Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

罰ゲームでもレリゴーなんて歌えない

2015-02-28 05:52:36 | コラム
某日―。

随分前のバイト先メンバーと呑み会。

総勢20人。
ひとのこといえないが、みんな老けたし肥えた。

先日、同級生が病死したことが堪えていたので、でも生きているだけでいいよね♪ なんて、柄にもなく感慨深くなる。

1次会・居酒屋、2次会・居酒屋、3次会・スナック、4次会・カラオケ、、、ってな具合に、気づいたら朝だった。

呑めないヤツも最後まで付き合ってくれた。
歌うのが好きじゃないヤツも最後まで付き合ってくれた。
喰って呑んで騒いで歌う自分のようなヤツは、じつに気楽なもんだなぁ、、、と思った。

呑めないひと、あるいは自分のペースでゆっくり呑みたいひとに対して「呑んでないじゃな~い」と、なかば強制的に酒を勧めようとするものは嫌われる。
一気を挑んでくるようなヤツなんて、なおさらだ。(未だ、居るんだね。隣りで呑んでいる連中がそうだった)

もちろん自分はそんなことしないが、それは歌うのあんまり好きじゃないひとに「歌ってないじゃな~い」と絡むのも同様のはずで。
付き合ってくれただけでも有難いのに、そうやって絡むと二度と参加しなくなる。

カラオケがもっと流行っていた20年くらい前、友人が「この世は、カラオケファシズムだ!」といって怒っていたことがあったが、
まぁそうとまでは思わないものの、ひとづきあいはいろいろ難しい。

それはともかく。
みんな、歌が巧い。

流行りの曲をよく知っているし、ラップも難なくこなす。
当然レリゴーを歌うひとも居る。

ラップもレリゴーも、自分は無理かなぁ。
巧く歌えるかどうかではなく、自分には似合わないだろうなぁという恥ずかしさから選曲しない。

恥の多い生涯を送ってきているのに?

放っておけよクソヤロウ。


自分は率先して入れることはせず、「間」が出来たら入れるタイプなのだが、一曲だけで年代がモロ分かりな選曲なので、冒頭だけでみんな笑ってくれる。

あぁなるほど、41歳っぽいよね~、、、みたいな。

このときに歌ったのは、5曲。

(1)『借金大王』(ウルフルズ)

自己紹介として。

もう、とっくの昔に完済人になったけど。

(2)『クリープ』(レディオヘッド)

英語の歌詞をちゃんと歌えているかどうかは、またべつの話。

(3)『バカサバイバー』(ウルフルズ)

これまた自己紹介として。

こんな風に生きていきたいからね。




(4)『哀・戦士』(井上大輔)

一部男子で合唱が起こる。

(5)『春夏秋冬』(泉谷しげる)

年々、この歌が好きになっていく。





「このとき」と書いたが、いつもこんな感じである。
年配のひとが多いときは『嵐を呼ぶ男』を入れたり、同級生ばかりのときは明菜を入れたり、若い子が多いときは「初期の」ももクロを入れたりはするけれども。

流行りの曲のほかに、試したことがないのが、女子とのデュエットである。

死ぬまでにいちどくらいはやってみたいものだが・・・そんな機会、なかなか訪れないものだねぇ!!

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『ボツをスギのせいにしてはいけない + 2月コラムの目次』

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初体験 リッジモント・ハイ(117)

2015-02-27 05:55:20 | コラム
♪ 泣きなさい 笑いなさい ♪

と歌うのは、『花』。

♪ ぜんぜん泣けなくて 苦しいのは誰ですか
ぜんぜん今なら 泣いてもいいんだよ ♪

と歌うのは、『泣いてもいいんだよ』。




どっちも、よい曲である。
あるし、歌詞としてならなんとも思わないが、これが物語の世界となると、感動の押し売りというか感情の強制というか、それに気づいた途端に冷めてしまい、泣くことが出来なくなる。
(関係ないが・・・それでも、ももクロはヒャダインと組んでキャッチーな歌を展開していたほうが、「ぜんぜん」魅力的だと思うんだ。布袋さんや中島みゆきも悪くないんだけどね~)


