Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(236)

2018-01-24 00:10:00 | コラム
じょー「く」→「く」れーまー(クレーマー)

(1)朝日と読売の契約がダブってしまっていたため、先に取っていた朝日の契約を破棄すべく、

配達員(自分)が度々新聞を入れるのを忘れる、
集金員(これも自分)の態度が横柄、

などと電話で抗議し、実際に契約を切られた。

この主婦の抗議は嘘であったし、自分にはまったく非がなかったので、クレーマーというよりは「ヤカラ」でしょう。


18歳のころのことを未だ根に持っている?

根には持っていないが、人生でこれほど傷ついたことがなかったものでね、忘れられないんですわ。

(2)映画館でアルバイトをしていたとき、お客さんが「音量が大き過ぎる」と文句をいってきた。

たしか、『平成狸合戦ぽんぽこ』(94)だったかと。

これは難しいところだが、クレーマーとはいえないでしょう。

そのとき自分は「映画館ならではの大画面、大音量で、、、」と懸命に説明したが、お客さんは聞く耳を持たなかった。

音量を下げなくてもいいと思うが、「申し訳ございません」と謝るだけでよかったんだよね。

「最善を尽くします」「全力を尽くします」みたいなものか。

(3)ラーメン屋で、元ヤクザのYさんと食事。

YさんはA定食、自分はB定食を頼む。

AとBは「塩ラーメン」か「塩とんこつラーメン」かのちがいだけで、あとはすべて同じ。

店員さんは自分のほうにAを置き、YさんのほうにBを置いた。

2~3口、食べたあとに気づいたんだ。

「あ、これ、逆ですね」

するとAさんは会計時、「AとBが逆だったんだけど」と凄みを聞かせる。

その顔に慄いた店員さんは、それぞれを半額にしてくれた。


まだ20歳だったし、Yさんのことにビビッていたので、なにもいえなかった・・・が、これ、クレーマーっぽい気がするな。

(4)新宿の映画館で、ギャスパー・ノエの衝撃作『アレックス』(2002・トップ画像)を鑑賞。

いやぁ、すげぇ映画だったと席を立つと、係員に喰ってかかっている中年男性が居た。

「―こんな映画が創られるから、世の中でおかしなことが起こるんだ!!」
「…いえ、その」
「どうして、こんな映画を上映する!?」
「…いや、その」
「お前、頭おかしいんか!?」

これは完全に、クレーマーだろう。


「フランスの宝石」モニカ・ベルッチが犯される物語だからね、気持ちは分からんでもないが・・・

向かっていく相手を、完全にまちがっているし!


・・・以上、自分の周りで起こった「クレーマー気味」な出来事。


クレームは英語(claim)だが、クレーマーは和製英語。
21世紀に入って以降に出来上がったことばと思われる。

するほうは相手に頭を下げさせて快楽を得るのかもしれない、しかしそれを見るのも、そういうニュースを聞くだけでも、不愉快になるひとも多いだろう。


以下、映画のなかで印象に残る「男クレーマー」「女クレーマー」をひとりずつ。


『ショート・カッツ』(93)

ケーキ屋の店長(ライル・ラヴェット)が、客へイタズラ電話をかけつづける。

(客の)子どもが交通事故に遭ったことから電話確認の際に「辛くあたられた」ことがきっかけで、ここからクレーマーに変貌。

ただ「かんちがい」であったことが分かると、店長は改心する。


改心しなさそうなのが・・・


『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)

十和子(蒼井優)だろう。

冒頭からクレーマー気質全開の彼女は、それが日課になっているのだから。


※『ぽんぽこ』より、上々颱風のテーマ曲を




次回のしりとりは・・・
くれー「まー」→「まー」ち。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『映画監督別10傑(4)宮崎駿』
コメント (2)
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