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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

認知症は病気?老化?

2017-12-14 16:29:06 | 大学公開講座
 講師の宮本礼子氏の講義は明快だった。「認知症は病気ではない。人は高齢になれば誰でも認知症になる」、「恥じることなく、堂々と生きるべきだ」という宮本氏の言葉は、聴く者に勇気を与え、不安を抱く我々世代にちょっぴり勇気を与えてくれるものだった。 

 12月12日(火)午前、札幌大公開講座「地域創生入門」の後期第12回目の講義があった。この回の講師は江別すずらん病院の認知症患者医療センター長である宮本礼子氏「認知症は病気?老化?」と題しての講義だった。
 公開講座のナビゲーター役である札大・本田教授によると、宮本氏が認知症研究・実践者では道内屈指の方という紹介があった。

               

 宮本氏は冒頭、国内の認知症研究の第一人者である長谷川和夫聖マリアンナ医科大学名誉教授がご自分のことについて「長い診療経験から認知症であることに間違いはない」と診断されたことを紹介した。そして長谷川氏はこうも述べたという。「歳をとったんだからしょうがない。長生きすれば誰でもなる」と話されたことを紹介した。
 
 実際、推計によると2025年には、80~84歳では約24%、85歳以上では55.5%の人が認知症になるとの推計も出ていて、宮本氏は100歳以上では100%とも言われた。

                    
                    ※ このイラストは宮本氏のすずらん病院のHPに載っていたものです。

 さて、認知症の定義であるが、宮本氏はこれも明快に「脳の働きが低下したために誰かに支援してもらわないと生活できなくなった状態」とした。それは記憶・理解・判断・言語など広範囲に及ぶものである。

 認知症の中でも罹患率の高いアルツハイマー型の症状の進行について宮本氏は次のように説明された。
 ◇発症前期 → 無気力、物忘れ
 ◇初  期 → 出来事全体を忘れる。日時が分からない。迷子になる。
 ◇中  期 → 場所が分からない。衣服の着脱困難。家事ができない。迷子になる。
 ◇末  期 → 意思の疎通困難。失禁。無言。寝たきり。嚥下障害。

          

 もし、不幸にして罹患した場合は人は薬に頼りたいが、認知機能の改善、進行遅延、幻視・妄想等の改善などに期待されるが、薬は万能ではないことを知っておくべきという。

 認知症は高齢(老化)とともに避けては通れない症状ではあるが、症状に陥る確率を下げる方法として、次のようなことが考えられるとした。
 ◇高血圧症、脂質異常症、糖尿病の治療
 ◇魚と野菜主体の食事
 ◇緑茶やワインを飲む
 ◇毎日30分以上の運動
 ◇楽しく頭を使う

 さあ、私の生活はどうだろうか?
 誰でも老化と共に避けては通れぬ症状とはいえ、できるならそうならないことを願いたい。そのためには確立を下げる方法を実践しなくちゃいけませんね!