学校教育を考える

混迷する教育現場で,
日々奮闘していらっしゃる
真面目な先生方への
応援の意味を込めて書いています。

中学入試と学校教育

2009-07-12 | 教育
中学校の入学試験と学校教育について考えてみたい。

高校入試や大学入試をみていると,
基本的には,
中学や高等学校の履修範囲や教科書の記述内容を
踏まえて作られているようである。
このような入試であれば,
学校での学習をよく理解していれば,
本人の努力によって入試を解けるレベルに
到達できる可能性が大きい。

しかし,最近盛んになってきている
中学校入試に関しては,
小学校の履修範囲や教科書の内容と
入学試験のレベルの乖離が大きすぎるように思われる。

特に,中学校入試の問題を見ると,
高校入試や大学入試と異なり,
本人の努力によっては到達しがたいのではないかと
思われる問題が散見される。
いわゆる知能検査的な要素や運に左右される要素が
多分に含まれているような気がするのである。

このような問題に対処するためには,
学習内容の理解を前提とするよりも,
条件反射的に問題を解けるようにする訓練が
有効ということになる。
事実,そのような訓練を施す私教育機関も多いようである。

本人の資質にもよるであろうが,
幼いときからそのような訓練をさせてしまうと,
学習内容を理解するということがどういうことか,
それ自体を誤認してしまい,
問題が解けることイコール学力であると誤認してしまう。
そのような子どもは,
中学入学以降,伸び悩むのである。

学校教育のめざす健全な子どもの発達と
中学校入試のめざす子ども像との乖離が
当事者である子どもの成長にとって
マイナスの影響を及ぼしてはいないかと
強く懸念されるのである。



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2 Comments

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大器晩成 (素人)
2009-07-13 00:21:52
祖母は、私の小学校時代に1と2だけの通知簿を見て、
「この子は、大器晩成や心配せんでいい」と言ってくれたそうで、
おかげで妙な劣等感を抱くことなく、中学高校を過ごし、大学まで出た。
勉強がわかって楽しくなったのは、二十歳を過ぎてからだった。
今どきの風潮の中で育っていたら、
鬱屈した人生を送っていたかも知れないと思うと、
なんだか子どもたちが可愛そうです。
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Unknown (madographos)
2009-07-15 21:59:16
>素人様。コメントありがとうございます。「この子は、大器晩成や心配せんでいい」,いい言葉ですね。このおおらかさが今の教育に欠けているのだと思います。成長を信じる大人の温かいまなざし,それを子どもは求めているのかもしれません。
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