詩の現場

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イマジズムの詩掌編(9)

2017-08-12 | イマジズムの詩
31)
水を撒く、
照りつける太陽に
花や葉が枯れないように
鳥の喉がうるおうように
虫が水浴びできるように
魚が干上がらないように
水の種を撒く
雨が降りやまない土地には
青空の種が大急ぎで芽吹き
天高く伸びていきますように
種には願いが込められていて、
水を撒く


30)
私たちは笑ったり
泣いたりしながら
歩いていく

悲しみがいっぱいの時は
そっと微笑んでみる
そのうち
雨みたいな涙が
止んでくる

微笑みは
神様からのプレゼント
どんな時も、開けてごらんと
手渡された
誰かに微笑み返せば
優しい音楽のつづきが
流れだすように



29)
夜が明ける前
眠っているきみの胸に
太陽は、
金色の卵を
産み落とす

あちらの家にも
こちらの家にも



28)
白い風船、というのは
あまりに絵画的
形而上学的なイマージュ、

白い吐息を詰めてごらん
徐々にまるみをおびていく
球形のふくらみに
唇をのせて

そう言ったとたん
白い風船が次々に
青空に、はじけそうになり



27)
昨日は ごめんなさい
と言ってみて
何のことだろうと
君も 私も首をひねる、
君とは 樹の上の鳥


26)
それは、はじまりである必要はなかった
いつでもよかった
星降る晩と
言い出してもよかったし
星のない晩と言っても
よかった
どちららも 私には同じことを
言おうとするための
プレリュードであったのだから、
あなたに


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