Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

Who are you?

2018-03-31 00:10:00 | コラム
素性が知れないって不気味よねぇ、例の殺人犯に似てるんじゃないかって―。

~映画『怒り』(2016)より~



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あの子は、誰?
どこに住んでるの?

分からない、でも、きっと突き止めてやる。

~映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(85)、トップ画像のシーン~

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ヒトは、自分が有していないものを強く欲したり、憧れたりするっていうじゃない?

自分はアケッピロゲな性格の持ち主なので、謎めいた、ミステリアスな雰囲気を宿す男に憧れたりすることがある。


あなた、なんなの?

何者なんだ、キミは。


みたいな。

それは、名前を聞かれた英国の男前が「ボンド、ジェームズ・ボンド」と格好つけて発するアレとはちがう。

名前を明かすくらいでは怪しさの晴れない、もっと深いレベルで謎な存在。

『バットマン』(89)で、
記者のビッキー・ベイルが、富豪のブルース・ウェインを調べる流れがあるでしょう、理想はあんな感じ。




しかし、まぁ。
昔ならともかく、現代で謎めいた存在であることは、けっこう難儀だろう。

自ら発信したことでなくとも、自分の情報が電脳空間を漂っている―それがネット社会だもの、どんな連中と遊んだり、どんな子と付き合ったりしているかまで考えて毎日を過ごさなければいけない。

・・・・・。

無理だな、そんなことは。

そこまでして手に入れたものが「謎めいた雰囲気」って、
なんだかぼんやりし過ぎていて、GETした感(?)というのが薄いものなぁ!!

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明日のコラムは・・・

『あと、10日ガマン。 + 03月コラムの目次』
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映画監督別10傑(10)クエンティン・タランティーノ

2018-03-30 04:54:52 | コラム
~クエンティン・タランティーノのキャリア10傑~

デビュー当時は、ややこしい名前のため「クエン酸、たらり」で覚えたひとも居たとか居なかったとか。

オタクとしてのグランジ精神はそのままに、プロフェッショナルとしての矜持は成熟―映画小僧たちが憧れと尊敬をこめてQTと呼ぶ男は、「監督作10本で引退する」と公言している。

ほかの監督であれば「話、半分。」で聞くが、QTに関してはマジだと思う。

チャールズ・マンソンと彼が起こした「シャロン・テート事件」の周辺を描くとされる新作で、監督作は9つを数える。

あと2本。
寂しいが、それをリアルタイムで味わうことの出来る幸福を、我々は感謝しなければいけない。


(1)『イングロリアス・バスターズ』(2009)

歴史をひっくり返す。
映画で、映画愛でひっくり返してみせる。



これを1位に挙げると、けっこう意外な顔をされる。

たしかに完璧な脚本とはいえないかもしれない、穴があることは認める。

けれども。
深い、深過ぎる映画愛を前にすれば、そんな些細なことはどうでもよくなってしまうのだった。

(2)『ジャッキー・ブラウン』(97)

映画小僧が、映画監督へと成長を遂げた記念碑的作品。



(3)『レザボア・ドッグス』(92)

ほとんど伝説と化した、監督デビュー作。

ハーベイ・カイテルが惚れたという「特別な才能」は、冒頭の10分で「ドシロート」でも発見出来てしまう。

(4)『キル・ビル』シリーズ(2003、2004)

サブカル要素を詰め込んだ、なんでもありの240分。
しかし不思議なことに、最後の最後に待っているのは「感動!」なのだ。

(5)『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)

セックス、アンド、バイオレンス。



いわゆる「特殊映画」を、これほどの情熱を注いで撮る一流監督はほかに居ないだろう。

(6)『パルプ・フィクション』(94)

おそらく、最も有名なQT監督作。

この映画の印象が強過ぎて、一部の映画ファンは現在の「巨匠然」としたQTを認められないという。

気持ちは分からないではないが、じつはこれを発表したあたりで、すでに10本しか撮らないと決めていたのである。

終わりが定まっている以上、同じような映画を創っているわけにはいかないものね!



