田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

堀田力氏 さわやかに語る

2017-12-20 20:45:28 | 講演・講義・フォーラム等
 堀田力氏は、元最高検察庁検事というお堅い仕事をされていた方とはとても思えないソフトな語り口で高齢社会を迎えたまちづくりについてさわやかに語った。“癒し系”とも思える堀田氏の人柄、語り口は参加した聴衆を魅了したようだった。 

               
               ※ ステージの全体像です。開会式で秋元札幌市長が挨拶しています。

 12月18日(月)午後、札幌市民ホールにおいて「支え合いを広げる地域づくりシンポジウム」が開催され、参加した。
 そのシンポジウムの基調講演に(公財)「さわやか財団」の会長である堀田力氏が招請され来札した。
 堀田氏は「みんなでつくろう あたたかいまち」と題しての基調講演だったが、論理的に何かを語るというよりは、情的に聴衆に訴えようとしたと私には映った。

                    
                    ※ 表情もさわやかな堀田力氏です。

 堀田氏は、私がこれまでお聞きした高齢化、あるいは高齢社会を語る時のお話とは一風変わった角度からお話を始められ、新鮮に映った。それは…

 長生きをすることは人類の夢だったが、それが今日本では実現できている。秦の始皇帝は強大な権力を持ち、自らの長寿を願ったが叶わなかった。彼はきっと今の日本を羨んでいるに違いない。日本は人類800万年の夢を実現している。
 そうした長生きを実現した日本において、高齢者がますます輝いて生きることができる社会にしていく必要がある。そうすることで若い人たちが高齢者を見る目も変わってくると思われる、と…。

 高齢者が安心して暮らしていくには、これまでは若い人たちからの支えによって生活することが可能だったが、これからはそうしたことが困難になってきた。支えてくれる若い人が少なくなってしまった現在、これからは高齢者がお互いに支え合うような仕組み(まちづくり)を作っていくことが必要となってきた、と堀田氏は語った。

 堀田氏は当年83歳ということだったが、まだまだ若くユーモアも心得ていて、会場の笑いも誘いながら、「さわやか財団」の会長らしく、さわやかに私たちに語りかけた。
 シンポジウムは、堀田氏の講演のほか、札幌市の高齢者に対する生活支援体制の現状報告と、二つの事例発表があった。

               
               ※ 堀田氏の講演の様子です。私のコンデジではこれがせいいっぱいです。

 その中から、私が注目したのは生活支援体制の報告についてだった。
 これは札幌市だけではなく、あらゆる自治体が取り組んでいることだと思われるが、最近よく聞く言葉で「地域包括ケアシステム」という言葉がある。この「地域包括ケアシステム」とは、私たちが仮に重度な要介護状態になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制、のことを指す言葉だそうだ。
 地域包括システムが機能していくには、「自助・互助・共助・公助」を繋ぎ合わせることが必要だと考えられているようだ。
 これまでは「共助」と「公助」によって支えられてきたが、これからはその二つとともに「自助」と「互助」が大切になってくるという。「自助」については、自分で自分を守ることだが、特に都市部において弱い「互助」をこれからは意識的に強化しなければならないと強調された。

 「互助」……、住民同士の助け合い、ボランティアによる支援、地域住民の取組、等々…。地縁の薄い都市部においてどのようなことができるのか?私も一人の住民としてこのテーマについて考え続けていきたい。