詩の現場

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イマジズムの詩掌編(6)

2017-06-18 | イマジズムの詩
16)
春の川が
サラサラ流れる
光は水底(みなそこ)にとどき
水玉のように
回転しては流れゆく

サラサラ サラサラ
夕映えの川面(かわも)

ここは、光の産卵の場所だ、
と、風が教えては
通り過ぎてゆく



17)
花となり
実となるまえに
あなたに会いにきた
夕べの風
が、ドアをノックする
明日咲く花は
どんな色を想像しようか
無明の風には
誇らしげな褐色の太陽
青い水滴
もんき蝶が話す花言葉
枯葉の放つ緑色の夢が
詰まっているに
ちがいなかった



18)
風は何度でも、吹いてくる
風乗りに、失敗し続けても
風はまた、吹いてきてくれる
風はついに、
大きな羽を取り出して
これに乗るように
差し出してくれる

傍らで
鳥達が、半ば呆れ顔で
それなら、乗れるでしょ、
と心配しながら
美しい飛び姿を見せて
飛んで行く


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