Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

令和版・海外俳優列伝(168)ダニエル・デイ=ルイス

2024-10-31 00:10:00 | コラム
57年4月29日生まれ・67歳。
イギリス出身。

ナイトの称号を得ているので、正確には「サー・ダニエル・マイケル・ブレイク・デイ=ルイス」。

野卑で狂気的な演技を披露しようとも内面の高貴さは失わず、だから、どれだけ「いっちゃてる」キャラクターであっても、このひとこそ正しいのかも!?と思わせてしまう抗い難い魅力があって。
ゆえに、引退して靴職人になろうとも、スコセッシやポール・トーマス・アンダーソンのような天才がわざわざ彼の自宅まで訪れ、説得し、懇願し、自作に出させようとする。

デイ=ルイス様は、その願いにYESというときもあればNOとしかいわないときもある。

おぉ!
スコセッシにNOといえるひとなんか、ミック・ジャガーとデイ=ルイス様くらいなんじゃないの!?


そりゃあ、イザベル・アジャーニも惚れるわなぁ。
そうなんです、泣いたり叫んだり怒鳴ったりしなければ、フツーにハンサムだしね(^^;)




<経歴>

ダブリンのイメージが強いのは、93年にアイルランドの市民権を得たからでしょう。

父親は桂冠詩人、母親は女優。
姉はドキュメンタリーの監督。

アジャーニとの交際期間は長かったものの一緒にはならず、アーサー・ミラーの娘レベッカと結婚。

息子ローナン・デイ=ルイスの映画監督デビュー作が控えており、
半引退状態であったパパも今回ばかりはスクリーン復帰するそうです^^

オールド・ヴィク演劇学校卒。

映画俳優デビュー作は、71年の『日曜日は別れの時』。

しばらくは舞台をメインに活動し、80年代に入ってから映画に本腰を入れる。

『ガンジー』(82)、
『マイ・ビューティフル・ランドレット』(85)や『眺めのいい部屋』(86)などの渋い英国系作品を経たのち、
88年の『存在の耐えられない軽さ』から映画ファンに知られる存在に。

89年―脳性麻痺の画家を熱演した『マイ・レフトフット』でオスカー主演賞受賞。


走って走って走りまくる『ラスト・オブ・モヒカン』(92)、


初めてスコセッシと組んだ文芸映画の「超絶」大傑作『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(93)、


『マイ・レフトフット』のジム・シェリダン監督と再タッグを組んだ『父の祈りを』(93)と『ボクサー』(97)、
魔女狩りを主題とした問題作『クルーシブル』(96)。

そしてこのころ、俳優業「いちどめの」引退宣言。
実際に靴職人としての修行を開始していますが、徹底した役作りを展開するため心身ともにズタボロになってしまうのですね、だから映画が完成したあと「もういいかな…」という虚無感のようなものに襲われるのかもしれません。

それでも野心家は彼を放っておきません。

2002年、スコセッシのストーカーのようなオファーに負けて『ギャング・オブ・ニューヨーク』に出演。

2007年、今度はPTAにストーキングされ『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』に主演し2度目のオスカー主演賞に輝く。

現時点におけるキャリア最高の演技だと思います、最高!



2012年、スピルバーグによる『リンカーン』で3度目のオスカー主演賞。


出れば賞を取る入れ食い状態ですが、映画のキャリア構築に関しては相変わらず貪欲にはなれず、PTAの『ファントム・スレッド』(2017)を最後に再び引退宣言。

今回、それを覆させたのは息子さんであった、、、というわけです。

ファンからすると可能なかぎりスクリーンでの演技が見たいので、息子ちゃんには感謝しかありません^^


次回の列伝は、ダニエル・ラドクリフさんから。

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『先走り野郎、健在ということで(^^;) + 2024年10月コラムの目次』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

令和版・海外俳優列伝(167)ダニー・デヴィート

2024-10-30 04:20:03 | コラム
44年11月17日生まれ・79歳。
アメリカ出身。

147cmという低身長と親しみ易い風貌のため、コメディアンとしてのイメージが強いデヴィートさん。
(昔は一部で、デ・ヴィート表記だった記憶が)

コミカルさが売りのひとつであることは間違いないものの、じつは優れたプロデューサーとしても有名で・・・

『リアリティ・バイツ』(94)や『パルプ・フィクション』(94)、『ガタカ』(97)、『エリン・ブロコビッチ』(2000)などなど、映画マニアだけでなく一般層にまで届く良質な映画を数多く手がけています。
新鋭監督に対する目利き、そこがとても優れているということかな。