(7)『トゥルー・ロマンス』(93)

脚本そのものは、それほど優れているとは思えない。
ただキャラクターたちの「活き活きした感じ」が素晴らしく、なるほどこれは、多くの俳優が演じたくなるのも納得。

(8)『ヘイトフル・エイト』(2015)

堂々とした佇まいの映画に、監督としての成長というか進化を感じる。



ヒッチコッキアンから脱したころのデ・パルマみたいだなぁ! と。

(9)『クリムゾン・タイド』(95)

脚本の部分的リライト、しかもノンクレジットで参加。

けれども、どの部分を書いたのか・いじったのかが「なんとなく」分かってしまう、それも個性のひとつだろう。

(10)『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)

過去作へのオマージュをふんだんに盛り込みつつ、新感覚の西部劇を創る。

QTにはアメリカンドリームより、フロンティアスピリットということばのほうが似合う。

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『Who are you?』
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アオハルは、ダサかった。

2018-03-29 00:10:00 | コラム
某日―。
日清の広報さんみたいなひとが、インタビューに答えているネット記事を読む。

『カップヌードル』のCMシリーズ、『アオハル篇』の完結を受けての内容だった。



のだが、その記事は、『アオハル』CMが「大成功に終わった」ことを前提として展開するもので。


そうかー、あれって成功したのか。

個人的には、なにも感心しなかった・・・というより、なぜだか気に障るCMだったなぁと。

「キキ」や「サザエさん」を登場させて、最後に隕石衝突を持ってくる創りは、アンチャンネーチャンに媚びていると思った。

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ここで唐突に。
自分の、好きなCM5傑を。

(1)スコセッシ×アルマーニ




(2)ジャン=ピエール・ジュネ…これは、保険会社かなにかのCMかな




(3)最後のセブンスターCM

俳優の豊川悦司が演出した。


(4)『ペプシ』×桃太郎 犬篇




(5)中森明菜×pioneerのコンポ




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どうした日清さん、と思ってしまった。

時代の半歩「ほど先」を行く感覚が、日清CMのよさだったのに。

同じアニメーションという手法では、かつて大友克洋を起用して(トップ画像)成功させている。

あのCMには媚びた感じはなく、どちらかというと「黙ってウチらについてこい」っぽかったのになぁ。

パロディという視点で捉えても、台詞を変えただけで爆笑させてしまう『家庭教師のトライ』の「ハイジ」に完敗しているでしょう。


横綱だってヒトの子・・・ということは分かっているけれども、トップは常にどっしり構えていてくれないと。

あんなにワチャワチャした画面構成のCMなんて、『カップヌードル』には必要ないと思う。


結論。
好きなひとも居るであろうことを理解したうえで、それでもはっきりと。

日清が手がけるCMにしては、「アオハル」はダサかった。

中小企業であれば、あのくらいの媚と遊びも「あり。」だけど。

日清さんは大手なんだから、、、ね!!


以上、ナニサマ発言でした。

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にっぽん女優列伝(52)江波杏子

2018-03-28 00:10:00 | コラム
42年10月15日生まれ・75歳。
東京出身。

公式プロフィール


父親の部屋に忍び込み、週刊誌のグラビアや「大人なカレンダー」で、その存在を知った―というひとを、はっきり3人覚えています。

美保純、
藤真利子、

そして、江波杏子(えなみ・きょうこ)さん。

親近感を抱いたのは美保さん、
助平だなぁ、こんなひとに童貞を捧げたいなぁ・・・と思ったのは藤さん、

最も近寄り難い雰囲気を感じたのが、杏子さんでした。



イナカッペのクソガキなんか、相手にしてくれないのだろうな・・・そんな印象があったのです。
(尤も美保純だって藤真利子だって、自分なんか相手にしないよ!!)


それからしばらくして、深夜に放送された映画劇場で『女の賭場』(66)に触れ、その思いを「さらに」強くした少年時代でした笑



<経歴>

母親は戦前に活躍した女優、江波和子。
しかし杏子さんがまだ幼いころに死去、女優をやっていた母親の記憶はなく、それを埋めるかのように女優を志した―たしか、そう話していたと記憶しています。

59年、大映に入社。
映画俳優デビュー作は、60年の『明日から大人だ』。

しばらくは助演がつづき・・・

【60年】
『おとうと』『俺の涙は甘くない』『弾痕街の友情』

【61年】
『女は二度生まれる』『うるさい妹たち』『恋にいのちを』『誰よりも誰よりも君を愛す』『北上夜曲 北上川の初恋』

【62年】
『女は夜霧に濡れている』『鯨神』『化身』『その夜は忘れない』『閉店時間』

【63年】
『悪名一番』『嘘』『黒の商標』『わたしを深く埋めて』

【64年】
『「女の小箱」より 夫が見た』『悶え』『宿無し犬』『酔いどれ博士』『殺られる前に殺れ』

【65年】
『学生仁義』『黒い誘惑』『ザ・ガードマン 東京用心棒』『花実のない森』『不倫』『密告者』


・・・そして66年、
怪我のため降板した若尾文子の代役を務めた『女の賭場』がスマッシュヒットを記録、固定客もついたことから計17本が制作される人気シリーズとなる。


