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田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

消えた13,000歩

2014-02-02 19:29:22 | 講演・講義・フォーラム等
 なんだかミステリーのようなタイトル名です。「消えた13,000歩はどこへいったのか?」と…。はたしてタイトルは何を意味するのか?推理しながら読み進めてみてください。 

          

 1月31日(金)午後、ホテルライフォート(南10西1)において「北海道教育会議」というたいそうな会議に出席する機会を得ました。
 会議のテーマは、北海道の子どもたちに「生きる力」をはぐくむために「豊かな人間関係」を築く指導はどうあるべきか、といったものでした。
 指導歴、識見豊かな先達から話題提供があり、それをもとに子どもの教育に関わる各界・各関係団体の代表者たちからいろいろな発言がありました。
 
 その中の一人の方が発した言葉の中に「消えた13,000歩」という耳慣れない言葉があったのです。その意味するところはその方の発言でおおよそ理解できたのですが、本来的な意味を知りたいと思い、帰宅してから調べてみました。
 その「消えた13,000歩」とは、それほど広く知れ渡った言葉ではないようで、ウェブ上で捜しましたがなかなか困難でした。それでも根気強く捜しつづけたところようやく関係する文書を探し出すことができました。

 「消えた13,000歩」と言ったのは教育学者で千葉大学名誉教授の明石要一氏ということです。その明石氏が次のように話されている講演録が見つかりした。そこで関係する部分の講演内容を掲載します。
 「30年前にNHKが、小学5年生に朝起きてから寝るまでに何歩歩くのか、という調査をしたら1日2万3000歩歩いていたんです。(中略)平成20年に(私たちが)千葉、東京、鳥取の小学5年生に1週間調査しました。月から金曜日までで平均して1日1万歩です。30年前と今では13,000歩の歩数が減っているんです。外遊びが減ってきたから、まず、体力が低下します。食欲が出ない。もっと怖いのは、人間関係能力が衰えてくるんです。」

 ということで明石氏によれば、現代の子どもたちは30年前に比べて外遊びが減ったために1日に歩く歩数が13,000歩も減ったというのです。
 その結果として子どもたちの「人間関係能力」が衰えてきたと指摘します。つまり、外遊びが減った結果、地域の方々との触れ合いの機会が無くなってしまい、そこで培われるはずの人間関係を育むことができなくなっていると言うのです。

 子どもたちは今、他者との良好な関係を築けずに悩みを抱えている子がたくさんいると聞きます。しかし、会議ではそうした子どもの姿は大人の世界を反映した姿ではないのか、との指摘もありました。
 確かに私たち大人自身が他者としっかりとした人間関係を築いているとは言い難い現状にあるようにも思われます。
 子どもの問題を論ずる前に、まずは「隗より始めよ」ということなのかもしれませんね。