まりっぺのお気楽読書

読書感想文と家系図のブログ。
ゆる~い気持ちでお読み下さい。

『学校の殺人』犯人、最初からみえみえ…だけど

2009-11-16 00:11:29 | イギリス・アイルランドの作家
WAS IT MURDER? 
1932年 ジェームズ・ヒルトン

ヒルトンと言えば『チップス先生さようなら』しか読んだことがない私ですが
古本市で推理小説を見つけちゃいましたよ。

推理小説なんでしょうね?
だって~、犯人が丸見えスケスケなんですもの

コリン・レヴェルという駆け出し詩人の青年が、母校の校長からの依頼で
ある少年の事故死を調査することになります。
少年は就寝中にガス灯が落ちてきて死んでしまったのですが
校長は事故死だとは思っていないのです。

結局事故だということになってロンドンへ帰ったレヴェルなのですが
半年後、今度はその少年の兄がプールで事故死したと知ります。
少年は夜、水の無いプールに飛び込んでしまったそうです。

レヴェルは自ら母校にかけつけました。
するとどうでしょう? 今度は校長、ぜんぜん怪しんでいない様子です。

レヴェルはおかまいなしに調査を始めるわけなんだけれども
最初から少年たちの従兄弟にあたるエリングトン教師が怪しい! と疑うのね。
だって、遺産ががっぽり入るんですもの… 誰が見たってそう思いますね?

教師のひとりランバーンも、捜査にやってきったスコットランド・ヤードのガスリーも
同じように考えているようでした。
あとは証拠だけ! と思っていたらランバーンが自殺してしまい
エリングトンの妻ロザマンドの恐るべき告白で事件は解決しちゃいました。
犯人はまったく違う人でした。

しかしレヴェルはエリングトンへの疑惑が消えません。
それに、エリングトンの可愛い妻ロザマンドがかわいそうに思えてきて
なんとか救ってやりたいと考えるようになりました。

レヴェルはやっと証拠をつかんだ!と思うのですが…

自慢じゃないが、本当に早い段階で犯人が分かったんですよ。
レヴェルもガスリーもなんで気がつかないわけ~? と思ってました。

でもさすがにスコットランド・ヤード。
この物語、事件を解決したのはレヴェルじゃなくてガスリーなんです。
しかも犯人が話したたったひとつの失言から真相に気がつくの。

レヴェル可哀想… とんだピエロです。
だけどそのおかげでガスリーは情報が手に入れられたんだから、気を落とさないでね。

あまりにもミエミエな犯人、クリスティならあえて他の人を犯人にしそうです。
推理小説としてはどうかな? というところはありますが
パブリック・スクールを舞台にした小説として読めばそれなりに面白かったですよ。
コメント
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