ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

朝日新聞紙のコラム「自動運転車 何のため 誰のため つくるのか」を拝読しました

2015年11月10日 | 日記
 2015年11月8日に発行された朝日新聞紙の朝刊の中面に載っているコラム「波聞風問」の見出し「自動運転車 何のため 誰のため つくるのか」を拝読しました。

 「自動運転車」について、その仕組みや中身をあまり詳しく理解していない方がイメージによって公式な場で発言したことを巡る警句です。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞 DIGITALでは、同様に見だし「自動運転車 何のため、誰のため、つくるのか」として載っています。



 このコラムは、“バズワード”という言葉の紹介から始まります。

 例えば、インターネットの世界では、“ビックデータ”“ユビキタス”が、こうしたバズワードの類いだと語ります。よく耳にする言葉だが、その定義がや概念が曖昧で、話す方はそれぞれが微妙に違うイメージを抱いている言葉だと説明します。

 最近は、「自動運転車」という言葉も、バズワードとして使われている点が気がかりだと語ります。

 先月、科学技術の国際会議の席上で、安倍晋三首相は「2020年の東京では、きっと自動運転車が走っています」と語ったのだそうです。

 こうした自動運転車の説明を聞いて、半可通の方は、オリンピック・パラリンピックが開催される2020年には「自動的に目的地に連れて行ってくれる車が東京を走り回っている」と受け止めた方が多いようだと伝えます。

 現在、開催中の東京モーターショーの会場で、展示コーナーの自動車メーカーの技術者は、入場者の大学生から「免許を取らなくてもいい時代がもうすぐ来ますよね」と言われて、苦笑したそうです。

 「自動運転車」=「運転手が不要の車」というイメージを持った方が増えているそうです。

 実際に、米国のグーグル(Goggle)社が開発中の「自動運転車」には、ハンドル(ステアリング)がついていません。しかし、この「自動運転車」は「レベル4」の「完全自動運転車」です。

 トヨタ自動車や日産自動車などの日本の自動車メーカーが2020年までに実現したいと考えている「自動運転車」は「レベル2」です。自動で車線変更などはしますが、運転者は乗っていて、緊急時にはハンドル操作などの対応をします。対応が不可欠です。

 その一つ技術ランクが上の「レベル3」でも、運転者は緊急時には対応するシステムです。

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長・CEOは「自動運転技術は運転者に“力”を与えるもの」と説明します。運転者の不注意や老いによる能力低下を補うために、周囲を見る視覚センサーや前後などを走る自動車との距離を測る距離センサーなどを駆使して、当該自動車の位置や姿勢・向きを判断し、衝突を避けるなどの安全状態にするようにサポートします。

 2020年時点で、自動運転技術の法整備が実現すれば、「レベル3」の「自動運転車」が実現する可能性はあると、各自動車メーカーの研究開発者は考えているようです。
 
 このコラムを書いた編集委員は、先日、日産自動車が開発中の「自動運転車」に試乗し、東京・有明の一般道を走行したそうです。交差点を曲がり、横断歩道に歩行者がいれば、停止しと、ちゃんと走行したそうです。

 将来も、「レベル3」までの「自動運転車」の中で、スマートフォンを操作したり、居眠りをしたりという気まま運転のニーズを満たすことでは、「自動運転車」の社会的合意は得られないだろうと解説します。

 技術論があまりよく理解できないままで、「自動運転車」の存在を認める必要はないようです。「自動運転車を何のため 誰のため つくるのか」を考え続けたいものです。


(追記)
 東京モーターショーは、この当該記事が掲載された11月8日(日曜日)まで開催されていました。文中の「現在、開催中の東京モーターショーの会場で」とは、記事掲載日での話です。

 自動車技術が専門のジャーナリストの方が、ホンダが最近実施した自動運転車(「レジェンド ハイブリッド」ベース)に試乗した際には、同車には「搭載センサーは、ステレオカメラ、単眼カメラ、ミリ波レーダー6個、赤外線レーザースキャナー6個。車の周囲を認識する機能は、二つのセンサー系を併用して冗長化している。一つの系は、ステレオカメラとミリ波レーダーの組み合わせであり、もう一つの系はレーザースキャナーである。前者に含まれるステレオカメラは車線の検出にも使っている」と、報じています。
 こうした搭載センサーは現行では、ある程度の搭載コストがかかると推定されます。もし、2020年に「自動運転車」が発売されると、かなり高価な車両価格になると考えられます。