今年初めての旅「奄美群島を巡る旅」が明日に迫った。これまで5回に分けて今回の旅の計画を綴ってきた。その中で私なりの旅のこだわりにも触れてきた。しかし冷静に考えてみると、私はいつの場合も「旅する形」にこだわってきたように思う。
※ 私が鹿児島から乗船するマルエーフェリーの「波之上」号です。
いよいよ明日に出発を控え、持参するもののパッキングも終えて万端整えたところだ。
そこで改めて今回の旅について考えてみることにした。
このところ毎年のように春の季節に私は旅をしていた。
今回はどこにしようか? と考えたのだが、そのキーコンセプトは「南」であり、「島」だった。
その中で、私にもっとも魅力的に映ったのは鹿児島県の南に点在する、日本の最後の秘境とも称される「トカラ列島」だった。
調べてみると、有人の島だけで七つの島が点在する。ところがこれらの島を巡るフェリーが週2便しか運航されていない。おまけに宿泊施設もほとんどないようなのだ。魅力的ではあるが、これでは私のようなおじさんには旅することは不可能である。
次には、八重山諸島の中でまだ訪れていない島を巡るという案だった。私が2009年に訪れたのは石垣島、与那国島、波照間島、竹富島の4島であるが、八重山諸島にはこの他に西表島、小浜島、黒島、新城島、由布島、鳩間島などがある。
日本の中でも最も南に位置するこれらの島々も魅力的なのだが、それらの島々に行くには、全てが石垣島と往復するフェリーを利用する必要があるのだ。ということは時間のロスがかなり大きいことがネックだった。
そうした中、鹿児島⇔那覇間を走るフェリーがあり、途中の島々で下船を繰り返しても一枚のチケットで通用することが判明したのだ。 このことが私には魅力だった。
誤解を恐れずに言えば、私にとって旅の目的地はトカラ列島でも、八重山諸島でも良かったのである。短い時間の中で多くの未知の島々を訪れることができれば良かったのだ。
ということで今回の旅は計画され、旅立ちを明日に控えているのである。
私にとって望む旅は、旅行会社の旅の商品に頼らず、あまり費用をかけることなく、一人旅を楽しむことにある。
ただ、非常に情報が発達した現代である。そのことが私の望む旅を少し変質させているかもしれない。自宅に居ながらかなりの割合で旅の全容を描いてしまうことができる。それ自体は非常に有り難いことであり、効率的に旅を計画することができる。
そのことがしかし、未知への期待感を削いでしまっている側面があるような気がするのだ。
しかし、それは贅沢な不満というべきなのだろう、とも思う。
旅は非日常を楽しむものだが、それだけ危険性も大きくなる。情報の発達は、そうした危険性をできるだけ排除するうえで大きな役割を果たしているのだから…。
昨日、友人のH氏と談笑した際に「いいですねぇ。一人旅に憧れますねぇ」と話しておられた。
この歳で一人旅ができる環境に感謝しながら旅立とうと思っている。