ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

パナソニックとシャープの事業赤字が止まらないとのニュースに困惑しました

2012年11月02日 | 日記
 日本を代表する大手電機メーカーのパナソニックとシャープの事業赤字が止まらず、苦悩しています。両社ともに、リストラを断行し、事業態勢を見直していますが、なかなか成果が上がらず、困っています。努力しながらも、その目標が達成できず、自信を失っていることと思います。

 パナソニックは10月31日に「2013年3月期連結決算の業績予想を下方修正し、最終損益が7650億円の巨額赤字になる見通し」と発表しました。当初は500億円の黒字の予想でした。欧州の景気減速などによる政界的な市場低迷によって、主力の液晶テレビやスマートフォン(高機能携帯電話機)などのデジタル家電などのほぼ全ての製品・事業分野で当初の販売計画を下回ったそうです。過去最大となった2012年3月期の最終赤字7721億円に迫る、2年連続の巨額赤字で、一層の構造改革が強いられます。

 10月31日の記者会見では、パナソニックの津賀一宏社長は「今は普通の会社でないことを自覚するところから、構造改革をスタートしなければならない」と語り、構造改革をいろいろと始めながら、成果が上がっていないことに、いらだちを隠さない感じです。今後は「事業規模よりも事業採算を重視する方針を貫く」そうです。何をやってもうまく行かないことに、苦悩しています。

 この結果、パナソニックの株価は一時、ストップ安になったとのニュースが流れました。株式市場はなかなか非情です。

 シャープも、11月1日に「2013年3月期連結決算の業績予想が4500億円前後の赤字の見通し」発表としました。液晶テレビや太陽電池などの主力事業が不振な結果のようです。液晶パネルの価格の下落が進み、その評価損による損失が膨らんでいるようです。

 シャープは、話題のIGZO製の中・小の液晶パネルをスマートフォンや携帯型液晶ディスプレーなどに販売することに社運をかける事業戦略を進めていますが、事業収益改善の決め手になかなかならないようです。IGZO(通称はイグゾウ)は、インジウムやガリウムを含む酸化物です。この。IGZO酸化物製の半導体TFT(薄型トランジスタ)を採用した液晶パネルです。こうした最新の開発成果を投入しながら成果が上がらないことに、シャープの社員の方は、事業不振の嵐の中で翻弄されていることと思います。

 10月31日から11月2日まで、液晶や有機EL(エレクトロ・ルミネセンス)などの多種多彩なディスプレィー製品の研究開発品が出展されている「FPD Internationl 2012」(横浜市で開催)が開催されています。パナソニックもシャープも、事業収益の逆転を目指すための最新の研究成果を展示しています。



 上の画像は、パナソニックが展示した、裸眼で3D映像を見られる103型のPDP(プラズマ・ディスプレー・パネル)を、パシフィコ横浜で開催中の「FPD International 2012」(2012年10月31日~11月2日)に出展しています。展示された103型PDPは、画素数が3840×2160(約800万画素)です。

 今回の両社の巨額の事業赤字は、日本の電機メーカーの凋落を示しています。1980年代には常勝軍団だった日本の電機メーカーは、国際市場への対応に苦悩しています。ややリストラ疲れしていると思いますが、なんとか反撃の芽を見いだし、事業の構造改革に成功してもらいたいものです。