業田良家の傑作漫画、『自虐の詩』。

四コマで大河ドラマをやってのける革新性にやられて大好きになったが、文庫化された際の帯には「泣ける漫画!!」とあって、まぁそのほうが売れるのだろうが、なんだかイヤな気分になった。

大傑作であると認めつつも、自分のなかで微妙な線を行ったり来たりしているのが、スピルバーグの『シンドラーのリスト』(93)。

多くのひとが言及したが、最後に泣き崩れるシンドラーの姿と重なって見えてくるのは、「感動しなさい、泣きなさい」というスピルバーグ演出であったりする。


たしかに「泣きたいから、これに触れる」ということはある。

自分だって、あると思う。(たぶん)

だから煽り宣伝はいつも、

「全米が泣いた!」

みたいな感じになる。


でも。
構えず、泣きの準備をせずに涙してしまう、そういう自然な感情の発露を大事にしていきたい、、、というか、そっちの涙のほうがホンモノっぽいと思うんだ。ちゃんと、しょっぱい味がすると思うんだ。


「怖くて泣いた」を除く、自分が生まれて初めて映画館で泣いた映画は、85年の香港産『ファースト・ミッション』(トップ画像)。

わがヒーロー、成龍ジャッキーのアクション映画である。

成龍が刑事、盟友のサモ・ハン・キンポーは知的障害のある兄を演じる。

成龍による初めての「本格的な」キスシーンがあることで有名な作品だが、コミカルな味つけがされているのに、これで泣く?

うん、大泣きであった。


世話ばかりかける兄に嫌気が差し、弟が兄を何度も何度も本気で(泣きながら)引っぱたく。
兄は(やっぱり泣きながら)それを受け、「しっかりしなきゃ。しっかり生きなきゃ」と改心しようとする、、、というシーン。

涙ボロボロ。
鼻水ダラダラ。

成龍好きの姉と観に行った映画である。
隣りに座る姉に気づかれたくない、だから必死に両手で涙をぬぐったが、ぜんぜん止まらなかった。

同時上映は、早見優の『キッズ』(85)。
ちょっとしたお色気シーンもあって、トシゴロだからこっちのほうが印象に残ってもよさそうなものだが、この涙の思い出のために、『キッズ』がどんな物語だったかも「ぜんぜん」思い出せないのであった。


おわり。


※主題歌は日本語だ!
成龍のサービスではあると思うが、この時代の香港映画が、いかに日本の市場を大事にしていたかが分かる。




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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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初体験 リッジモント・ハイ(116)

2015-02-26 06:00:17 | コラム
10年以上前のことである―。

父親が再婚することになって、どういう流れかは分からないが、自分は義母となるMさんに手紙を送った。

なんとなくしか覚えていないが・・・
牧野家へようこそ! 大歓迎です、クソがつくしょーもない男ですが、ほんとうの息子だと思って接してください・・・とかなんとか、そんなことを書いたのだと思う。

Mさん、それを読んで号泣したのだそうだ。

おぉ自分の文章には、ひとを泣かせる力があるのか―。
そのことがうれしくって、もういちどMさんを泣かせたいと思った。

だから再婚後の、Mさんの最初の誕生日に再び手紙を送ることにした。

「光永くん、プレゼントありがとう~。あと、手紙も、よかったよ~」

・・・あれ。

泣いてない?

くそぉ。。。


こういう経験があるひとは多いだろう、狙って書くと泣けない・笑えないものである。


仕事柄、結婚式のスピーチのアドバイスを乞われることが多い。

「お父さん、お母さんを泣かせたい」

まぁ分かるけどね。
でもああいう舞台に、テクニックは必要ない。
先日の『怒り新党』でもいっていたが、お父さんもお母さんも「泣きにきている」ところがあるので、ふだん涙しないことでもポロリとくるもの、真心こめて書けば大抵は成功するだろう。


「泣ける映画を教えてくれ」

これも困る。
スピーチのアドバイスよりも困る。

ひとには「それぞれ泣きどころがある」という当たり前の理由のほかにも、
泣くために映画を観ているわけではない、、、という理由もある。

自分が最も涙と鼻水を流した三大映画は、これ。

『ロッキー2』(79…トップ画像)

