学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

不文律を大切に

2008-07-17 | 教育
教育は,つまるところ人と人との関係である。

人と人との関係について,
それを完全に記述することは不可能である。

書かれたその段階で,
すでにバイアスやフィルターが
かかっているし,
意図的な錯誤や虚構が含まれているかもしれない。

書かれたものは決して真実を表さないというのは,
表現行為の宿命でもある。

ここのところ,学校でも,
ミッションやビジョンを記述したり,
PDCAやSWOT分析等の記述を求められることが
多くなった。

学校教育をそのようなものであらわすことは,
確かに目先のかわった面白い試みではあるかもしれないが,
それ以上のものではない。

学校の真実は,
決して書くことのできないところ,
書かれないところにこそ存在するのであって,
その意味で,学校を動かしているのは
不文律である。
それは,学校に集う人の集団が作り出すものでもあるし,
また,学校の歴史が作り出すものでもある。

学校のあれこれを,目新しい方法でいろいろ記述してみて,
その面白さに心奪われ,
学校の真実を見失う愚は避けるべきである。

それよりも,
それぞれの学校のもつ不文の法をこそ謙虚に読み取るべきなのである。


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