田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

林 心平 × カラスの人

2011-02-03 16:19:31 | 講演・講義・フォーラム等
 ほとんど全ての人が「マチのやっかいもの」と見ているカラスをこよなく愛し、地道な観察を続けている中村眞樹子氏が今回のゲストだった。中村氏の撮り続けたカラスの生き様を見て、少しはカラスの見方が変わったかな?

 カラスはやっかいものであり、いなくなればと思いながらも、どこか気になる存在である。そんな思いが程度の違いこそあれ誰のなかにもあるのだろう。1月29日(土)の会場はいつもの倍以上の受講者が集まり大盛況の様相を呈した。

        
        ※ 会場の入口には中村氏が撮り貯めたカラスの写真が掲示されていました。

 中村氏はアマチュアのカラスウォッチャーだということだ。
 しかし、その情熱は並みの研究者をしのぐくらいの熱心さらしい。
 冬季の今は回数が減っていると言うが、雪が消えカラスの活動が活発になると、早朝から毎日のようにカラスウォッチングに出かけ、そのキャリアも相当年季が入っているようである。(詳しい履歴は聞けなかった)
 
 講座の前半は、長年のカラスウォッチングで撮り貯めたカラスのさまざまな生態を動画で見せていただいた。
 その一つひとつの生態が面白く、メモを取るのも忘れて画面に見入ってしまった。
 ケンカ、水浴び、蟻浴び(間違いではない。蟻を体に浴びるのだ)、雪浴び、巣作り、威嚇、おねだり、etc.etc…。
 カラス好きの中村氏が撮った動画を見ていると、なんだかカラス観を少し変えられたような気がした…。

        
        ※ 明るい表情でカラスを語る中村氏です。

 後半は林心平氏のリードで、中村氏はさまざまな角度から“カラス”を語った。
・カラスを観察し続けることで個体識別ができる。(中村氏はそのことを「出席を取る」と称していた)
・カラスはカラスウォッチャーを反対に観察しているらしい。
・頭を蹴られないためには手を挙げるのが良い。
・カラスも野鳥。特殊な目で見ないでほしい。
・カラスを近づけないためには、家庭ゴミとカラスを物理的に遮断することだ。
などなど、教えられること、興味深いことなどを聞くことができた。

        
        ※ 中村氏から巧みに話を引き出す林氏です。

 その中で印象に残った言葉は、「カラスは都会の生態系の頂点にいる。そのカラスが存在しているということは、環境が整っている証拠である」と…。
 そして「もしカラスがいなくなれば、環境的には危険な兆候である」と結んだ。

 憎しみだけで見ていたハシブトガラスも、これからは少し違った目で見ることができるかもしれない…。