これに関しては繰り返し書いてきた気がするが・・・
ロッキーがアポロに勝つからではない、エイドリアンが難産で、そーとー苦しむからである。

恵まれない人生を歩んできたんだ、スムーズに生ませてやれよ! と、泣きながら本気で思ったものだ。

『奇跡の海』(96)

無償の愛を実践し、こころも身体もボロボロになっていくヒロインが、健気で健気で・・・。

でも、もしこの世に神が居るとするならば、彼女のようなひとに「その資格」が与えられるのだろうな、、、そんな風に思ったら神への道程が過酷に過ぎて同情を禁じ得なかった。

『カノン』(98)

悪あがきだけを支えとしていたダメオヤジが、最後の最後で泣き崩れる。
もうここで涙腺決壊、劇場が明るくなっても涙が止まらなくて困った。

涙を拭き、劇場から出ると、裏口に監督のギャスパー・ノエがマネージャーらしきひとと立っていた。

フランスのひとなのに「エクセレント!」といってしまったのだが、ノエはとびきりの笑顔で「サンキュ、サンキュ!」と返してくれた。

こんなひどい映画を創っておいて、こんなに素敵な笑顔。
そのギャップにやられて、また泣いてしまった。

※流れる『カノン』の旋律効果もあったのだろう。
本編映像が見つからなかったので、『エヴァ』のバージョンで。





涙もろい男ではある。

実生活で泣いた―となると、10年くらい遡らなければいけないが、スポーツや映画ではよく泣くし。

いちばん弱いのは、ある人物が、誰にも知られず努力している場面、、、とかかなぁ。


というわけで。
今回の初体験シリーズは、「映画館で、初めて泣いた作品」でいってみよう。

小さいころ―となると「怖くて泣いた」が入ってしまうので、「切なくて」とか「感動して」泣いたに限定して思い出してみることにする。


つづく。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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クリソツキャラを探せ

2015-02-25 05:46:25 | コラム
あまり「ヒト」に似ているといわれたことがない。

いちばんよくいわれるのが、『セサミ・ストリート』に出てくるバートくん。



ねぇ、ヒトじゃないでしょ?笑

しかし去年だったか、立て続けに「ふたりのヒト」に似ているといわれた。

少し前の真木蔵人、



それから、ヴィン・ディーゼル。



坊主ってだけじゃねぇか!!

・・・・・。

いや、きょうはそういう外面の話ではない。
内面、内面のクリソツさんを探してみようじゃないか。

その物語を好きになるということは、登場人物に感情移入したり、自分に似ているところがあるなぁと思うことと同義である、、、ことが多い。

とはいってみたものの・・・

たしかに『タクシードライバー』(76)のトラビスにはシンパシーを感じるところが多いが、それでも自分との相似点は30%くらいだと思う。

『キャリー』(76)のキャリー・ホワイトで、40%くらい。
『天国と地獄』(63)の権藤さんに至っては、10%にも満たないと思う。

これらのキャラクターは、
自分が思っていること、思っていても出来ないことを代わりにやってくれた―だから、好きになったのかもしれない。

そうじゃなくって、もっと相似の関係にあるキャラクターが居るはずである。

60%、『カノン』(98)のダメオヤジ。

うんうん、分かる。

70%、『マグノリア』(99)のフィリップ・シーモア・ホフマン。

うんうんうん、分かる分かる。

もっと上を目指してみよう。

・・・・・。

そうして、ひとりだけ、99%の相似キャラクターが存在することに気づいた。

『桐島、部活やめるってよ』(2012)に登場する、映画部の主人公・前田涼也(神木隆之介)・・・じゃなくて、彼の親友、前野朋哉が演じる武文(トップ画像)である。

現在は分からないが、少なくとも高校時代の自分はこんな感じだった。

※この予告編で、「おっまた~♪」という子ね





前田くんと同様に、そーとーダサい。
ダサいが、映画愛だけは自分がいちばんと思っていて、クラスのイケてる女子たちの嘲笑に対して「俺の映画では、あいつらは絶対に起用しない」などといってみせる。

いじらしくって、胸が熱くなるんだ。
それはきっと、かつての自分をそこに見ているから。

それほどまでに自分と似ているのに、なぜ100%じゃない?