※そういうひとだからこそ、この大傑作の冒頭ナレーションを任されたりもするのでしょう



<経歴>

アメリカン演劇アカデミーで演技の基礎を学び、舞台からキャリアをスタートさせる。
そのころに知り合ったのがマイケル・ダグラスで、ルームシェアするほどの仲良しに。

映画俳優デビュー作は、そんなマイケルがプロデュースに名を連ねる75年の『カッコーの巣の上で』。

マクマーフィに何度叱られ罵倒されても、ぜんぜん気にしないニコニコ男マティーニを好演しています。


ここでジャック・ニコルソンと仲良くなり、度々共演することに…ってマイケルともそうですが、ひとのよさや人望があることはキャリアの築きかたで明らかですねぇ。

デヴィートさんを嫌うひとは居ないのではないかしら^^


『愛と追憶の日々』(83)、
マイケル主演、キャスリーン・ターナー共演のアドベンチャー映画『ロマンシング・ストーン 秘宝の谷』(84)と『ナイルの宝石』(85)、
『殺したい女』(86)、

シュワ氏と共演を果たしたコメディ『ツインズ』(88)、


夫婦喧嘩を戦争になぞらえたブラックコメディ『ローズ家の戦争』(89)では「ロマンシング・ストーン」組を再結集させつつ監督も兼任、

『アザー・ピープルズ・マネー』(91)、

ペンギンを怪演、完全に主役を喰った『バットマン リターンズ』(92)、


ジャック・ニコルソンにタイトルロールを演じさせ、米国近代史の闇に迫った監督作『ホッファ』(92)、


シュワ氏と再共演した『ジュニア』(94)、
『ゲット・ショーティ』(95)、『マチルダ』(96・兼監督)、『マーズ・アタック!』(96)、
ハリウッドの光と影を見つめる記者を演じた『L.A.コンフィデンシャル』(97)、
『レインメーカー』(97)、『ヴァージン・スーサイズ』(99)、『マン・オン・ザ・ムーン』(99)などなどなどなど、とくに90年代の活躍が目覚ましい。

自分が最も映画館に通っていた時期ともかぶるため、スクリーンを眺めながら「またデヴィートさん出てきたぜ!」なんて思ったものです。。。


ほかの出演作に・・・
『ビッグ・フィッシュ』(2003)、
『容疑者、ホアキン・フェニックス』(2010)、『トッド・ソロンズの子犬物語』(2014)、『ダンボ』(2019)、
『ホーンテッドマンション』(2023)、そして最新作は『ビートルジュース ビートルジュース』(2024)。

ティム・バートンの誘いには絶対に乗るし、
それでいて頑なにインディーズで戦いつづけるソロンズにも手を差し伸べる。

やっぱり、よいひとなんだなぁ!!!

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(168)ダニエル・デイ=ルイス』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

KO-SHI

2024-10-29 00:10:00 | コラム
10年前であれば、チャリ抱えて5階まであがることもノンストップで出来たのだが(^^;)(^^;)(^^;)

某日の事件から、再びチャリを団地玄関前まで運ぶことにして2週間。
出来ない運動ではないのでつづけてはいるが、ノンストップではなくなった。

3階踊り場で、少し休む。
しかし団地の階段は狭いので他者とすれ違うシチュエーションは避けねばならない。
だから10秒だけ休んで再び持ち上げ進む。

やっとこさ、5階到着。

で、きのう腰をひねった。
大事にはならなかったが、そうだよね軽量チャリとはいっても5kg以上はあって、しかもデカく、さらにいえば狭いからラクな格好で動けるわけでもない。
あらためて引っ越し業者や宅配業者に尊敬の念を抱くが、気をつけなきゃね。

他者の階段利用と、
他者宅にタイヤとかをぶつけないこと、
それから腰と。

慎重にせねばならぬことがいっぱい!

あらためて、チャリを傷つけたものへの憎悪を抱くよ!!


※憧れのジョシカク・ファイターのひとりです^^



…………………………………………

明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(167)ダニー・デヴィート』
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画系音楽系文学系あいうえお10選(27)

