ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

日本経済新聞紙の「東芝、出直しへけじめ、旧経営陣と決別示す」を拝読しました

2015年11月09日 | 日記
 2015年11月8日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面に掲載された、見だし「東芝、歴代3社長ら提訴」を拝読しました。

 日本経済新聞紙のWeb版である日本経済新聞 電子版にも、見出し「東芝、歴代3社長ら5人を提訴、会計不祥事」として載っています。



 この再建途上の東芝が、歴代の3社長に損害賠償を求める訴訟を起したという記事は、他の有力新聞紙の朝刊一面にもそろって載っています。

 さて、同日の日本経済新聞紙の朝刊三面には、見出し「東芝、出直しへけじめ、旧経営陣と決別示す」という解説記事がのっています。

 日本経済新聞 電子版でも見出し「東芝、出直しへ一定のけじめ、旧経営陣と決別示す」 と伝えています。


 
 この記事の後半を読んで、驚きました。東芝は、2015年4月から9月期決算で、6年ぶりの営業赤字が約904億円に転落し、収益基盤の一段の劣化ぶりを露呈したと、解説しています。
 
 前期決算までの7年間に、不振のパソコン事業や家電事業、半導体事業で損益を計上したのに続き、今回はPOS(販売時点情報管理)事業でも損益が発生したそうです。上期は、主要5部門の内で、3部門が赤字です。損失と赤字の広がりに歯止めがかからず、再建のハードルは高いと、報じます。
 
 不適切会計の期間を含む2009年3月期から前期までの期間で、東芝は半導体で約800億円、パソコンや家電製品で約500億円の損益を計上しています。それにも関わらず、半導体では、2015年4月から9月期決算で大幅損益となっています。

 このことは固定費の負担が依然大きく、過剰な人員、設備投資、開発投資を合理化する余地が大きいと解説します。半導体事業では、大分県にある画像用半導体の工場の一部をソニーに売却するなどの構造改革が進み出しています。しかし「主力の半導体事業で採算が低下していることから、収益復活の見極めは難しい」と分析します。

 東芝が設けた「役員責任調査員会」によると、2008年4月から2014年12月までで、当時の歴代3社長などの不正会計問題は、税引き前の損益ベースで2248億円の利益の水増しがあったと分析しています。

 東芝は、自社の正しい収益情報がなければ、事業体質の改善は当たり前ですが、できません。不正会計問題は、東芝の会社としての将来(再建)に予想以上の影を落としているようです。

 ここ10年ほどは、日本の大手電気メーカー各社(シャープやパナソニック、ソニー・・)は事業収益の赤字に苦しみ、リストラを実施し、構造改革を続けました。その中で、東芝は事業収支が健全とみられていました。この不適切会計による虚構の事業収益のツケは予想以上に大きいです。

(追記)
 今回、東芝は歴代の社長3人を含む5人に、3億円の賠償請求を求める訴訟を東京地裁に起しました。この3億円という金額は、決算の訂正や東京と名古屋の両証券取引所の上場契約違約金などを併せると、約10億円に達するという見通しを基に決めた金額だそうです。