それはつまりあれだ、武文くんは男子としてのプライドがあるからそんなことしないと思うが、
自分は「あいつらは絶対に起用しない」と啖呵を切っておきながら、夜のオカズに彼女たちを起用するであろうことが容易に、じつに容易に想像出来るからなんだ。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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幸福な疲労感

2015-02-24 05:37:22 | コラム
いつだったか忘れたが、米オスカー授賞式の司会をやった俳優が、

「絢爛豪華な2時間を、4時間かけて放送します」

と、いったことがある。

会場は爆笑に包まれたが、たしかに授賞式は長いことで有名。
きのう放送された「第87回アカデミー賞授賞式」も例年どおりに長く、WOWOWの中継は5時間にも及んだ。

堂々4時間の映画もあることはあるが、なぜかそれよりも疲れる。
あの俳優に、監督に取ってほしい。あぁなんでこの作品が受賞するわけ? などなど、映画小僧歴が長ければ長いほど、様々な感情が押し寄せてくるからだろう。

あぁ疲れた、しんどい。
でもこの疲労感は幸福なものである。

映画小僧の証、、、のような気がするから。


以下、箇条書きで総評

(1)ニール・パトリック・ハリスによる司会は軽快、ブリーフ一丁になっても下品に映らないスマートさはすごいと思った



(2)監督賞だけは、12年をかけたリチャード・リンクレイターにあげたかった

(3)ジュリアン・ムーアおめでとう! いまでも充分美しいが、出来れば、もっと美しくて皺が目立たない若いころに取ってほしかった



(4)『サウンド・オブ・ミュージック』のトリビュートとして、レディー・ガガが名曲の数々を歌う。
最初は似合わないのではないか・・・と思ったが、きっちり歌い上げて感心した。

(5)歌曲賞候補のパフォーマンスが相変わらず素晴らしくて、FNS歌謡祭は参考にするべきでは?

(6)ジョン・トラボルタの一挙手一投足が気持ち悪くて、ひじょうに笑えた

(7)会場にスコセッシの姿が見えなかったのは、『沈黙』撮影中だからか?

(8)クロエ・グレース・モレッツの衣装が可愛かった



(9)日本の特派員としてレポートしていた俳優の斉藤工が面白くて、ちょっと好きになった

(10)WOWOWののスタジオ側のゲスト、寺島しのぶが『バードマン』についてラストシーンに言及、ヤフーの記事になるほど映画ファンから批判を受けていた。
たしかにネタバレはまずいよ、ほとんどの日本人が「これから」観るんだから。


自分の予想的中率は・・・

24部門中、10個。

たったの、10個!!

すいません、ぜんぜんダメだった涙


☆印は、自分が的中させた部門

■作品賞 ☆
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

■監督賞
アレハンドロ・G・イニャリトゥ 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

■主演男優賞
エディ・レッドメイン 『博士と彼女のセオリー』

■主演女優賞 ☆
ジュリアン・ムーア 『アリスのままで』

■助演男優賞
J・K・シモンズ 『セッション』

■助演女優賞 ☆
パトリシア・アークエット 『6才のボクが、大人になるまで。』

■脚本賞 ☆
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ニコラス・ヒアコボーネ、アレクサンダー・ディネラリス・Jr.、アルマンド・ボー『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

■脚色賞
グレアム・ムーア『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』

■視覚効果賞
『インターステラー』

■美術賞 ☆
『グランド・ブダペスト・ホテル』

■撮影賞 ☆
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』

■衣装デザイン賞 ☆
『グランド・ブダペスト・ホテル』

■長編ドキュメンタリー賞
『CitizenFour』

■短編ドキュメンタリー映画賞
『Crisis Hotline:Veterans Press 1』

■編集賞
『セッション』

■外国語映画賞
『イーダ』(ポーランド)

■音響編集賞
『アメリカン・スナイパー』

■録音賞
『セッション』

■メイクアップ&ヘアスタイリング賞 ☆
『グランド・ブダペスト・ホテル』

■作曲賞
アレクサンドル・デプラ『グランド・ブダペスト・ホテル』

■主題歌賞 ☆
“Glory”『Selma』

■長編アニメーション賞
『ベイマックス』

■短編アニメーション賞
『愛犬とごちそう』

■短編実写映画賞 ☆
『The Phone Call』





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