2024-10-28 03:23:11 | コラム
本日より「か」から選択…本日は「『風』がポイントになる作品」

「風」は、選択肢が異様に多いです。
みんな風に吹かれ、風を吹き、その存在感を放ったり、あるいは揺らいだりさせる。

表現において、雨の次に多い「自然の小道具」なのかもしれません。。。


①音楽『風立ちぬ』(81)…松田聖子×松本隆×大瀧詠一

作り手にも恵まれているのでしょうが、このひとは名曲ぞろいですよね^^



②映画『風の谷のナウシカ』(84)…宮崎駿

宮崎爺も、「風」が好き。
ちなみにこの映画が発表された時点では、ジブリは存在していません。


③音楽『風に吹かれて』(63)…ボブ・ディラン

ディランを知らずとも、この曲くらいはどこかで聴いたことがあるでしょう。



④小説『風の又三郎』(34)…宮沢賢治

ストーリーテラーとしてだけでなく、このひとはタイトルのつけかたにもセンスがありましたよね。


⑤映画『風が吹くとき』(86)…ジミー・T・ムラカミ×レイモンド・ブリッグズ

本年リバイバルされました。
原爆の被害、その余波がいかに凄まじいものなのか、『オッペンハイマー』との同日鑑賞をおすすめします。



⑥小説『風が強く吹いている』(2006)…三浦しをん

駅伝を主題とした青春小説。
スポーツの躍動感を文体で表現出来るひとって、そうは居ないはず。


⑦音楽『風は吹いている』(2011)…AKB48×秋元康

まだ売れていたころの、その後期の?楽曲だと思いますが、自分これ好きなんですよ^^



⑧映画『風花』(2001)…相米慎二

天才・相米の遺作。

俳優としてのキョンキョンが、いいなぁ!と思うようになったのもココからかな。



⑨漫画『風の輪舞』(90年代~?)…津雲むつみ

昔付き合っていた彼女さんがコミックス持っていて熱心に読んでいたので、自分もなんとなく読んでいた。

輪廻が絡む恋愛モノ、、、としか覚えておらずウィキペディア開いてみたら、熱狂的ファンであろうひとによるアラスジが詳細に過ぎてちょっとこれはすごいなと(^^;)


⑩映画『羅生門』(50)…黒澤明×芥川龍之介

あの風。
あの風さえ、吹かなければ。。。


…………………………………………

明日のコラムは・・・

『KO-SHI』
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画系音楽系文学系あいうえお10選(26)

2024-10-27 00:10:00 | コラム
「お」から選択…本日は「『オオカミ』が出てくる作品」

間近に居たらそりゃ怖いかもしれないけれど、ある一定の距離から眺める狼は(オスメス無関係に)凛々しくて格好いいなと。

ヒトは狼に対し、「生物的に」だけでなく、ちょっとした畏怖の念を覚えているのかも…と思うのは、物語世界における立ち位置にあります。


①音楽『狼になりたい』(79)…中島みゆき

このシリーズで何遍登場するのでしょう、
自分、みゆきさんがそーとー好きみたいです^^

♪買ったばかりのアロハは、どしゃ降り雨でよれよれ
まぁいいさ、この女の化粧も同じようなもんだ 狼になりたい ♪


②映画『狼たちの午後』(75)…シドニー・ルメット×アル・パチーノ

銀行強盗に、入ってはみたけれど。。。

原題は『DOG DAY AFTERNOON』、しかしこれは「狼」でも「犬」でもなく、直訳すると「初夏の日の午後」。

思いっ切り誤訳な感じがしますが、物語にはバシッとハマっていて悪くないと思うのです。



③ロックバンド『MAN WITH A MISSION』(2010~)

「狼でイメージするのは?」といったら、若い子の多くはこのひとたちと答えるのでは?



④映画『狼たちの街』(96)…リー・タマホリ

男っくさい物語のなかで、ジェニファー・コネリーとメラニー・グリフィスの艶っぽさが光る。



⑤小説『蒼き狼』(59)…井上靖

初代ハーンのチンギス・カンを描いた歴史小説。

自分にとっての初・井上靖だった、、、って、渋いでしょ?(^^;)


⑥音楽『狼なんか怖くない』(78)…石野真子×阿久悠×吉田拓郎

初々しいですなぁ、あらためて聴くと、このあとにワンサカ出てくるアイドル歌手より、ぜんぜんちゃんと?歌が出来ている気がします。



⑦映画『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(90)…ケビン・コスナー

ヤケッパチになった主人公像と、このタイトルの由来を思いついた時点で、この映画の成功は確定していたのかもしれない。



⑧童話『赤ずきん』(1697~)

いろんな改変があったうえでの、グリム童話版なのだった…が、自分が触れたものと現代のものとでは、また変化が生じているようで…??


⑨映画『狼の血族』(84)…ニール・ジョーダン

少女の性的成長を狼の生態になぞらえた快作、

とにかくこの女の子がいいんだ!!



⑩小説『狼王ロボ』(1898)…アーネスト・トンプソン・シートン



シートンは作家ではなく博物学者です。
でも抜群のストーリーテリングで、一気に読ませる。

たしか父親が『奇巌城』とこの本を2冊買い与えてくれて、そこから読書の楽しさを覚えていったのだったか…^^

…………………………………………

明日のコラムは・・・

『映画系音楽系文学系あいうえお10選(27)』
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする