田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

映画 121 ふしぎな岬の物語

2014-10-04 21:52:38 | 映画観賞・感想

 温かい岬カフェ、温もりの感じる…、味わい深い人々…、それは吉永小百合の映画に通ずる一貫したトーンである。確かに吉永小百合という女優がスクリーンで醸し出す雰囲気は上品で、温かく、心地良いのだが…。それ以下でも、それ以上でもないところが…。 

               


 10月11日からのロードショーを前にして、2日(木)夜、道新主催の試写会が「札幌プラザ4・5」で行われ、幸いにして招待券が舞い込んだので一足先に観ることができた。

 映画「ふしぎな岬の物語」は、千葉県鋸南町の明鐘岬に実在する喫茶店をモチーフにした、森沢明夫著の『虹の岬の喫茶店』が原作である。
 この作品の存在を知った監督の成島出と主演の吉永小百合が映画化を思い立ったということだ。

          

 映画は海に面した岬の小さな喫茶店を舞台に展開するストーリーだが、店主である主人公の吉永小百合を中心にさまざまなドラマが展開される。
 詳しいストーリーはネタバレにもなるので割愛するが、映画全体は良い意味でも、そうでない意味においても、吉永小百合という女優のキャラクターを前面に立てたものといって良いと思う。ということは、これまでの吉永小百合像から逸脱したものではないということだ。
 脇を務める助演陣の竹内結子、笑福亭鶴瓶、笹野高史にしても彼らの持つキャラクターそのままに演じていたという感じだった。つまりある意味では観る者の期待を裏切らない展開なのである。
 その中で唯一、主人公の甥を演ずる阿部寛が彼のキャラからは一歩脱した役柄を演じていて、観ている私としては意外な感じがするとともに、面白い存在だった。

          

つまり映画「ふしぎな岬の物語」は安心して観ていられる映画ではあるけど、映画はある意味観る者の期待を裏切るようなシーンやキャラが時にはあってこそ、観ている者がワクワクドキドキするものなのではないかと思うのだが…。それはないものねだりというものだろうか?

 吉永小百合さん、あるいはサユリストには申し訳ないが、彼女の映画は大ヒットしないと巷間言われているとも聞くが、はたして今回の映画はどうだろう?

 私が映画「ふしぎな岬の物語」を楽しめなかったわけではない。
 私自身をサユリストとまでは言わないが、私と同世代で若い頃から活躍していた彼女は私たち世代のマドンナ的存在なのである。
 彼女は美しい。 彼女には上品さが漂っている。 彼女の演技はしっとりとした情感を表現している。
 映画館で温もりや、心地良いひとときを感じたいと思っている人にはお勧めの映画である。