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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

UHB大学「浮世絵の魅力」

2011-02-15 14:22:25 | 講演・講義・フォーラム等
 2月8日(火)「UHB大学」で2月1日の「江戸っ子の暮らしと風俗」に続いて「浮世絵の魅力」と題する講座を受講した。スライドに映された浮世絵を見ながら解説を聞くというなかなか興味深い講座だった。 

 「“浮世絵”は江戸時代においては大衆文化の一つであり、現代で言えば漫画やグラビア雑誌の類である」と講師の新明英仁氏(北海道文学館学芸主幹)は冒頭話された。

        
        ※ スライドを前に講演する新明英仁氏です。絵は葛飾北斎
         の「富嶽三十六景」です。

 浮世絵には、美人絵・役者絵・武者絵・風景画・春画(一枚だけ無難なものが映し出された)などがあるということで、それぞれ代表的なものを映し出し紹介してくれた。
 その中でも、絵だけではなく文字(文)が周りに配された浮世絵がけっこう作成されていたとのことだ。このことは江戸時代の庶民の識字率が7割を超えていたことの一つの証拠であると新明氏は指摘した。
 このようなエピソードなどを、色鮮やかな浮世絵を前にして解説を聴くのは楽しくもあり、心豊かな気持ちにもなった。

 講座の中で伺った興味深い話を2~3紹介すると…。
◇浮世絵の値段は、当時16~32文くらいだったとか…。1文が現在価値では10円くらいということだから、160~320円くらいと安いもの(?)だったのだ。まさに大衆文化である。
◇浮世絵は最初の頃は数十枚程度を摺っていたらしいが、広重クラスになると数千枚単位で摺られていたとのことである。
◇浮世絵の絵の具の材料は当初は植物性のものであったが、後年はヨーロッパなどから鉱物性のものが輸入され、色の保存も良くなってきたそうだ。
等々、いろいろと興味深い話を聴くことができた。

        
        ※ スライドに映し出された喜多川歌麿の「美人絵」です。
 
 「浮世絵」から離れてUHB大学のことについて若干触れてみる。
UHB大学において実に多くのシニアの方々が学んでいることに気付かされた。
 あの道新ホールがほぼ一杯になるくらいの人数である。学費を納入しながらの学びである。“学ぶ”ことに前向きな同世代が多いことに刺激を受けた。

 もっともここ1~2年、各種の講座、フォーラム、シンポジウムなどに同行している友人とは「私たちは組織だったカリキュラムではないけれど、内容的にはUHB大学に負けないほど内容の濃い学びをしているよね」と確認し合うことを忘れなかった。