくりも今後の課題となってくるということだろう。地味ではあるが“教育”こそ国家の根幹をなすものとの思いを為政者も私たちも今一度再確認する必要があると思うのだが…。