ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

朝日新聞紙に掲載された見出し「多様性が新しいものを生む」を拝読しました

2015年11月19日 | 日記
 2015年11月19日に発行された朝日新聞紙朝刊の中面に掲載されたコラム「学びのみらいを創る」の「多様性が新しいものを生む」を拝読しました。

 このインタビュー記事の相手は、2014年10月に京都大学総長に就任した山極寿一(やまぎわじゅいち)さんです。

 山極さんは京都大学などの大学の役割として、「大学を社会や世界に通じる『窓』として、野性的で賢い学生を育てる『WINDOWS構想』を掲げている」と語ります。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGTALでも見出し「学びのみらいを創る 多様性が新しいものを生む」と報じています。



 山極さんが総長に就任してから、京都大学では主に大学院生を対象に「国際共同学位プログラム」を検討しているそうです。既に、世界トップレベルの大学(大学院)と連携協定を結び、実際に研究交流を重ね、学生の交換留学を始めているそうです。

 「グローバルリーダーを育てると、(多くの方が)よく言うが、構想力を身につけることが重要だ」と語ります。

 たくさんの引き出しを持ち、様々な事態に対処し、自分の言葉で語り、自分で決定できる能力を身につけることの重要性を説きます。

 さらに、他人を引きつける力の重要性を説きます。他人の背中を押して、みんなの力を引き出すことが、グローバル力だと説明します。

 「こうした能力を身につけるには、実践だ」と言います。共同作業をしながら、頭だけではなく経験で覚えていくことが大切だそうです。

 京都大学はフィールドワークを重視する大学で、チャレンジ精神がベースにあるそうです。
 
 現在、京都大学で始めている「ポケットゼミ」は、一回生(一年生)が対象で、研究所や研究科(大学院)の最先端の教授と直に接して、実践的な教育を受ける場になっているそうです。

 高校までの教育は正解に近づくことを求められるが、大学では、時間をかけて未知の問題に気づき、それに対するいろいろな接近方法というものを考えることが教育の目的になると解説します。

 「答えは複数あるかもしれないし、正解を求めようとしながら、様々な問題に気づくことが重要になる」そうです。
 
 大学は一律の規則で一様になっていたら、イノベーションは生まれないし、新しい学問は生まれない。多様であることを保持することが大切と指摘します。

 ここで話はかなり飛躍します。フランスの首都パリでの同時多発テロの背景には、シリア国内での内紛が続き、過激派組織ISが活動を活発化してることがあります。何年も武力紛争が続いています。

 シリア国民は長引く紛争から、身の安全を確保し、逃げるために、欧州に難民として移動し始めています。

 シリアの現政府、反政府、過激派組織などの紛争をどう解決するかという難問を解く人物・組織の登場が求められています。
 
 欧州も長い間、紛争が絶えない地域でした。その際たるものが、第一次大戦と第二次大戦です。第二次大戦への反省から、これまでは考えられなかったフランスとドイツの2カ国が協調し合う体制を築き、EU(欧州連合)にまでたどりつきました。

 欧州は多民族、多宗教を乗り越える選択をしました。こうした難問を解く人材を多数、輩出しました。

 日本からも真の意味で、多民族をまとめる構想をつくり上げる人材を育て上げたいです。将来、京都大学などで育った人材が国際問題を解決する人材になることを祈るばかりです。

 そう簡単にはできない課題ですが、日本から構想力を持つ人材を輩出する先に、将来の希望があると考えています。

(追記)
 日本経済新聞紙に京都大学の総長として2年に入った山極寿一さんのインタビュー記事が掲載されたことを、弊ブログの2015年10月22日編で紹介しています。