【67年】
『海のGメン 太平洋の用心棒』『毒薬の匂う女』『妻二人』『若親分兇状旅』

【69年】
『悪名一番勝負』『女殺し屋 牝犬』


大映が倒産した70年代に入っても、基本的には「賭場」のイメージが強いものの、さまざまな映画に挑戦。
とくに73年の『津軽じょんがら節』の演技は絶賛されました。

『二人だけの朝』(71)、『木枯し紋次郎』(72)、
『再会』(75)、『悲愁物語』(77)、『赤穂城断絶』(78)、『真田幸村の謀略』(79)、『日本の黒幕』(79)。

『遠野物語』(82)、『国士無双』(86)、『花園の迷宮』(88)、『ドグラ・マグラ』(88)、『悲しい色やねん』(88)、『利休』(89)。

『豪姫』(92)、『集団左遷』(94)、『白痴』(99)。
『KT』(2002)、『姐御』(2003)、『吉祥天女』(2007)、
『食堂かたつむり』(2010)、『僕たちのプレイボール』(2010)、『行きずりの街』(2010)、『相棒 ―劇場版II― 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜』(2010)、『桜、ふたたびの加奈子』(2013)、『地獄でなぜ悪い』(2013)、そして最新作は2014年の『ぶどうのなみだ』。


さすがにメディア露出は減りましたが、ときどきは登場してもらって、チャラチャラしがちな平成の俳優たちをビビらせてほしいですね笑


次回のにっぽん女優列伝は、大楠道代さんから。

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『アオハルは、ダサかった。』
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にっぽん女優列伝(51)江角マキコ

2018-03-27 03:26:34 | コラム
66年12月18日生まれ・51歳。
島根出身。

※引退時のままの、公式プロフィール

いつの間にか引退、
しかも、まるで犯罪者であるかのように責められ、一般人へと回帰してしまった江角マキコ(えすみ・まきこ)さん。
繰り返しになりますが、すでに一般人であるからして、ここで取り上げるべきでない、、、のかもしれませんが、けっこう好きなひとだったので、そういう理由だけで取り上げてみます。

といっても。
テレビタレントとしての江角さんのことは、よく知りません。
『ショムニ』シリーズ(98~2013、フジテレビ)のイメージそのままに、ズバズバいうところがウケていた、しかし後年、それがブーメランとなって自身を苦しめた―とはいいますが、引退しなければならないほど、このひとが悪かったとはどうしても思えないのですね。

(1)「国民年金保険料納付キャンペーン」のイメージキャラクターになった途端、何十年もの未納があったことが発覚。

(2)当時のマネージャーが、長嶋一茂宅の外壁に「バカ息子」と落書きをする。
その指示をしたのは、江角さんだったと報じられる。

(1)はダサいですけど、1周まわって愛嬌さえ感じられます。

(2)に関してはウヤムヤのままであり、ほんとうだったら面白いのにな、、、と思わないわけでもありません。


ただこのひと、『ショムニ』がよい例だと思うのですが、はまり役に出会ったときの女優としての魅力はそーとーなものがあります。

その個性が映画に活かされたことは「2度」しかないので、それがもったいなかったなぁ! と。


1度目はデビュー作、そして2度目は、鈴木清順がヒロインに起用したこれです。



<経歴>

細過ぎるかもしれませんが、でも、まぁ、やっぱり、よい脚ですなぁ笑




バレーボールの実業団選手として活動したのち、モデルの世界へ。

そういえばこのころ、永ちゃんのアルバムジャケットに映る女子は誰だ? などと話題になりましたよね。



映画俳優デビュー作は、95年の『幻の光』。

ウチの師匠が、
「ひとを風景のように撮ることが映画なのか。映画とは、風景をひとのように撮るものなのではないか」と批判した作品ではありますが苦笑、
自分は大好きなんです、宮本輝の原作小説をうまく調理したと思いますし、江角さんも(ほどよくエロくて)魅力的、なにより、いまをときめく是枝裕和の映画監督デビュー作でもありますし!

『恋は舞い降りた。』(97)、
やはり江角さんの映画的なエロさを分かっていた清順監督が、明らかに性的暗喩としてピストルという小道具を用意した『ピストルオペラ』(2001)、
つづく『命』(2002)では原作者の柳美里を演じたりして、映画ファンの期待を抱かせましたが、
ほかの出演作は『釣りバカ日誌15 ハマちゃんに明日はない!?』(2004)と『蟲師』(2007)くらいであり、「映画」女優という紹介も「ぎりぎり」になってしまうキャリアの短さなのでした。

うーん。
やっぱり、ただただ残念でなりません、納得したうえでの引退、、、とはいえないところが。

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