Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

イカレポンチでいこうぜ

2017-09-30 00:10:00 | コラム
(1)スティックタイプのカフェオレを飲もうと、台所でマグカップを用意。



湯が沸くのを待ち、スティックを開けて粉をマグカップではなく「ゴミ箱」に放ってしまう。

1.5秒後に、あ!!

(2)コンビニで買い物をして帰還、ポケットに手を突っ込み、500円硬貨とレシートを出す。

「500円硬貨をテーブルに」置き「レシートをゴミ箱に」入れるはずが、その逆に、500円硬貨をゴミ箱に放ってしまう。

1.5秒後に、あ!!


こんな、イカレポンチなことばかりやらかしている。

つまりは、トシなのか。

いやいや、チューネンではあるが、まだまだだろう。
年配のひとに、怒られてしまうよ。

まぁ、やらかすことそれ自体はドジというだけで済む話だ、情けないのは・・・
粉のカフェオレはどうにもならないが、汚いゴミ箱から500円硬貨を探さなければならない図である。

ザーメンを拭き取ったティッシュが入っているし、鼻くそを塗りつけた? ティッシュが入っているし、メクソハナクソザーメンだらけなのだから。


繰り返すが、基本がドジだ。

チャップリンもまた、ドジであった。

訂正、映画のなかのチャップリンは、、、である。

このドジが真性のドジのように見えるので、チャップリンは「器用な不器用」と評された。

その芸がいかんなく発揮されたのは、銃さえマトモに使えない兵士を演じた『担え銃』(18)と『独裁者』(40)だろう。


※手榴弾ひとつで、こんな笑いを生み出せる





実際に・・・

針に糸を通せない

リンゴの皮をつながった状態で剥けない

ガンプラが好きだったのに、マトモにプラモデルを完成させることが出来ない

・・・そんなヤツがチャップリンを引き合いに出すのも失礼な話だとは思うが、

もし、誰かに「汚いゴミ箱から500円硬貨を探さなければならない図」を目撃されたら、「いや、器用な不器用だからね。ネタとしてやっているんだよ」とクールな顔でいい放ってみたいものである。

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明日のコラムは・・・

『去年より、まちがいなく豊作です。 + 9月コラムの目次』
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「THE」をつけるか否か

2017-09-29 00:10:00 | コラム
「俺たちの名前は、俺たちのバンド名は…」
「…」

「コミットメンツ?」
「(頭に)ザ、がつく」
「スペルは?」
「THE」
「…」

映画『ザ・コミットメンツ』(91…トップ画像)より




…………………………………………

だいぶ年下のライター仲間がバンドを組んだというので、バンド名を聞いたら「頭にTHEをつける」のだそうだ。

「若いのに渋いねぇ。ぎりぎり、自分の世代までだよ、THEを格好いいという感覚。Facebookのザッカーバーグも、友人の助言を受け入れてTHEを取り除いたくらいだよ」

「そうなんですよ、でも自分らは、入れたかったんです」


そう、たしかに昔の格好いいバンドたちは、みんな頭にTHEがついた。

ビートルズも正確には、「The Beatles」。
ドアーズも「The Doors」だし、ストーンズだって「The Rolling Stones」なのだった。




日本のバンドも、それに倣うひとたちが多かったはずで。

甲本ヒロトなんか、まさにその世代だからこそ「THE BLUE HEARTS」「↑THE HIGH-LOWS↓」「ザ・クロマニヨンズ」といった具合に、自らのバンドに「THE」をつけているのだろう。


けれども。
そんな彼のバンド名の「THE、よりうしろ」を聞くと、現在の流行となっている「文章のような、長い」名前なのである。

敢えては記さないが、たとえば「The ゲスの極み乙女。」「THE SEKAI NO OWARI」みたいな感じ。


うん。

すっごくビミョー。

だから、それってどうよ?

とは、もちろん突っ込んだ。

それでも彼はめげない、「アップルだってああやって売れたからOKになっているけれど、よく考えたらヘンでしょう、なんだよリンゴって、、、みたいな」などと、どこかで聞いたようなことをいう。

まぁ、本人たちが満足しているのならそれでいいのだろう。


映画のタイトル同様、バンド名や曲名は「顔」になるから、それはそれは大事なものであるし、センスも問われる。

北野武の『3-4X10月』(90)を「どう読むかも分からない。客をバカにしている」と怒った識者も居たが、

自分なんかは、L⇔Rに驚いたクチだ。



センスはあるかもしれないが、「どう読むの~??」みたいな。


そういう意味でいうと。
音楽性の好き嫌いは置いておいたとして、真逆のことばをあわせたサイレントサイレンは素晴らしいと思う。

※ベースのあいにゃん(左)が好きです




話を戻して、彼との会話から。

「じゃあ牧野さんだったら、どんな名前をつけるんです?」

「映画のプロダクション名だったら、考えたことあるんだけどね。すべて映画からの引用だけど。グッドフェローズとか、ティティナとか。バンド名かぁ…」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


これが、ぜんぜん浮かばない。

プレッシャーとかでは、たぶんない。

頭のなかに、ひとつも浮かんでこなかったんだもの。


「ねぇ、難しいでしょう」


難しいということは、よく分かっている。

そこいらへんのセンスは持ち合わせていない、、、ということも分かっている。


「つまり、自分のことを、よーーく理解しているってことだよ」

「なんですか、それは」


年下に呆れられ、面目ない43歳なのだった―。

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明日のコラムは・・・

『イカレポンチでいこうぜ』
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サヨナラ、サヨナラ…サヨナラ

2017-09-28 08:25:53 | コラム
宮崎爺(の、繰り返されるアレ)は、ほとんど恒例行事と化しており、笑って受け止められるので問題なし。

リュック・ベッソンがかつて発言した、「10本撮ったら映画監督を辞める」は信用出来ない。
(べつにベッソンが嫌いといっているわけじゃない)

ただQTタランティーノの「10本撮ったら辞める」は、なぜかは分からないが本当のような気がする。




misonoや泰葉の場合、受け手が苦笑してしまうのは、いってしまえば、こっちが小物と解釈しているところがあるのに、本人は大物と思っているところから生じる「ずれ」のため、、、なのではないか。

でも苦笑とはいえ笑ってしまえるのだから、それも「あり。」といえば「あり。」か。


「さよなら」を口癖のようにいっていた淀川センセーは、生涯現役だった。



現役をつづけても「職種的に」問題なかったといえるが、映画のために結婚を「捨てた」ひとであるからして、覚悟がちがうぜモノがちがうぜってところだろうか。


少し脱線するが・・・

本コラムにおいて、淀川センセーの登場率はなかなかに高い。

もちろん尊敬しているから、だが、批評家として特別優れているひと、、、とは個人的には思わなかった。

自分が信奉する批評家は、田山力哉、今野雄二、ピーター・トラバースといった面々。

淀川センセーが優れていたのは、その「語り口」と、驚異的な「記憶力」であり、自分もその点で尊敬していた。

どっちにしろ、すげーひとですよ。


話を戻して。

切なくなるのは、やっぱりアスリートの引退でしょう。

10年以上前は「負け知らず」だった格闘家・五味隆典が5連敗、先日の試合の直後、ファンの前で涙し「ここに上がるレベルではないのかもしれない」と語った。

事実上の、引退発言かなぁ。



強い印象のまま表舞台から去ったのは魔裟斗くらいで、大抵のファイターは連勝記録が止まった/王座から陥落した、という衝撃の展開のあとにグローブを置く。

選手生命が短い世界なので、余計に切ない。


もちろん、カムバックするケースもある。

「レスラーとミュージシャンの引退ほどあてにならないものはない」といったひとが居るが、たしかにそうで。

それで再び輝けるひとも居れば、そうでないひとも居る。


「十中八九」失敗するのは、AVの世界だろう。

2年前に大人気だったAV嬢でも、カムバック後に輝けたひとは「ほぼゼロ」。

ちょっと前まで「過激」とされていたプレイが、現在では「あたりまえ、のこと」とされている、その時代の変化についていけないのだった。


そして、安室ちゃんである。




好きでも嫌いでもないが、格好いいとは思うし、好んで聴いていたわけではないのに、代表曲のいくつかはソラで歌える。

年齢もちかいしね、たいしたスーパーママですよ。


各所で「いつか、また」「いやいや、復帰なんかないだろう」といった議論? が展開されているけれど、個人的には、たぶん後者で、百恵・原節子タイプなんだと思っている。





いま熱中している『ツイン・ピークス2017』の放送が終わったとしても、流れに乗って『ツイン・ピークス「ロス」』とは口が裂けてもいいたくない自分ではあるけれど、ファンが寂しい思いをするっていうのは分かりますよ、みんな、なにかに寄りかかって生きていくものだからね・・・。

表現は適切ではないかもしれないが・・・
それが、「代わりがきかない」ひと・ものであれば、なおさらだと思う。

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『「THE」をつけるか否か』
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にっぽん女優列伝(30)市川実和子

2017-09-27 00:10:00 | コラム
76年3月19日生まれ・41歳。
東京出身。

インスタ


きのう―。
ひじょうによく似た姉妹ではあるものの、映画を観れば「どっちかどっちだか、すぐ分かる」と書いていたクセして、妹の紹介で姉の写真をアップロードしてしまいました苦笑

そんなわけで、姉・市川実和子(いちかわ・みわこ)さんの登場です。

盗作騒動「の、ようなもの?」が起こらなかったとしたら、いま現在も文芸界でそこそこのポジションに居たであろう田口ランディの『コンセント』映画版(2001)で、初めて実和子さんを意識したのですが、

ヌードを披露していて、たしか「乳首、吸って~♪」みたいな台詞があったと思うんです。



「たいした度胸だなぁ」と感想を漏らした自分に対し、当時のハニーが「モデルさんにとって乳首を出すことは、なんでもないことなんじゃない? パリコレとかでも、けっこう見えているし」と返しました。

そういうもん、だべか。

人気の若手女優にも見習ってほしい・・・などと助平は思うわけですが、この映画1本で、実和子さんのことが好きになったのでした。


モデルとしてどうかは、はっきりいって分かりません。

道端三姉妹の真ん中のひと笑 はキレイだと思うけど、基本ロリコンなので、益若ちゃんのほうがはるかにグッとくる―そんな男ですから。

ただ女優としては、姉妹そろって、とても面白いキャリアを築いていて、目が離せない存在なのです。

<経歴>

じつは三姉妹。
(いちばん上のおねいさんは、一般職のひとだそうです)

10代のころスカウトされ、ファッションモデルとしてデビューする。

大瀧詠一によるプロデュースで歌手デビューも果たし、前述した元ハニーによると「上手くはないけど、クセになる」んだとか。


映画俳優デビュー作は、2000年の『アナザヘヴン』。

『リリイ・シュシュのすべて』(2001)では、夏休みの中学生が変わっていく「きっかけ」となる案内役を好演、
『昭和歌謡大全集』(2001)を経て、不気味なエロスがたまらない『コンセント』で初主演を果たす。

『キスとキズ』(2004)、『タナカヒロシのすべて』(2005)、『夢の中へ』(2005)、『イン・ザ・プール』(2005)、『オペレッタ狸御殿』(2005)、『待合室』(2005)、『人のセックスを笑うな』(2008)、

妹さんは俳優としての塚本晋也と共演していますが、お姉さんは監督としての塚本晋也と組み、『悪夢探偵2』(2008)に出演。





きのうも記しましたが、妹さんに比べ、「やや」尖ったキャラクターを得意としているように思います。


『余命』(2009)、『八日目の蝉』(2011)、『はやぶさ/HAYABUSA』(2011)、『まほろ駅前狂騒曲』(2014)、
『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』(2015)、
そして最新作が、『猫なんかよんでもこない。』(2016)。


ファッション誌などでは姉妹共演をしているふたり、いつか映画で・・・というのも、あり。なのではないでしょうか。


次回のにっぽん女優列伝は、市川由衣さんから。

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『サヨナラ、サヨナラ…サヨナラ』
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にっぽん女優列伝(29)市川実日子

2017-09-26 00:10:00 | コラム
78年6月13日生まれ・39歳。
東京出身。

公式サイト


姉妹そろって、真の意味で? 個性的な顔立ちをしている市川実日子(いちかわ・みかこ)さん。
(姉・市川実和子については、あす言及します)

モデルから女優畑にやってきたひとたちのなかでは、姉妹ともども「比較的」成功しているほうだと思います。

デビュー当時は、どうしたって似た感じがするため「キャラ的にかぶってしまうかも…」という不安はあったのですが、これがまた、「かぶるようで、かぶらない」。

記憶のなかでは、「あれ、どっちがどっちの映画に出ていたんだっけか?」と混乱することはあるのですが、それは名前が似通っているから、、、かもしれず、映画を観ればすぐに「あぁお姉ちゃんだった」「こっち妹だ」と分かります。

そこそこ長いキャリアの持ち主、ではあるものの、実日子さんの代表作は、やっぱり『シン・ゴジラ』(2016)でしょう。




これで、顔と名前を覚えたひとも多いでしょうからね。

<経歴>

94年、雑誌『Olive』の専属モデルになる。

知り合いの女子によると「姉ありき」の印象が強かったようですが、姉妹ともに人気があったとか。

実質的な映画俳優デビュー作は、2001年の『とらばいゆ』。

瀬戸朝香と「わが」塚本晋也が夫婦を演じていて、実日子さんは瀬戸朝香の妹、しかも姉妹そろって女流棋士という珍しい役柄を好演しています。
これ、あまり知られていない映画ですが、たいへんよく出来ている佳作かと。


『ラヴァーズ・キス』(2003)、
初主演した魚喃キリコ原作の『blue』(2002)でモスクワ映画祭の主演賞を受賞、雰囲気のあるひとなので、女優に向いているのだろうな、、、とは思っていたものの、すごく器用で驚きました。

俳優の田辺誠一が監督した『ライフ・イズ・ジャーニー』(2003)、
このころから鬼才アンノには注目されていたということでしょう、『キューティーハニー』(2004)に出演、

以後も『いま、会いにゆきます』(2004)、『嫌われ松子の一生』(2006)、『吉祥天女』(2007)、『めがね』(2007)、『おと・な・り』(2009)、『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』(2010)などで印象的な演技を披露する。

2010年代に入っても、マイペースで女優キャリアを築いていきます。

『レンタネコ』(2012)や『ぼくたちの家族』(2014)を観ていると、「やや」尖ったキャラクターを得意とする姉に比べ、実日子さんのほうは、「やや」おっとりしたキャラクターが似合う感じがします。

2016年、『シン・ゴジラ』に出演。
豪華出演陣のなかで、主要といえるであろう尾頭ヒロミ役を熱演する。



本年も公開中の『三度目の殺人』(2017)、18年に公開予定の『羊の木』など、話題の映画に出演。


堂々の主演! ということは、あんまりないのですけど、いちどくらい、そういうのも観てみたいですよね。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(30)市川実和子』
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